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“カワイイ”しかない。「美少女戦士セーラームーンミュージアム」をファンが徹底レポート!

MOVIE WALKER PRESS

1990年代に社会現象を巻き起こし、現在もなお高い人気を誇る少女漫画の金字塔「美少女戦士セーラームーン」。その連載30周年を記念した大展覧会「美少女戦士セーラームーン ミュージアム」が、作品の舞台である麻布十番に隣接する六本木ミュージアムで、7月1日より開催されている。本展は、原作者・武内直子が描き下ろした新作原画を含むカラー原画を過去最大規模で展示するほか、過去最多の600点を超える秘蔵資料を集めたコレクション展示をはじめ、没入型体験シアターやホログラム原稿展示など、セーラームーンの世界に没頭できる展覧会。今回はその内覧会に参加したアラサーのファンによる体験レポートを、原作担当編集の小佐野文雄氏(通称:おさBU)によるギャラリーツアーのコメントとともに、ロングレポートをお届けする。

まず入って最初に出迎えてくれるのは、黒いマントを羽織ったセーラームーンの巨大なタペストリー。こちらは武内先生による新作の描き下ろしとのことで、時代を経ても衰えないどころか美しさが増す先生の画力に打ちひしがれる。

そしてこのカーテンをくぐると展覧会がスタート。こちらは「美少女戦士セーラームーン」に登場する“時空の扉”(過去や未来を行き来する扉)で、ここをくぐることによって過去に戻り、セーラームーンの世界を思い出して楽しんでほしいという意図なのだとか。あまりにも素敵である。

最初に体験するのは、没入型体験シアターの「セーラー・プリズム・シアター」。4.5×8メートルの大スクリーンに、レーザーの特殊効果による美しい映像とカラーイラストが空間全体に演出される。さらに、本展のためにリアルに再現されたセーラー戦士達のアイテムも展示。見やすいよう実物より少し大きめに作られた、キューティームーンロッドやスターパワースティックといった、戦士たちの必須アイテムがずらりと並んでいる。ファンなら誰もが胸熱になるこの映像で、一瞬のうちに子どもに戻り、“あのころのセーラームーン”を楽しむ準備が整う空間となっている。

続いては、ホログラム原稿展示の「セーラーガーディアンズ・ヒストリー」。ここでは「美少女戦士セーラームーン」第1~5部の名場面・名台詞を集めた原作のシーンが、新手法のホログラムで展示され、壁一面を埋め尽くしている。原稿がきらめき、見る角度によって異なる表情を見せる展示は、連載当時の記憶をきらびやかに思い出させてくれる空間となっている。名場面ばかりをぎゅっと集めた空間になっているので、ぜひ好きなシーンを探してみてほしい。

原作を思い出したところで次はアニメシリーズを振り返り。ここでは過去最多の600点を超える秘蔵資料を一堂に集め、90年代から最新作までのアニメシリーズの設定資料や絵コンテ、変身グッズやフィギュアなどの玩具やゲーム機のほか、ミュージカルで実際に使用された貴重な衣裳など、30年の歴史を濃密に堪能できる。

アニメシリーズの資料の中には、キャラクターや背景の設定資料やコンテなどが展示され、合わせて各シリーズのOP映像が見られるようになっている。個人的には「ムーンライト伝説」のコンテを見た時、何度も繰り返し見たOPの原点がこれか…と胸がいっぱいになった。また、小佐野さんによると「当時のアニメでは170色までという、限定された色合いのなかでセーラームーンの世界を表現していましたが、現在の東映アニメーションでは無限の色が使えるそうです。30年でアニメ業界もすごい進化を遂げました」とのこと。また、第4期の「美少女戦士セーラームーンSuperS」のコーナーで展示されている、セーラーウラヌス&セーラーネプチューンのコンテは、庵野秀明監督が描いたものなのだとか。ぜひこちらも注目して見てみてほしい。

