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【小説】家族が殺される銃声音。子どもだけが取り残され…

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辛い毎日だが子供達は元気に過ごしていた。でも楽しみな事もある。毎年、春と秋に遠足があるのだ。行き先はユベイル渓谷。全米屈指の渓谷でその山並みは恐竜の背中そのものであった。そして、谷底には大きな川が流れ、さすがに恐竜はいないが、現代の恐竜と言っても過言ではない体長7メートルの巨大なワニが生息している。

彼らの餌は川を泳ぐ大ナマズに、川辺で水を飲む鹿だ。水中から狙いを定めロケット弾のごとく獲物へと突進していく。一度くわえたら二度と離す事はない。

子供達の楽しみは、ミルキーの造るお弁当だ。いつもジャガイモばかり食べさせられているが、この日ばかりは御馳走が並ぶのだ。麓まではミルキーが運転するマイクロバスで行く。

みんな遠足は楽しみだが一つだけ最悪な事がある。サーマンも一緒に付いてくるのだ。助手席に乗り、いつものようにウイスキーを喉に流し込み何の役にも立たない。役に立たないどころか大声で歌を歌い、その音痴さはひどいものでとても聴いていられない歌声であった。

マイクロバスで1時間程走ると渓谷下の駐車場へ到着した。そこからは、リュックサックにお弁当と写生道具を詰め込んで、約2時間山道を登って行く。遠足といってもここでの風景を絵にして、学校で展覧会をしているのだ。そんな山道だがゆるやかな坂道が続いている。サーマンもウイスキー片手にその大きな体をゆさゆさ揺らしながら登っていくのだ。

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2時間程歩くととても見晴らしのいい展望台へと着いた。そこから見る景色はまさに大開拓時代のアメリカそのままの場所であった。

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