新しくできた話題の店は、デートに誘う口実の手札の一つだ。
さり気なく「こんな店、知ってる?」と、会話の糸口にしたいもの。
この夏、恋人と一緒に未知の食体験に出合える新店を4軒、紹介する!
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
▽INDEX
1.焼き鳥界の大物が東京進出!関西スタイルの逸品を南麻布で!
2.愛されシェフの東京帰還。九州の食材を使った麻布十番イタリアン
3.まるでペルー旅行!紀尾井町で南米ガストロノミー体験!
4.銀座の人気和食が屋号を新たに大躍進!美食家も大絶賛
1.焼き鳥界の大物が東京進出!関西スタイルの逸品を南麻布で!
『鳥匠いし井 ひな』
2022/5/2 OPEN
東京や各地方の美食家たちがわざわざ通うことで知られる、大阪・なにわ橋『鳥匠 いし井』。
大阪の有名焼き鳥店を皮切りに日本料理の修業も積んだ店主・石井吉智さんの絶妙な“焼き”と、創意あふれる鶏料理のコースが人気の一ツ星店だ。
安くて旨いが当たり前の大阪で、高級焼き鳥を知らしめたレジェンドでもある。その姉妹店が東京に進出したとあって、今や注目の的だ。
南麻布の奥まった一角に、格式高き大人な空間が
『鳥匠いし井 ひな』は、洗練と共に、どこか温もりをプラスした落ち着いた内装が特徴。
懐石料理店のように整然とした白木のカウンターは奥行きが広く、ゆったり使えることにもこだわっている。
炭火を扱う手元がよく見えるから、待つ間も期待が高まる。
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店を仕掛けるのはフーディーとしても知られ、和食の『いづく』なども手がける見冨右衛門さん。大阪にも足しげく通い、石井さんとは旧知の仲という。
料理の監修は石井さんが務め、焼き場はふたりが信頼する実力派『焼鳥 茜』の林 裕太さんが担う(石井さんは基本は大阪におり、月数回東京で腕を振るう)。
関西スタイルの小ぶりな串と、遊び心満載の逸品たち!
胸肉を皮で包んだ「だきみ」。しっとりした胸肉と皮の脂がベストマッチ。
コリコリとした食感がたまらない「すなずり」は、塩で。
高原比内鶏、天草大王、熊野地鶏という大阪と同じ銘柄鶏を厳選。石井さん直伝の絶妙な火入れや、洗練された一品料理も本店同様に緩急あるコース仕立てで登場する。
ここだけという囲炉裏で焼き上げた天草大王の手羽先も、見逃せない!
月替わりのおまかせコースは13,000円。内容は串11本、一品料理4品、〆1品、デザート。串や〆は追加可能。
本店のスピリットはそのままに、東京らしい遊び心を加えた焼き鳥の新たな物語が始まっている。
〆は常時5種類!全オーダーも可能
「焼きおにぎり」や「親子丼」のほか、「ハンバーガー」など個性的な〆は5種類あり、内容も入れ替わる。
全品制覇する猛者も多いとか。お腹に余裕があれば、好きなものを追加したい。
最後は泡を注いだグラニテでリフレッシュ!
シャンパーニュや白ワインと季節の果物のグラニテ。途中で追いシャンパーニュも。
実は、開けてしまったシャンパーニュなどを無駄にしないために作るというサステナブルな一面も。
東西の焼き鳥の名手が腕を振るう!
代名詞となっている、ちょうちんのパフォーマンスも。石井さんは、お客さんを楽しませるサービス精神も旺盛。
絶妙な火入れで東京の焼き鳥通をうならせる林さん。ここでは、石井スタイルの火入れで焼き鳥を披露。
大阪・福島区の『あやむ屋』、神戸時代の『紀茂登』で修業した後、2016年に『鳥匠いし井』を開店。開業1年で星を獲得し、話題に。
湯島の名店『鳥恵』で修業後、神楽坂『焼鳥 茜』をオープンさせた(現在も営業中)。丁寧な仕込みと確かな焼き技が特徴。
2.愛されシェフの東京帰還。九州の食材を使った麻布十番イタリアン
『ピアット ミツ』
2022/5/14 OPEN
大胆でおおらか。それでいて繊細さが光る料理で定評のある『トラットリア ケ パッキア』。
オープン以来、この名店で腕を振るってきた岡村光晃シェフが、福岡で独立後、2年の年月を経て再び古巣の麻布十番へと帰ってきた。
曰く「やはり、チャレンジするなら東京で、と思った」がゆえの決断だったそうで、この5月にオープンした『ピアット ミツ』がそれだ。
欲望に忠実な直球イタリアンを、本能のままいただく幸せ!
カウンター8席のみのこぢんまりとした店内はオープンキッチン。
腕を振るうは岡村シェフひとりゆえ、コース一本に絞っているが、料理は“ケ パッキア”同様骨太。色々な料理を少しずつ出すスタイルが流行りの昨今に有って、ひと皿のボリュームもしっかり。
例えば、蒸し鮑の一品も、白ワインとオリーブオイルで蒸した鮑をひと皿に丸ごと一個載せる豪快さだ。
それも“何を食べさせたいかがはっきり伝わる料理”が信条の岡村シェフならでは。
また、粗挽き感たっぷりのミートボールパスタは、イタリア・マンチーニ社のもっちりとした太めのパスタ“スパゲットーニ”とよく絡む。
これまで培ってきたイタリア郷土料理を基軸としつつ、岡村シェフらしいアレンジをさりげなく加えた皿の数々も見逃せない。
「蒸し鮑のジェノヴェーゼソース」は、温かい前菜の一つ。九州産の鮑を丸ごと一つひと皿にのせる豪快さも嬉しい。
メインの「鹿児島産豚のロースト」。豚肩ロースを約30分かけ、ゆっくりと焼き上げている。
バルサミコ酢の原料となる葡萄の濃縮液“モストコット”のソース添え。すべて「おまかせコース」(11,000円)の一例。
シェフを模した(!?)フィナンシェがキュート!
