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「お姉ちゃん恵まれすぎ、遺産は全部私がもらう」…妹の驚愕理論に母と姉、呆然【相続のプロが解説】

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不安定な妹には、母親の老後は託せません。

「母親の介護や入院は、私が全責任を負うつもりです。それに、賃貸物件や投資信託の管理も妹には無理ですから、こちらも私が引き受けようと思っているのです」

しかし、妹は最近になって「母親の財産はすべて私がもらうべき」と言い出したそうです。妹の理屈は、「姉には仕事も家族もあるのだから、それで充分恵まれすぎている」というものでした。

「妹の通院帰り、一緒に母のところへ立ち寄ったら、また文句を言いはじめました。だんだん興奮して、お姉ちゃんは昔からいい思いばかりしてきた、我慢してきた自分にすべてをもらう権利がある、と大声を出して…。ですが、今度は母が激怒してしまったのです。〈必死で働くお姉ちゃんを笑っていたのはあんたじゃない〉と…。妹が大声で泣き始めたら、腹を立てた母は妹を玄関まで引きずって、通路に放り出してしまいました。とても80代の力とは思えませんでした…」

理屈が通じない相続人がいるなら、遺言書が必須に

妹の現状を見て、いまからできることをしておきたいというのが林さんの相談内容でした。筆者は弁護士と同席して林さんの話を聞いていましたが、現状を放置していてはトラブルになる可能性が高いため、速やかな対策が必要だというのが、弁護士と筆者双方の意見でした。

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そのため、母親の遺言書は必須になるといえます。将来、母親の相続が発生したときには、妹の体調も安定しているかもしれませんが、姉に対する嫉妬の気持ちは根深く、簡単になくなるとは思えません。話し合いすべき場が、長年の鬱屈した思いを炸裂させる場になりかねないのです。

筆者と弁護士からは、母親の遺言書が必須であることをアドバイスしました。

財産は現金化して妹と等分に、遺言書作成も実行を

しかし、母親を見送ったあとの林さん姉妹の人生はまだまだ長いといえます。その点を考えると、遺産は「ほどよく分ける」ことが必要です。

筆者からは、まずは林さんがすべて相続したあと、不動産を処分して現金化し、それを等分程度の割合で分けるのが妥当であるとアドバイスしました。もしここで大きくバランスを欠いてしまうと、さらに妹が不満を募らせることになりかねません。

遺言書を作るメリットは、話し合いをせずに母親の意思で財産を渡せること、遺言執行者を指定して手続きができることです。

すでに感情的な対立があると、話し合いの内容にかかわらず、円満な着地を見出すのは容易ではありません。大事な場面でこじれることのないよう、母親に遺言書を作成してもらうことが必須です。

「林さんのお母さまの年代では、遺言書へのハードルが高くて抵抗感があるかもしれませんが、いまの妹さんを説得するより、お母さまを説得するほうが、はるかにスムーズだと思いますよ」

筆者と弁護士がそのようにアドバイスすると、林さんはうなずきました。

「わかりました。母親に遺言書を書いてもらえるよう、しっかり話し合いたいと思います」

数週間後、林さんから連絡がありました。母親が話を聞いてくれ、遺言書作成にも同意してくれたため、公正証書遺言の作成をサポートしてほしいとの依頼でした。

筆者や事務所スタッフは、話がいい方向へと進んだことに安堵しました。

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

曽根 惠子
株式会社夢相続代表取締役
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

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