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ヒトラー統治下のドイツ…原発開発のカギを握る男の失態とは?

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、本田幸雄氏の書籍『人類はこうして核兵器を廃絶できる 核廃絶へのシナリオ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】アメリカが危惧したドイツの原爆開発…実態はどうなっていた?

《三》ドイツの原爆開発の状況

被害甚大な復讐兵器を求めたヒトラー

こうして核開発問題は一件落着したと思われましたが、ここでヒトラーが出てきました。

バトル・オブ・ブリテン(一九四〇年七~一〇月の英独空軍の熾烈な航空戦)のあとも、英独相互の空襲は間断なく続いていましたが、一九四二年三月末には、イギリス空軍は新たに編み出した焼夷弾による無差別爆撃を中世の都市リューベックに試み、一夜の空襲でリューベックの町並みが焼き尽くされ、ドイツで初めて数千人もの死傷者が出る結果となりました。

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第二波でロストックが同じようにやられました。もはやイギリスも手段を選ばず、とにかくできるだけ多くの市民が死傷する兵器を科学技術を使って開発させたのです。

これに対して、四月二六日の帝国議会で、ヒトラーは激昂し、「今後殴打には殴打をもって応えることにする」と復讐を誓いましたが、ドイツは重爆撃機をまったく生産しておらず、また軽爆撃機もほとんど残っていなかったため、ヒトラーは脅しを実行する道具を持っていませんでした。

いきりたったヒトラーは、何でもいいから復讐の手段を求めていました。ヒトラーのお気に入りで軍需相になったばかりのシュペーアは、一九四二年四月下旬の昼食をともにした軍備部門を統括するフリードリッヒ・フロム将軍から、はじめて原子爆弾の話を聞きました。

彼はラムザウアーから聞いた話として、この爆弾は都市を破壊し尽くすことのできるもので、ドイツが戦争に勝つためにはこのような圧倒的な破壊力を持つ新兵器を開発するしかないと語りました。そして、このような武器があれば、イギリスは全面降伏することは間違いない、この新兵器の研究に取り組む科学者たちとの正式な会合を開き、彼らの意見を聞くべきだと、フロムはシュペーアに進言しました。

鍵を握る男ハイゼンベルク

このようにして、第三回目の会議が一九四二年六月四日にもたれることになったのですが、シュペーアと空軍元帥ミルヒとその側近が出席したこの会合こそ、原爆の製造を望む科学者たちにとって、これ以上の好機はないと考えられました。会議では核研究の理論面での責任者であるハイゼンベルクが今後の見通しを説明しました。

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