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イギリスの屋根裏で発見されたミイラの頭部、古代エジプトのミイラであることが判明

カラパイア


 イギリスの民家の屋根裏から、ミイラ化した人間の頭部が見つかった。考古学者と医療関係者がCTスキャンして調べたところ、古代エジプトミイラの頭部であることが判明した。

 1820年代、2700年前の古代エジプトのミイラが、船に乗せられてイギリスへ向かった。ケント州東部、サネット島の港町ラムズゲートのとある人物に土産物として贈られたのだ。

 時代が下り、その家の持ち主が亡くなると、屋根裏に打ち捨てられていたミイラの頭部が見つかり、遺族がそれをカンタベリー博物館に寄贈した。

古代の遺体を現代技術で紐解く

 2020年、カンタベリー・キリスト・チャーチ大学で、X線撮影が行われ、この頭部は成人女性のものであることがわかった。さらに、CTスキャンによって、彼女の生前について新たな詳細が次々と明らかになった。

 コンピューター断層撮影法(CTスキャン)は、体のさまざまな角度から、X線画像を連続して撮影する技術だ。その後、スパコンでその断面画像をつなぎ合わせて、高解像度の体のマップを作る。

死後、脳が取り除かれたことも判明

 カンタベリー・キリスト・チャーチ大学の診断放射線学講師で、上級放射線技師であるジェームズ・エリオットが、新たにCTスキャンを行った。

 これによって、歯の状態、病理、遺体の保存方法など、ミイラの年齢や性別の推定に役立つあらゆる情報が明らかになった。

RadiANT DICOM viewerを使って作成したCT画面。エジプトミイラによく見られる
ように、脳は取り除かれているのがわかる / image credit:paleoimaging


 画像からは、この女性の脳は取り除かれていることがわかる。これは、彼女が死後にPerNefer(美の家)に運ばれたということだ。

 ここは、浄化やミイラ化の初期作業や儀式が行われた場所だ。

 まず、鼻骨から器具を使って脳に鉄のフックを挿入し、ゆっくりと脳漿を掻き出す。残りはスプーンですくい出し、空洞になった頭蓋は水で洗う。

 古代エジプト人が、人間の心は心臓にあると考え、脳は重視していなかったことは皮肉だと、クレイグ・ボーウェンはいう。

 CTスキャンによって、脳を取り除く方法には、大きなばらつきがあったこともわかるという。

頭部スキャンからわかった古代エジプト人の暮らし

 この女性の舌の保存状態は大変良かったが、歯はかなりすり減っていた。前者からは、古代の保存技術が進んでいたことがわかり、後者からは、この女性は生涯に渡って粗末な食生活だったことがうかがえる。

 左の鼻腔に未知の物質でできたチューブのようなものが残されていて、さらに、同じものが脊柱管にも確認された。こうした遮蔽物(しゃへいぶつ)の起源や組成は今のところわかっていない。

 もっと現代の、ひょっとするとヴィクトリア朝時代のものかもしれない。

 このプロジェクトは、ミイラの頭部を保存し、いずれ公開するという大きな目的の一環だと、ボーウェンは言う。

 新たなCTスキャンデータから、女性の頭部の3次元レプリカを作る計画もあるとのこと。さらに、実際のミイラを見せずに、女性の生前の顔を3Dで復元する試みも行われる予定だという。

Mummified head and cat CT scan full video
References:Canterbury Museum mummy | Paleoimaging / written by konohazuku / edited by / parumo

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