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没後30周年、松本清張の「事実は小説より奇なり」だったミステリーとは?

アサ芸Biz

 8月4日で没後30周年を迎える松本清張。約40年間の作家生活で700以上の作品を発表しているが、ミステリーだけでなく歴史小説やノンフィクション、旅行記、エッセイなど手掛けたジャンルは多岐に及ぶ。社会派らしく推理小説はその多くが実際の出来事をモチーフにしているが、作品と違って事件は未解決のままというケースも珍しくない。

 例えば、67年に発表され、90年と02年の二度にわたってドラマ化された「家紋」は、1906年に福井県の船問屋で起きた一家3人惨殺事件がモデル。吹雪の夜、犯人と見られる毛布を被った男に連れ出されているが、小説では赤マント姿で登場。1人だけ遺体が発見されなかったことで共犯説なども流れたが、結局21年に時効を迎えている。

 また、69年発表の「アムステルダム運河殺人事件」は、65年に起きた日本人駐在員バラバラ殺人事件が元ネタ。被害者の赴任先である隣国ベルギーのブリュッセルに住む友人が捜査線上に挙がるも、警察の事情聴取後に不審死(交通事故死)を遂げ、こちらも迷宮入り。

 そして、72年発表の「熱い絹」は98年にドラマ化されているが、これは67年にマレーシアの避暑地キャメロンハイランドで起きた“タイのシルク王”ジム・トンプソン失踪事件をベースにした作品。現在も絹製品の世界的ブランドとして知られているが、米国人の彼はもともとCIAの前身機関の諜報員。そのため、身代金目的の誘拐説以外に諜報活動絡みの拉致・暗殺説など諸説があり、半世紀以上経った現在も足取りはおろか手がかりすら掴めないままだ。

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「こうした作品は他にも複数あります。それにノンフィクションでも未解決事件を扱った『日本の黒い霧』などがあり、真相についての独自の考察も入れています。元新聞記者らしい緻密な取材に基づいた内容で、いずれも読み応え十分です」(文芸評論家)

 今も多くの人に愛されている松本清張の作品。この機会に彼の名作の数々に触れてみるのもいいかもしれない。

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