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既読スルーばかりのカレ。「熱がでた」と送ってみると、予想外の反応で…

東京カレンダー

「彼って…私のこと、どう思っているんだろう」

連絡は取り合うし、ときにはデートだってする。

自分が、相手にとっての特別な存在だと感じることさえあるのに、“付き合おう”のひと言が出てこないのはどうして?

これは、片想い中の女性にとっては、少し残酷な物語。

イマイチ煮え切らない男性の実態を、暴いていこう。



既読スルーばかりの彼、どうして返事が来ないの…?(寧々・27歳の場合)


寧々:前に教えてもらった映画、見たよ。すごくおもしろかった!

裕也に送ったLINEは、すぐに“既読”になった。けれど、それから1週間。返事がくる気配は一向にない。

― はぁ…。これなら絶対に返ってくると思ったのになぁ。

半年前、食事会で知り合った彼と私は、定期的にデートをするような関係。それこそ、出会ってすぐのころは、裕也のほうが積極的に連絡をくれていた。

なのに、今では私が既読スルーされてばかりいる。

最近は、返事をもらえそうな内容を考えてLINEをしても、こんなふうに返ってこないことがしょっちゅうだ。

だからつい、不安になって、追いLINEをしては後悔ばかり。

寧々:裕也くん、お仕事忙しい?落ち着いたら、ご飯食べに行こう!
裕也:ちょっと忙しいかな。予定確認したら、連絡するよ。

だが、やっと返事がきたと思っても、やり取りはすぐに終わってしまう。かといって、そのまま無視をされ続けるわけでもないから、ズルズルと諦めることができずにいるのだ。

― 彼って、私のこと…どう思ってるのかな。


裕也とは、友人が誘ってくれた食事会で出会った。

私より2つ上の29歳で、外資系証券会社勤務。ドラマにもよく出ている、王子様キャラのジャニーズタレントによく似た甘いマスクで、一目見て相当モテるだろうと思った。

そして、そんな彼が、ほかの女性ではなく私を気に入ってくれたことに驚いた。

「寧々さん、お酒苦手ですか?実は、僕も」
「そうなんです。すぐ酔っちゃうし、顔も赤くなっちゃうんですよ」
「あ、僕もそれ一緒です!」

2人ともお酒が得意ではないとわかると、食べ物の好みの話題で盛り上がり、その場でLINEを交換。

翌日、裕也から“今度食事に行きましょう”とメッセージがきたのを皮切りに、2日に1回のペースでやり取りが始まったのだった。



「このレストラン、来てみたかったんです!嬉しいっ」
「よかった、ここ寧々ちゃんも好きだろうなと思ったんだ!」

2人きりでディナーをしたのは、出会ってから2週間後。

場所は、東京駅近くにあるホテル内のフレンチレストラン。食事のペースを合わせてくれるうえに、会話も盛り上げてくれる裕也のおかげで、心地がいいと思える2時間だった。

「寧々ちゃんって、映画も好きなんだよね?今度の休み、一緒に見に行かない?」

次の誘いも、もちろん彼から。こうして、他愛ない連絡を重ねたり、定期的にデートをしたりしてきた。まさに「付き合う前のいい感じ」といったところだ。

ところが、私がこんなふうに浮かれていられたのは、4ヶ月目くらいまでがいいところだった。

― あれ、そういえば、もう4日も裕也くんからLINEがきてない…。

これまでも、基本的には私が送ったLINEでやり取りは終わっていた。けれど、次の約束が決まっていることが多かったから、不安にはならなかった。

ただ、その間隔が徐々に開いてくると、イヤでも“既読スルー”という言葉がチラつきはじめる。

私たちは、出会ってから結構な時間を一緒に過ごしてきた。デートだって何度もしてきた。

― なのに、関係が進まないのはなんで?

焦った結果、既読スルーされた後に追いLINEをすることも増えた。

裕也から返事をもらえるように、彼が好きなスポーツやレストランをネタに試行錯誤の末、LINEをしてみたこともある。

しかし、それも長くは続かず、スタンプのみの返事も増えてきた。このあいだ映画の話題を振ったときなんかは、完全にスルーだった。

― どうにかして、距離を縮めなくちゃ!取りあえず、なにかLINEを…ゴホゴホッ。んんっ…。


突然、悪寒がして、体温計で熱を測ると38.2度もあった。

さらに、咳まで出てくる。

この日は、幸いにも土曜日。私は、震える体でベッドに横になることにした。

目が覚めたのは、16時。

寝る前よりも頭が痛くて、寒気もひどい。体は思うように動かない。そこで、助けを求めたのは、裕也だった。

寧々:裕也くん、熱が出ちゃった…。ベッドから動けなくてツラいよ。

すると、15分後。

裕也から返事が送られてきて、私は期待しながらそれを開いた。


裕也:夏風邪は治りにくいから、ゆっくり休んで。お大事に!

