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裁判所、一時所得を否認…外資系日本法人の代表「高額納税」の悲劇

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外資系企業を中心に、現金で支払う給与のほかに、インセンティブとして株式を付与する制度「RSU(ストックアワード)」を取り入れるケースがあります。その場合、確定申告はどうなるのでしょうか、サラリーマンの節税相談で定評のあるトランス税理士法人の中山慎吾税理士が、RSUやストックオプションの税務申告について解説していきます。

外資系日本法人の代表、3億円超の利益を得たが…

令和3年分の確定申告は多数の方から依頼をいただきましたが、その約8割が会社員、その中でも約2割がRSUやストックオプションを含む確定申告でした。RSUやストックオプションについては現在も多くの問い合わせをいただいており、このような給与形態を取り入れた企業が増えている印象があります。

RSUとは従業員が一定の条件の下、自社の株式を取得する権利が得られる制度です。一定期間の勤務期間要件等を満たしたのち、譲渡制限が解除されて権利が確定します(Vestと呼ばれることが多いです)。売却はすぐにすることができず、複数回に分けて一定量ずつ株式を売却する権利が確定した後に可能となります。ストックオプションでは自社株式を一定価格で購入できる権利が付与されるのに対し、RSUでは株式そのものが付与されます。

ストックオプションについては平成17年に大きな裁判があり、その後のストックオプション税制に影響がありました。

この裁判の争点は、ストックオプションの権利行使時の利益は一時所得なのか、給与所得なのかという点です。一時所得の場合特別控除の50万円を差し引き、さらにその2分の1が課税対象となるため、課税所得が大幅に下がります。

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平成8年~11年にかけて、外資系日本法人の代表Xが親会社の米国法人から付与されたストックオプションを行使し、総額3億5000万円の権利行使益を取得しました。Xはこの利益をそれぞれ一時所得として確定申告したところ、税務署はこの利益は給与所得に該当するとして所得税の更生処分をし、Xはこれを不服として課税処分の取り消しを求めました。下った判決は、権利行使時の利益は会社から個人へ業務の対価として与えられた経済的利益となるため、給与所得に該当するというものでした。

給与所得の場合は特別控除や2分の1減額のない金額が上乗せされるため、課税対象額が上がります。ストックオプション分の給与は源泉徴収されないため、高額な納税に追われる方が多数いらっしゃるのが現状です。

RSUやストックオプションがあるサラリーマンの悩み

筆者では確定申告の後に、翌年以降の税金の見通しのシミュレーションなどを打ち合わせしております。その打ち合わせの中でRSUやストックオプションがある方から多く挙がる共通の悩みとして、以下のようなものがあります。

 ・給与収入が増えたとしても税金を支払う影響で手元資金が増えない

 ・確定申告の計算が合っているか不安

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