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糖尿病治療の新常識…インスリン治療を補助する「新薬」驚きの効果【医師が解説】

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日本人の5~6人に1人がかかるといわれ、もはや「国民の病」ともいえる糖尿病。糖尿病の治療はこれまでインスリンを使った治療が通常でしたが、より苦痛が少なく、目標が達成しやすい新薬も使われていると、森山記念病院内分泌代謝内科部長の高野幸路先生はいいます。注目の薬について、作用とメリットをみていきます。

食事量調整が患者の負担に…従来の「インスリン治療」

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなりすぎてしまうことでさまざまな問題が起こる病気です。

筆者が研修医のころの糖尿病治療薬といえば、インスリン、インスリンの分泌を促すスルフォニルウレアという内服薬の仲間、作用の仕組みが多岐にわたるビグアナイドという内服薬などに限られており、これらの薬を使って血糖値を下げる治療をしていました。

経口薬でうまく治療できなくなると、どうしてもインスリン注射をする必要が出てきます。血糖を下げる働きをするホルモンの「インスリン」を自分で皮下注射することで、血糖を下げていたわけです。

インスリンの効果が強すぎると血糖値が必要以上に下がってしまい、意識が遠くなる低血糖発作が起こります。そのため、患者さんは毎日の食事を規則正しく摂る必要がありました。

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インスリンというホルモンは本来、食後に分泌されて栄養素(デンプンが分解してできる糖類や、タンパク質が分解してできるアミノ酸など)を体に蓄える働きをしています。

消化管から血液中に入ってきたブドウ糖をグリコーゲンや中性脂肪に変えて蓄えることで、血中のブドウ糖を減らすわけです。このためインスリン治療は本来、「栄養が来たから体に蓄えるよ」という治療です。

「GLP-1作動薬」のはたらきとメリット

さて一方、GLP-1作動薬は、消化管の細胞から分泌される「GLP-1」というホルモンの作用をもつ注射薬です。

GLP-1をわかりやすくいうと、「もうおなかいっぱいになったよ」ということを体に教える働きをしてくれます。

インスリンと同様食後の分泌ですが、消化されできた栄養素が小腸の末端まで進んだとき、特によく分泌されます。そして「おなかがいっぱいになった」ということで胃の動きを止めてもう食事がほしくないようにしたり、脳に働きかけ食欲を低下させて、食べ過ぎないようにしたりします(食べ過ぎて小腸を通り越し大腸まで栄養素が入っていくと、お腹を壊してしまいますからね)。

このようにGLP-1作動薬は、おなかいっぱいになったよという指令を送る薬です。

メリット1.食事療法がしやすい

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