シェフの人柄を感じる明るい空間!
イラストレーターの常連さんが、開店祝いにとデザインしてくれた岡村シェフのイラストが看板代わり。
真新しいビルの7階に、5月14日オープンした『ピアット ミツ』。岡村シェフと奥様の綾子さんのお二人で切り盛りする、小さなトラットリアだ。
九州の食材をメインに構成されたおまかせコースは、デザートを含めて全8品ほど。
ワインはイタリア産のみでグラスワインは1,200円~。フランチャコルタは1,400円~。
岡村シェフと奥様の綾子さんの細やかなサービスで、リラックスしながら食事を楽しめる。
3.まるでペルー旅行!紀尾井町で南米ガストロノミー体験!
『MAZ(マス)』
2022/7/1 OPEN
「世界のベストレストラン50」において上位にランキングし続け、南米・ペルーを代表するファインダイニングとなった『Central(セントラル)』。
今や、マチュピチュやアマゾンと並ぶ“ペルーで訪れるべき場所”とも囁かれる存在だ。
その『Central』のシェフでありディレクターであるヴィルヒリオ・マルティネス氏と、彼が主宰するペルーの生態系研究機関「Mater Iniciativa(マテル・イニシアティバ)」が手掛けるレストラン『MAZ』が、この7月紀尾井町にオープンした。
世界最先端のガストロノミーは、今までにない体験となる
「バーティカル・エクスペリエンス」と名付けられたコース(24,200円)は、1品ごとに海抜に基づいた食材で料理を構成。
ヴィルヒリオ氏は「厨房は情熱の源であり、ダイニングはペルーの食の伝統や我々のフィロソフィーを体験していただくプラットフォーム」と、今回の出店への思いを語る。
食を通じ、ペルーを旅するかのようなひとときを。
ペルーの文化や風景を映し出す!アートな皿の数々に磨かれる感性
「アマゾニア」と題されたのは、カカオを筆頭にテオブロマ属の3種類の果実を使った、多種多様なデザートのセット。
柑橘果汁を乳化させたソースで和えた、生の海老やキュウリとコールラビ(上)と、くり抜いたバターナッツの中にタラバガニと海老の頭のビスクを入れパウダーで飾ったひと皿(下)。
海抜85mの砂漠地帯の海岸線をモチーフにした「砂漠海岸」というタイトルだ。
食べられる土と香草を混ぜた釜で焼いたジャガイモ(右上)とハーブのソース(左上)、乾燥ジャガイモとヤーコンのシチュー(左下)、根菜のマリネ(右下)など「アンデスの森」がテーマの料理。
これらは、海抜3,260mの素材で構成している。
ペルーの生物多様性を研究する機関「マテル・イニシアティバ」を主宰。
ヴィルヒリオ氏は「研究することは料理のインスピレーションの源」と語る。
『MAZ』のヘッドシェフを務めるサンティアゴ・フェルナンデス氏はバスクの料理専門大学で学位取得後、『Central』に加わり、ヴィルヒリオ氏の右腕として5年間活躍してきた。
4.銀座の人気和食が屋号を新たに大躍進!美食家も大絶賛
『銀座 鼓門』
2022/4/18 OPEN
真摯な仕事を積み重ねてきたからこそ生まれる人気店の貫禄
2007年に久我山で創業するや、独自のセンスから生み出される料理が楽しい居酒屋として、予約困難店に。
そして2020年に銀座へ進出すると同時に、コースでしっかりとした料理を供する日本料理店へと発展。
東京きっての食都でもその名を轟かせた『銀座 器楽亭』が、今年4月、さらなる飛躍を遂げた。銀座内で移転し、店名を『銀座 鼓門』と改めたのだ。
飽くなき探究心から生まれる、新しいアプローチの逸品に心躍る
店主・浅倉鼓太郎さんの名前から一字を取り、新たな門出を感じさせる「門」という字を合わせた屋号は、“威風堂々!”という印象。
それでいて、浅倉さんには気負った様子はなく悠然とした佇まいだ。
「銀座に来て実感したのが、毎日のように外食されているお客様がとても多いということ。ですから、“ここでしか食べられない料理”に仕立てることを意識しています」。
名物の「のどぐろの飯蒸し」は、季節によってごはんに混ぜる具材が変わる。この日はヤングコーン入り。
小ネギと生姜のタレがのどぐろの濃厚な脂を引き締め、味の印象をよりくっきりとさせる。
凛とした空間を彩るのが、ローラーペイントアーティスト・さとうたけし氏の作品。
店名の書は、書芸家・赤間紫動氏によるもの。
揚げた和牛のフィレ肉を、ソースとともに特注の食パンにサンド。人気すぎて欠かせない一品に。
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おまかせコース(30,800円)は、北京ダックならぬ「北京イール」を筆頭に、柔軟な発想を持つ浅倉さんならではの品々で構成されている。
旬の素材と和食の技法を踏まえつつ楽しさがあり、ますます人気はうなぎ登り確実だ。
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シェフのこだわりが感じられる新店が、続々とオープン!
この夏は、恋人と素晴らしい食体験をしてみてはいかがだろうか。
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