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【小説】「仕方ねぇな。お前を俺の相棒として認めてやる」

幻冬舎ゴールドライフオンライン

人に触れるだけで命を奪うスキルを持ってしまった少女―恭子―。感情の起伏により発動してしまうその能力に、人に触れることを恐れ、他人との関わりを避け、感情を殺して孤独な人生を送っていた。だが、その能力は国家機関が知ることになり、諜報部員としての誘いに迷う中、他国の諜報機関の刺客との戦いで感情を解放する喜びを知ってしまった恭子は、誘いを受け入れて自ら戦地へと赴く。任務を終えて日本に帰国した恭子は、防衛省の極秘機関に配属されテロ組織殲滅の為戦う日々を送るが、人を殺す事への罪悪感と毎夜襲う死者からの悪夢、そして人の温もりを一生得られない自分の能力を忌み、苦悩していた。苦悩する恭子の心を次第に和らげていったのは、相棒の猛だった。次第に猛に心を許す恭子。しかし猛が凶弾に倒れ――。その刻。――彼女の真の覚醒が始まる――※本記事は、館野伊斗氏の小説『スキル』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

覚醒

部屋の前まで来ると、猛は携帯電話を取り出した。携帯のカメラを部屋に向ける。画面には、サーモグラフィーが映し出されていた。人型の熱源が四つ。一人は部屋の中央に座っているが、他の三人は立った状態で部屋に散らばっている。念のため他の部屋も確かめたが、熱反応があるのはこの部屋だけだ。

「いいか。座っている奴が多分親玉だ。俺がまず突入して親玉を拘束する。お前は俺が牽制して動けなくしている間に、結束バンドで残りを後ろ手に縛り上げろ」

猛は携帯電話を仕舞い、代わりにコインの様な物を取り出した。扉に貼り付ける。

「これは消音器(サウンドキャンセラー)だ。この扉が発する音は全てキャンセルしてくれる」

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ドアキーを認証機に差し込む。扉に押し当てた手から、閂(かんぬき)が外れる感覚がわってきた。音はしない。キャンセラーが正常に動作している。猛がドアを開け、部屋の中へと進み、陰から部屋の中を確認する。サーモグラフィー通りの人数だ。

猛はいきなり部屋に飛び込んで行った。

驚いた男達が振り向き、銃を抜く。立っていた男達は、侵入者に気付いた瞬間に銃を抜いた。見張りには、鍵を使わずインターホンを鳴らせと言ってあった。無断で入って来る者がいたら、否応なく発砲すると決めていた。

猛に向かい銃が火を噴く。しかし、彼の動きの方が早かった。壁が銃弾に砕け散る。猛の視界に、ソファーに座る男の姿が映った。怯えた表情まではっきり確認出来た。床を一回転してすぐに男の背後に回り、片腕で座る男の首を締め上げ、男を盾にした形で他の三者に銃を向ける。

「動くな!」

猛と三人は睨み合った。

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