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歩みを止めず、進化し続ける。広尾『飄香(ピャオシャン)』で体感する四川の文化と食の物語

80C[ハオチー]

『飄香(ピャオシャン)』は、四川料理という大海原に深くダイブした、井桁良樹オーナーシェフの経験・技術・情熱を核に、進化し続けてきたレストランだ。

これまで手掛けてきた店には、井桁シェフがそれぞれの時代で表現したいことが詰まっているが、2022年7月4日、広尾にオープンした注目の新店舗は、料理を手掛けるシェフは1人、サービスも少数精鋭。レストランもゲストも、料理に全集中できる空間となった。

フロア席と同じくらい広く取られたキッチン。photo by 飄香

四川料理が生まれた背景に想いを馳せる、物語のようなコース料理

そんな新店のメニューは、14皿から成る1種類のコースのみ。メニューに書かれた漢字2文字は料理名ではなく、食べる側が料理に想いを馳せるための詩のタイトルのようだ。

芙蓉―豆花で成都をイメージする美しきコースの幕開けを

例えば「芙蓉」は、四川省でおなじみの小吃、饊子豆花(サンズドウファ)が背景にあるアミューズだ。

豆花はふるふるの豆腐のような軽食で、饊子(サンズ)とは麺を撚ったような揚げ菓子のこと。そのクリスピーな食感は豆乳や豆花にお決まりの合いの手であり、食欲を高める名脇役となる。

『飄香』の「芙蓉」。豆花をベースにしたアミューズ。

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至極滑らかな自家製豆花を匙ですくうと、大豆の風味とともに白いんげん豆、リコッタチーズ、燻製干し肉(腊肉)の風味がじわり。うまみと香りと食感の妙に心躍る。

芙蓉とは、かつて「芙蓉城」と呼ばれた成都の代名詞。また、白くふわりとした料理は芙蓉の花にも通じており、四川の食の物語が花開くのにふさわしい一皿だ。

古鎮―夏の風を呼ぶとうもろこしの涼粉(リャンフェン)

豆花同様に四川の軽食として楽しまれている涼粉(リャンフェン)は、季節を映した一品となっている。涼粉とは緑豆やえんどう豆など、穀類のでんぷんをところてん状にした冷たい小吃のこと。同じ穀類でも、とうもろこしを用いてつくられたのが「古鎮」だ。

『飄香』の「古鎮」。とうもろこしの清湯を固めている。photo by 飄香

聞けば、とうもろこしを6時間じっくり煮て、スープとともに冷やし固めたという。この小塊を四川人が口にしたら、いったいどんな表情を浮かべるだろう。

舌で潰した瞬間、黄金色の立方体はとうもろこしの冷たいジュースと化し、黒酢や辣油の効いたたれとともに、口の中に夏の涼を届けてくれる。

琵琶―泡菜の汁をソースに生かした牡丹海老

また、野菜を塩水に漬け、乳酸発酵させた泡菜(パオツァイ)は『飄香』が作り続けてきた漬物のひとつ。コースには、泡菜やその漬け汁が隠し味として使われているが、その最も印象的な一皿が「琵琶」だ。

『飄香』の「琵琶」。photo by 飄香
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