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誰も知らない「隠れた名店」を探そう!Steamで「レビュー数10未満」のゲームを探して遊んでみた

Game*Spark

現実では当たり前のように存在する「隠れた名店」も、デジタル世界では非常に珍しいものです。理由は簡単で、現実では立地や営業規模による制約が、その店が隠れてしまう原因になる一方、現実世界にあるような制約の少ないデジタル世界、とりわけゲームでは「名店」であればあっという間に広がるからです。

では、本当にゲームでは「隠れた名店」が無いのでしょうか?否。現実の店舗でもゲームでも知名度が低ければどうしようもありません。きっと誰も知らない名店があるはずです。

なぜそんなことを思ったかと言えば、Steamサマーセールで定番のゲームは全て買ってしまい、何か変わったゲームが欲しいのだけど……という人も少なくなさそうだな、と考えたから。本記事では、隠れたゲームの調べ方から、実際にピックアップして遊んでみた感想までお届けしますよ!

「隠れた」ってどんな状態?
ただ、そもそもゲームにおける「隠れた」ってどんな状態を指すのでしょうか?これは単純明快、多くの人が知らないゲームであることです。Steamには毎日大量のゲームがリリースされています。そんな状況では埋もれてしまうゲームもあるはずです。

とはいえ、本記事にて「隠れている」と断言するには具体的な定義が必要です。そこで、今回はSteamレビュー数10未満、つまり、評価が付いていない状態を「隠れている」と定義することにしました。

ちなみに、10以下だとSteamではお馴染みの評価も付いていません。名店かどうかを決めるのは真に私たちプレイヤー自身、ということでもあります。

どうやって隠れているゲームを調べる?
さて、ここからは実際に隠れたゲームを探していきましょう。ただ、Steam上では確実に楽しいゲームを見つける為のシステムは豊富ですが、「隠れた名店」を探すシステムはありません。上述したレビュー数で検索するシステムが存在しないのです。

そこで使用するのが外部サイトの「SteamDB」。このサイトはSteamの様々データを閲覧できるデータベースサイトで、各ゲームの金額推移やアクティブユーザー数を見るために使っている方が多いのではないでしょうか。今回はレビュー数を基に絞り込んでいきます。調べ方は簡単。こちらからReviewsの欄を0 to 9(10未満)に設定するだけです。

レビュー数10未満のゲームの印象は?
さて、読者の皆様もご想像の通り、レビュー数10未満のゲームは小規模開発ゲームの中でも最も小規模な個人で制作された雰囲気が伝わってくるものばかり。中には怪しげなものだったり、アセットを丸ごと流用した感のあるものだったりも多くあります。

また、これは当たり前ではあるのですが、レビュー数10未満のゲームはゲームサイトや各種SNSといったメディアで紹介されることが無く、全てが新鮮です。デジタルゲームの世界では「ふと手に取る」という体験は希少ですが、レビュー数10未満という条件を適用すると普段とは異なるゲームとの出会いが可能なのです。

これは隠れた名店かも!と思ったゲームをピックアップ!
ここからはレビュー数10未満で「これは!」と思ったゲームをピックアップし、その中から一つ選んで実際に遊んでみます。

1本目はレビュー数3件の『Pandemic 1993』という、初代バイオハザードライクなゲーム。固定カメラやゾンビ、画面をレトロ調にするエフェクトが特徴です。

また、対応言語や開発元・パブリッシャーの名前から、日本で開発されたタイトルと思われるのですが、公式サイトも無く、あまり情報が無いのが謎めいていて興味をそそられます。他にも、『山村からの脱出』『After School』というホラー作品をリリースしています。

2本目はレビュー数3件の『n-body』。ゲームの説明には「短時間でリラックスできる宇宙でのゴルフゲーム」とあり、なかなか実験的な作品のようです。

開発と販売を手掛けるSokpop Collectiveはレビュー数8000件以上を記録している『Stacklands』や1000件以上の『Simmiland』なども開発しており、インディー開発会社としては成功している会社です。

実はSokpop Collectiveは2週間に一度実験的な小規模ゲームを作り続けており、今回ご紹介した『n-body』もそうした実験作のひとつであるようです。

3本目は見下ろし2Dシューティングの『Trash Pit』です。エンドレスなウェーブシューターで、押し寄せる敵に対しどれだけスコアを稼げるか、というストイックなゲームながら、グラフィックはなかなか可愛く、エフェクトもリッチで雰囲気があります。

レビューを読んでみても、9件中9件が高評価と“知る人ぞ知る名店感”を感じますね。

実際に遊んでみよう!
さて、ここからは実際にゲームを遊んでみます。遊ぶのはSokpop Collectiveの『n-body』です。選んだ決め手は、ゲーム説明文にある「30分ほどの短い時間の、ゆったりとしたゲームをお探しの方に最適(enjoy a short experience [around 30 minutes of gameplay]~中略~chill game.)」という文面。

日々の仕事に疲れが溜まっている現代人には癒しが必要……ということで早速プレイしていきます。

ゲームを起動するとシンプルな画面に落ち着いた環境音が。クリックすると動かない中央の円の周りを複数の円が回っています。そう、これは恒星の周囲をまわる惑星系を模しているのです。

プレイヤーは星の重力を使ったスイングバイ軌道で流星をカーブさせつつ目標にぶつけ、星座を作っていきます。

プレイするとすぐに、「斬新で独創的で、もっと話題になるべき」という感想を抱きました。落ち着いたグラフィックと音楽、脳に負担のないカジュアル感。小粒ながら「癒しゲー」として良くまとまっています。まごうことなき「隠れた名店」です。もちろん、そして残念ながらGame*Sparkにも本作を紹介した過去記事はありません……。

「隠れた名店」を見つけよう!私たちも隠れたゲームを伝える努力をします
本記事を執筆するにあたって考えたのは、ゲームメディアの重要な役割として知られていないけど面白そうなゲームを紹介するというものもあるのではないか……という点です。Webメディアは閲覧数を追い求める傾向が強く、ゲームメディアでも既に注目の集まっているゲームや発売まで途切れることなく話題を提供してくれるAAAゲームを取り上げがちです。

ただ、メディアに露出しないゲーム、レビュー数が10に満たないゲームの中にも「隠れた名店」は存在しています。ゲームを愛する者として、そして、ゲームに関係するメディアとして、隠れてしまった面白いゲームを探す楽しさを伝えられたら良いな……と願ってやみません。

皆さんも是非、隠れた名店に訪れてみてください!


※UPDATE(2022/07/31 11:04):本文内の誤字を修正しました。ご指摘、ありがとうございました。

 
   

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