― …それだけ?

あっさりとした裕也の返事に拍子抜けしながらも、こう続ける。

寧々:裕也くん、今何してるの?ちょっとだけ助けてほしいって言ったら、迷惑かな?
裕也:今、人と会ってるから…ごめん。
裕也:(犬が“ごめん”と頭を下げているスタンプ)

― うそ…。私だったら、好きな相手からこんなLINEがきたら、差し入れとかしに行っちゃうけど。しかも、土曜日だし、少しくらい遅くなっても大丈夫なんじゃ…。

でも、こんなふうにスタンプで終えられてしまったら、もう打つ手はない。

熱でぼんやりする頭で、裕也のLINEを反芻すると、胃がギューッと締めつけられて、余計に具合が悪くなりそうだった。



数日後。

寧々:このあいだは、ごめんね。回復しました!
裕也:元気になってよかったよ!
寧々:ありがとう!じゃあ、来週あたりまたご飯でも行かない?都合のいい日、教えてほしいな。

このLINEのあと、2週間待ったけれど返事はこない。

私からも追いLINEをしなかったら、それから1ヶ月音信不通になってしまった。

見ないようにしていたけれど、近況を知りたくなって裕也のInstagramを開く。

するとそこには、私が寝込んでいた日、河川敷でバーベキューをしている写真が投稿されていた。メンバーは、親しげな男女6人。裕也と、華やかな顔立ちの女性が密着した2ショットもある。

― もしかして…彼女?それか、ほかにもいい感じの人がいたんだ。えっ、私って、キープだったってこと?

彼が私と連絡を取らなくなったのは、本命の存在があったからなのだろう。

「一体いつから…?」「この人、彼女?」だなんて、聞ける立場でもない私は、ただソッとInstagramを閉じるのが精いっぱいだった。



本命以外の女性にする“既読スルー”に深い意味なんてない(裕也・29歳の場合)


会社の同僚が声をかけてくれた食事会。

そこで出会った寧々は、まわりの女性たちよりも控えめで、その場に馴染めていない感じがして気になった。

それに、彼女も僕と一緒でお酒はあまり飲めないたちらしい。だから、酔ったメンバーのなかで、唯一おとなしい寧々のとなりは居心地がよかった。

「寧々さんは、何系の料理が好きですか?」
「うーん、辛い料理かな!韓国料理とか、エスニック料理も好きです」

― あ、食事の好みも一緒だ!

こんなふうに、彼女とは共通点がいくつかあって、意気投合。よく見ると、長いまつ毛と黒くて大きな瞳が魅力的な子だったし、LINEを交換して、定期的に食事に行ったりするような関係になった。

しかし、僕には、もう1人親しくしている佐英子という女性がいた。彼女とは、寧々と出会ったのとほぼ同時期に、別の食事会で知り合った。

お酒は飲むし、ファッションも華やかだし、言いたいことは我慢しない佐英子。会うと楽しいのだけれど、LINEはあっさりしているから、逆に普段なにをしているのか気になって、僕のほうから連絡したくなってしまう。

そんな彼女に、強く惹かれるようになっていった。佐英子が本命、こう思ったらもう、寧々からのLINEに返事をすることが少なくなるのは当然。

ちょうどそのころ。

寧々:裕也くん、熱が出ちゃった…。ベッドから動けなくてツラいよ。

寧々から体調不良を訴えられたのだけれど、僕はこの日、佐英子たちとバーベキューにきていた。

― かわいそうだけど、僕がしてあげられることはないかな。

もし、寧々が本命だったら、一目散に差し入れを持って行ったと思うけれど、残念ながらそうではないのだ。僕は、寧々の存在をすっかり忘れて、そのあとも佐英子たちと楽しい時間を過ごした。

それから、数日。

既読スルーをしたままになっていた寧々から、またLINEが送られてきた。

このときの僕はというと、佐英子にいつ交際を申し込もうかとタイミングを見計らう段階まできていたから、寧々への返事は正直かなり適当だったと思う。

もし、寧々の誘いに乗って、食事に行くことになるとしたら、それは佐英子に振られてしまったときだろう。


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