また玩具類も当時モノから最近発売されたものまで、かなりの点数が揃えられており圧巻。「これ持ってた!」と胸が熱くなるファンも多いのではないだろうか。小佐野さんいわく「グッズが爆発的に売れたことが、セーラームーンのヒットに繋がりました。シリーズを追うごとにアイテムのデザインもより洗練されていきましたが、いま見ても30年前に発売されたものとは思えないほど、色褪せないデザインだったなと思います」とのことで、特に「ムーンスティック」などの玩具類の功績は計り知れない。ピカピカの金メッキに絶妙な色合いのピンク、盛りすぎない洗練されたデザインなどは、いま見ても本当にうっとりしてしまう。ここに何時間でもいられそうである。

続いてミュージカルの衣装展示も。こちらは90年代のバンダイ版と、20周年プロジェクトから始まったネルケプランニング版、乃木坂版の衣装が並び、シリーズごとの衣装の進化が見て取れる。セーラームーンのミュージカルは昔から人気があり、ミュージカルを入口にセーラームーンのファンになった人も多いという。

個人的にはネルケ版の大ファンで客席から必死に観ていたので、その衣装を直に見られることは感動の極みであった。特にエターナルセーラームーンの、原作通りの大きな羽やふわっとしたピンクのパフスリーブ、三段重ねのプリーツスカートの完璧なフォルムは、天才としか言えない。ミュージカルを見ている人もそうでない人も、ミュージカル版ならではのきらめきが詰まった、ディティールまで完璧な衣装をぜひじっくり堪能してほしいと思う。

そしていよいよ原画展示「セーラー・クリスタル・ギャラリー」へ。ここでは、本展覧会のために武内先生が描き下ろした新作原画や、初展示を含む貴重なカラー原画などが過去最大規模で展示されている。

どの絵も本当に美しく、一枚一枚じっくりと眺めたいところだが、なんせ数が多い。この原画展示は会期中に3回に分け、60点ずつの計180点が展示されることになっている。(豪華すぎる…)しかし小佐野さんによると「90年代の絵は徐々に退色していき、劣化していくこともあり、今回のタイミングがおそらく最後の発表になると思いますので、先生に多く選んでいただきました」とのこと。原画ってそんな期限があったのか…と少々絶望したので、ファンの皆様はこの機会を絶対逃さないでほしい。

セーラームーンの世界をたっぷり楽しんだあとは、再び“時空の扉”をくぐって現実の世界へ。そこには休む間もなくグッズ販売エリアが…。

こちらの内装は、アートディレクター五十嵐LINDA渉さんが「WINDOW SHOPPING」をコンセプトにデザインを手掛け、ショップの内装や一部の商品開発にいたるまで、独自の世界観で「美少女戦士セーラームーン」を表現している。人気の高い原作イラストを使用したグッズや、大人が日常使いしやすいデザインのものなど、散財まっしぐらなグッズが各種取り揃えられている。
そして最後に待ち受けるのは「美少女戦士セーラームーン ミュージアム カフェ」。セーラー戦士や、作中に登場するアイテムやセリフなどをモチーフにした、本展ならではのオリジナルメニューが登場。「月にかわっておしおきオムライス」など、ネーミングもかわいい…。Vol.2(9月10日~)からは新しいメニューが追加予定なので、こちらも楽しみに待ちたい。
本展は3会期に分かれ、Vol.1は7月1日~9月4日(日)※原作第1~2部を中心とした原画を展示、Vol.2は 9月10日(土)~11月6日(日)※原作第3~4部を中心とした原画を展示、Vol.3は11月12日(土)~12月30日(金) ※原作第5部を中心とした原画を展示となっている。長期間の開催なので、足を運びやすいのもありがたいところ。

時代を経ても色褪せないどころか、ますます輝きを増している「美少女戦士セーラームーン」。本展では、その歴史を原作、アニメ、ミュージカル、グッズなど様々な展開から振り返り、子どもの時に好きだったコンテンツが過去のものではなく、現在進行系として展開されている幸せを噛みしめることができた。来年公開となる新作映画『美少女戦士セーラームーンCosmos』を楽しみに待ちながら、今年は本展でセーラームーンの30年をじっくりと堪能したい。

取材・文/編集部
 
   

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