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AKIARIM、MAD JAMIE、POPPiNG EMO[ライブレポート]リスペクトと決意の想いがぶつかり合って生み出した圧倒的熱狂

Pop’n’Roll

AKIARIM、MAD JAMIE、POPPiNG EMOの3組で東名阪を回る<A×M×P Revenge Tour-烈火激唱->のツアーファイナルが、7月24日(日)に渋谷Star loungeにて開催された。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

【画像はこちら】

同ツアーは、1月に開催予定で中止となった<A×M×P Split Tour-熱風->の振替公演。東名阪にて1日2公演を2デイズずつ回る計12公演となり、ハードなツアーとなった。

その最終公演となる渋谷Star loungeでの夜公演<vol.12>は、前日に恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブを終えたばかりのSOMOSOMOをゲストに招いて開催された。

SOMOSOMO<A×M×P Revenge Tour-烈火激唱->渋谷Star lounge(2022年7月24日)

すでに<vol.11>となる昼公演を終え、ライブでの熱量をそのまま持ったオーディエンスは準備万端で開演の時を待ち構えている。お馴染みのSEにSOMOSOMOメンバーが勢いよく飛び出すと、「東京、夜明け」でライブはスタート。「ヒーロー」「i-dentity」と続く。これまで喜怒哀楽の“喜”“楽”が前面に出ていたSOMOSOMOだが、4人体制になってからはより歌の力が増し、哀愁の部分も表現するようになりパフォーマンスの幅が広がった。前日のLIQUIDROOMワンマンにて発表された新曲「クレマチス」から、「ステラ」「花火」「TAnGlers」「ミーチューグッモー!」とノンストップで披露。

勢いのある楽曲群にボーカルの芯を支えるゴゴノ コトコ、ポップで普遍的な歌声のツクヨミ ケイコ、キャッチーさはピカイチのコモレビ ヒヨリ、そしてエモーショナルでパンチ力抜群のアルティメット ミキと、それぞれが個性的でバランスの取れたメンバーと、わかりやすくポップなダンスによるSOMOSOMOらしいステージングで魅了した。

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POPPiNG EMO<A×M×P Revenge Tour-烈火激唱->渋谷Star lounge(2022年7月24日)

続いて登場したのは、POPPiNG EMO。メンバー全員が女優でもあるPOPPiNG EMOが出演した舞台の主題歌として書き下ろされた「陰謀レジスタンス」から「サイレン」「ミラクルラブストーリー」と立て続けに歌い上げる。サヤカロスのどこまでも突き抜けるハイトーンボイスに魅了されたかと思うと、1つひとつの動作にキレを魅せる193Rを中心に激しく躍る。

松隈ケンタ率いる音楽集団SCRAMBLESの井口イチロウが全曲プロデュースしているPOPPiNG EMOの楽曲は、その曲数の多さとは裏腹に、どの曲も“これこれ!”という部分があり、ドラマティックなメロディが、オーディエンスの心の琴線に触れていく。そして、どこか壊れそうな儚さを持ちながらも力強く叫ぶエモーショナ・ル・ルカ、小さな身体でどこまでも大きく歌うナーナ・ポップ、前述のサヤカロス、193Rとそれぞれがエモーショナルに歌い上げる姿は心を打つばかりだ。

恒例の給水タイム「mizu-nomimasu」から「RIOT」「君色メモリーズ」「Goodbye My Dear」を投下。続いて、<A×M×P Revenge Tour>では恒例となるカバー曲へ。今回のツアーでは、各公演でAKIARIM、MAD JAMIE、POPPiNG EMOそれぞれのユニットがお互いの曲をカバーすることなっており、“この企画が本当に不安だったし、プレッシャーだったけど、とても楽しかった”“MAD JAMIEもAKIARIMもさらに好きになったし、成長の場になった”と語り、今回POPPiNG EMOはMAD JAMIEの「FUCK FOREVER」をカバー。フロアではPOPPiNG EMOのファンがカバー曲の際にはMAD JAMIEのファンを最前に送るなど、ファン同士の中でも譲り合いが起こり、本家のノリをフロア全体に伝染させるなど、とてもよい環境を作り出す。演者だけでなく、ファンを含めた会場全体がリスペクトを持った熱が広がっていく。

そして「DAYS」「覚醒サテライト」でライブを締め括った。POPPiNG EMOは、東京2デイズの4公演を1曲の被りもなしに約40曲をパフォーマンスするという驚愕のバリエーションを見せつけた。

MAD JAMIE<A×M×P Revenge Tour-烈火激唱->渋谷Star lounge(2022年7月24日)

3番手はMAD JAMIEの登場。お馴染みのSEに登場から湧き上がるオーディエンス。

感情線あくびの咆哮とともに「JAMIE’s FLAG」からライブはスタート。これまでSOMOSOMO、POPPiNG EMOのステージで熱くなったフロアは、さらにヒートアップし、榮倉ウニ、サキ・パニョール、鈴木ルナチの叫びに呼応していく。「FUCK FOREVER」「Livehouse(e)na」と続き、もはやクライマックスかのような熱量の4人。この熱量、激しさこそがMAD JAMIEのステージなのだ。

