
老親の資産を守る方法、あるいは将来の相続税の節税対策として、複数のスキームが知られています。目的に合致すれば有益である一方、場合によってはメリットが得られない、かえって使いが手が悪くなってしまうこともあるため要注意です。相続専門税理士が平易に解説します。※本記事は『相続専門の税理士、父の相続を担当する』(あさ出版)より抜粋・再編集したものです。
家族信託…万一親が認知症になっても安心!
家族信託とは、文字通り「家族を信じて託す」の意味で、
「財産を管理・運用・処分できる権利を子どもや親族に渡すことができる契約」
のことです。
家族信託を設定しておけば、財産の所有者である親が認知症になった場合でも、子ども(親族)は財産の管理・運用・処分ができます。
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「認知症対策をしたい場合」
「成年後見制度(せいねんこうけんせいど)以外の方法を検討したい場合」
「障害を持つ子どもがいる場合」
などに必要とされる財産管理方法です。
成年後見制度…金銭管理・契約等を頼めるが、注意点も
成年後見制度とは、高齢化などにより判断能力が低下した人に対して「後見人」を立てて、金銭管理や法律に関する契約を代わりに行ってもらう制度です。
家庭裁判所によって任命された後見人であれば、判断能力の低下した人の財産管理ができます。