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「こんな人じゃなかったのに」外面が良い人が、結婚後に豹変してしまうワケ

日刊SPA!

「こんな人じゃなかったのに」外面が良い人が、結婚後に豹変してしまうワケ

―[モラハラ夫の反省文]―

◆「外の人間には優しいのに、なぜ私には辛く当たるの?」

 DV・モラハラ加害者が、愛と配慮のある関係を作る力を身につけるための学びのコミュニティ「GADHA」を主宰しているえいなかと申します。

 多くの加害者と関わっていると「パートナーからこんなことを言われた」という言葉が共通していることが少なくありません。

 その1つが「どうして外ではできるのに、私にだけ共感や寄り添いができないの?」というものです。職場や友人、時には実家の家族も含めて、「外」では問題なく振る舞うのに、なぜ「私にだけ……」と、能力があるのにそれを活用しないことへの怒りや悲しみを示されることがあるのです。これは、男女問わず起こり得ることです。

 今回はこのよくあるセリフの背景に迫りたいと思います。

 ◆なぜ「内側」になると気遣わなくなるのか

 疲れている時にお茶を入れてくれたり、どこか外出する時には率先して計画を立ててくれたり、しんどい時には話を聞いてくれていた人が、なぜ……。

 仕事では気配りもできて、取引先からの信頼も厚い。中には、そんなところに惚れて結婚までしたというのに、家庭の中では全く気配りをせず、自分のことばかり……そんなふうにパートナーにがっかりされてしまう人は少なくありません。

 そういう人には「付き合っている間」は、とてもケアができる人だったのに、「結婚してから」や「子どもができてから」徐々にケアをすることをやめていってしまう人もいます。

 色々なパターンがありますが、今回はそのうちの1つのパターンに絞って述べていきます。それは「関係が終わらないものだと考え、甘え始めた人」というパターンです。

「甘え」とは一言で言うと「相手は自分をケアする責任があるが、自分にはない」と考えることです。これは、他者と中長期的な関係を築く上でもっとも破壊的な考え方だと言って良いでしょう。

 赤ちゃんと親の関係とも言えますが、それと決定的に異なる点がいくつかあります。最も重要なことは、親は赤ちゃんに対して一定の片務的な責任を持ちますが、パートナーシップはそうではなく相互的なものであることです。

 ◆職場では甘えていない、ということ

 つまり、職場では甘えていないのです。自分も業務で価値を発揮するし、相手にもそれを求める。相互に価値を提供しあっていることに自覚的だから、気遣うことも当然できるし、取引先に対する気遣いはもはや業務の中心でさえあり、当然行うわけです。

 これにもっと踏み込むと、そこにあるのは「職場はクビになるかもしれない」という関係の終了の可能性が十分に高いことを認識しているという事実にあります。甘えていると関係が終了して自分が困ることがよくわかっているので、甘えないのです。

 翻って、パートナーシップについて考えてみるとどうでしょうか。

 パートナーに対しては当たり前のように「察して欲しい」とか「言わずとも理解して欲しい」、もっと行くと「やってくれないとおかしい」だとか、「自分のケアをするのはお前の役割だ」と展開していきます。
 
 このパターンで多いのは「自分は働いてお金を(多く)稼いできている/から、その分ケアの仕事はお前の仕事である」という考え方をセットで持っていることです。

◆家計のためにお金を稼ぐことは「ケア」ではない

 こちらの記事に書いたように、それは間違っています。結局のところお金を稼いでもそれを相手のケアに使わなければケアにはなりません。

 ケアは、ケア同士で交換しなければ、枯渇してしまうものであり、枯渇するということは関係が終了するということです。ケアを交換することはパートナーシップの前提となる重要な責任であり、その放棄をすることが「甘え」なのです。

<終わりに>
「仕事の時は出来る共感や寄り添いが、パートナーに対しては出来ないのはどうしてなんでしょうか?」

 そんな質問に対する一つの回答は以下のようになります。まず第一に、仕事では甘えが生じておらず、パートナー関係において甘えが生じています。甘えとは「自分はケアをする責任を持たないが、相手はその責任を持っている」と考えることです。

 第二に、甘えているということは、パートナーシップが相互のケア無しには関係が終了することに気づいていないか、自分はケアをしているつもりになっているということです。その場合、多くは「お金を稼いできていること」をケアだと誤解していることが想定されます。

 この価値観が揺るがない限り、パートナーに対して主体的にケアを行うことの重要性に気づくことはないでしょう。そのためには関係の危機を迎えることが必要な場合が多く、相手が別れを切り出す頃にはもう離婚の意志が固まっていることも多く、その関係が楽しかった頃に戻る可能性は高くないでしょう。

【被害者かもしれないあなたへ】
 もしもあなたが「なんで外の人にはそんなに気遣いができるのに自分にはしてくれないんだろう」と思っている場合、ケアの搾取が中長期化している可能性があります。
「今は忙しい時期だから……」「疲れているのだろうから、もっとケアしなくちゃ」と考えても、却って状況が悪化する可能性もあります。
 ケア疲れが本格化すると、自分の感情や好き嫌いがわからなくなっていくこともあり、その兆候を感じたら早め早めに専門機関にアクセスすることがおすすめです。

【加害者かもしれないあなたへ】
 ケアの欠如は加害です。自分に悪意があるかどうかとか、自覚があるかどうかとは全く関係がありません。僕は本当にたくさんの加害者の方が自分の行いを後悔している様子を見てきました。
「パートナーはずっと言ってくれていたのに、自分はまるで聞く耳を持ちませんでした。こんなこと(離婚や別居)になるなら……もっと早く変わりたかった」という嘆きは悲痛です。
 いざとなれば、人は経済的に困ることがわかっていても別れを選びます。その後、あなたは孤独になります。少しでも心当たりがあったら、ぜひ色々調べてみてください。

【えいなか】
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

―[モラハラ夫の反省文]―

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