MCを挟み、鈴木ルナチのキャッチーさが一層が際立つ「Kawaii is Fuck!!」、ストロングに歌い上げる「Catch my life」へ。

“この曲はこの<A×M×P Tour>を一緒に周ろうと声をかけてくれたAKIARIMの大切な曲です。この曲でもっともっと1つになろうぜ”と、AKIARIMの「アリム」をカバー。感情線あくびのMCはいつもファンや共演者へのリスペクトが感じられる。言葉に心が宿っている。一転して「TOMORROW」ではグッと心を引き寄せ、「LAST DANCE」では榮倉ウニが“1つになろうぜ!”と叫ぶと、一斉にフロアで拳が上がる。「MONSTER HATE」「BUREIKŌ」とノンストップでライブを終えた。

地響く重低音にギターリフ、どストレートなロックサウンドは、どんなロックバンドにさえ引けを取らない。ロックアイドルは数あれど、ここまでロックやバンドシーンを背景に持ったアイドルは数少ない。そして、ステージ上で一層輝く感情線あくびのエモーショナルさ、榮倉ウニの全身全霊のシャウト。鈴木ルナチのキャッチーさと実は誰よりもしっかりと躍る真摯さ。そしてすべてを支え、ストレートに歌い上げるサキ・パニョール。この4人だからこそMAD JAMIEの“音楽”は存在する。

AKIARIM<A×M×P Revenge Tour-烈火激唱->渋谷Star lounge(2022年7月24日)

ツアーファイナルの大トリを飾ったのは、同ツアーの発起人でもあるAKIARIM。本来6人だがボーカルの核とも言えるmeeが家族の事情で休演となっており、5人での出演となった。

オープニングナンバーの「日常GRAPHIC」から、ソリッドなギターが鳴り響く「アリム」「FLOWER」とアッパーチューンを立て続けに披露すると、最新アルバム『All is well』の中でも異彩を放つ「全部抱きしめるよ」へ。優しく歌うChinatsuに、ふわりと踊るメンバーの姿は先ほどとは打って変わって強い女性から慈愛に満ちた姿に変わる。

1月の<A×M×P Split Tour-熱風->の中止は、AKIARIMの新型コロナウイルスに対しての自粛によるものだ。その悔しさもすべてこのツアーにぶつけ、疲労困憊の中1つひとつのライブを全力で行なった。それは3組ともに共通した想いに違いない。

「イキって生きろ!」でSayaの唯一無二とも言える力強いラップが炸裂すると、アイドルらしからぬロックナンバー「Hold On!!!!!」、AKIARIMの中では唯一といえるEDMを取り入れた「カウンターアクション」と攻撃的な曲を続け、SOMOSOMO、POPPiNG EMO、MAD JAMIEが熱くしたフロアのバトンを受け継いでいく。フロアで次々と上がる拳は、そのバトンをともに繋いできたものだ。

Sayaのラップに求心力を持った叫び。Chinatsuが巧みに歌い上げ、Reinaは優雅さとキレを持った動作で魅せ、Rukaがダイナミックに踊る。その中心にはKotonoがいる。ステージのどこを見ても誰を見ても、5人が確立した個性として存在する。

AKIARIMが最後のカバー曲に選んだのは、POPPiNG EMOの「覚醒サテライト」。クライマックスに持ってきたこの曲にリスペクトと愛を込めてエモーショナルに歌い上げ、この時代の中でAKIARIM、MAD JAMIE、POPPiNG EMOの3組が出会ったこと、その意味を込めたかのようにRukaが、“どんなことがあったって、きっとウマくいく”とタイトルコールし「ALL IS WELL」を披露して、同ツアーを締め括った。

4組ともに共通して言えるのは上っ面だけでなく歌心がある。“歌”をど真ん中に置いた上で激しいステージングを見せる姿は風格さえ漂う。これこそが“対バンだ”というしのぎを削り合うようなライバル感と、盟友の様に愛を持った仲間感。SOMOSOMOを含めた4組の共演は、どこよりも熱く熱狂的な夜となった。

今週末7月31日(日)には、MAD JAMIEが渋谷CLUB QUATTRO、8月31日(水)にはAKIARIMが恵比寿LIQUIDROOM、そしてPOPPiNG EMOが9月21日(水)に渋谷Spotify O-EASTと、それぞれ自身最大規模でのワンマン公演を行なう。

筆者は、先日この3組がKT Zepp Yokohamaにてイベントに出演したのも目撃したが、3組ともに大きなステージがとても似合っていた。ツアータイトルの<烈火激唱>を文字どおりに体現したツアーとなったが、この日の熱量をもってすれば、どのライブも素晴らしい夜になることは間違いない。

<A×M×P Revenge Tour-烈火激唱->ツアーファイナル

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