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『赤いナースコール』が提示する新しい考察ドラマ 同一犯説を疑わせる電ノコ男の正体は?

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ドラマプレミア23『赤いナースコール』(c)「赤いナースコール」製作委員会

 『赤いナースコール』(テレビ東京系)が、8月1日に第4話を迎えた。連続殺人事件の犯人は病院内にいるのか。購買部で働く江口(名取えりか)に続いて、313号室の患者である松井(木村了)の遺体が自宅のベランダで発見される。松井の右腕ひじから下の部分は乾燥機の中で洗濯されていた。

 参考:【写真】包帯でぐるぐる巻きになった佐藤勝利

 翔太朗(佐藤勝利)とプロデューサーの山之内(小堀裕之)が交わしたドラマの配役に関する会話は、看護師の西垣(浅田美代子)や同室の津田(山本浩司)、後藤田(森田甘路)も加わって、連続殺人事件の犯人像をめぐる考察に発展する。犯人は「一番怪しく見えない人間」で、「最後に視聴者に納得してもらわなきゃいけない」。ドラマなら出演者のネームバリューと配役のギャップがある場合も有力な候補だ。

 『赤いナースコール』が考察を前提に作られていることは明白だ。登場人物の言動は前話までの答え合わせを兼ねており、過熱する考察をよそに次々とあり得る可能性を消去していく。それでいて、「プロットをちゃんと作らないと、後で視聴者に伏線をちゃんと回収できてないとか叩かれますからね」と翔太朗が言うように、真犯人への手がかりが劇中で示されることも予告される。これは、あらかじめ読み解かれることを前提にしてストーリーが組み立てられていることを意味する。

 また、翔太朗の職業を脚本家として設定することで、外から作品を俯瞰する視点を導入している。その結果、登場人物も視聴者と同じようにドラマの中の現実を考察することになる。通常、作品の登場人物はドラマ内の出来事に対して無自覚だが、あえて自覚的に振る舞わせることで解釈の自由度が拡張している。前回、自己言及的と書いたが、単なる追体験にとどまらない物語の外部化を想起させる斬新な構図だ。同じく秋元康企画・原作でドラマ制作現場を風刺した『共演NG』(テレビ東京系)や、数々のフェイクドキュメンタリーで知られるテレビ東京らしい考察ドラマへの取り組みだと思う。

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 話を戻すと、県下の女性を狙った連続殺人と榎木田病院の患者が惨殺された2つの事件が同一犯かどうかの決定的な証拠はなかったが、それは2つの事件の間に明確な接点がなかったためである。身体の一部を切断する手口は共通しているが、前者では女性の手足を持ち去り、後者では患者の胴体や頭部を殺害現場付近に遺棄するなど明確な違いもある。また、女性の殺害現場ではチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が流れていた。

 これらは別の犯人による犯行の可能性を示唆している一方で、江口と松井の事件では、これまでにない犯人像の重なり合いも見られる。県下の事件の被害者は病院関係者ではなかったが、江口は榎木田病院の購買部に勤めていた。また滝中(橋本淳)と下塚(大水洋介)が病院内で殺されたのに対して、松井は自宅で殺されるなど殺害場所も病院に特定されていない。さらに2つの連続殺人を結びつける事実も新たに発生。翔太朗とアリサ(福本莉子)に電動ノコギリを持った人影が忍び寄り、病院内にチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」が流れる。このことは同一犯説を裏付けるものではないか?

 謎が徐々に解き明かされる一方で、当初から頭を占めていた疑問として、なぜ313号室の患者が狙われるのかという疑問がある。不審な噂の絶えない榎木田病院だが、これまで表立って連続殺人があったわけではなく、翔太朗の入院をきっかけに同室の患者が次々と殺される。ということはやはり犯人は翔太朗なのか。西垣が言うように「まだまだ一波乱、二波乱ありそう」だ。(石河コウヘイ)

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