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これぞ田中圭の“癒し力”!最新作『ハウ』や「おっさんずラブ」で見せるトロける笑顔

MOVIE WALKER PRESS

爽やかな男らしさと飾らない気さくなコメントで演技外でも人気の高い俳優、田中圭。最新作『ハウ』(8月19日公開)では、ひょんなことから“ワン”と鳴けない保護犬ハウの飼い主となる、ちょっぴり気弱な青年、民夫に扮している。ハウへの深い愛情を感じさせるエモーショナルな演技と、極上の笑顔に癒されること間違いなし。

『ハウ』は、『ゼロの焦点』(09)や『のぼうの城』(12)ほかで日本アカデミー賞受賞経験を持つ犬童一心監督と、『黄泉がえり』(03)や『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)で同賞の脚本賞を受賞した斉藤ひろしがタッグを組んだ感動作。本作の原作&脚本を務めた斉藤が、かつて愛犬と過ごしたかけがえのない時間のエッセンスを盛り込みつつ、心に傷を抱えた一人の青年と心優しき一匹の犬の絆を描いている。池田エライザ、野間口徹、渡辺真起子、モトーラ世理奈、長澤樹、石橋蓮司、宮本信子ら豪華俳優陣が共演し、ナレーションを石田ゆり子が務めた。

これまで田中は様々な役柄を情緒豊かに演じ、観る者の共感を引きだしてきた。自然体の演技から醸しだされる“癒しオーラ”はさすがの一言で、巷ではそんな彼に魅了された人々が、ファンであることを示す“タナカー”の名乗りを続々と上げている。そこで今回は、彼の演技における“癒し力”に着目し、役者としての魅力に迫ってみたい。

■自然体&“癒しオーラ”の魅力がフルスロットルした「おっさんずラブ」にほっこり

田中は2000年より芸能活動をスタート。2003年に放送された山田孝之主演のフジテレビ系ドラマ、「WATER BOYS」で演じた主人公の親友役や、2011年のNHK連続テレビ小説「おひさま」のヒロインの兄役で注目されたほか、多くの映画、ドラマに出演して着実に実力派俳優への階段を上ってきた。

そんな彼の魅力がフルスロットルしたのは2018年放送のテレビ朝日系ドラマ「おっさんずラブ」で演じた、一生懸命でアツい男、春田創一役だろう。巨乳好きのはずの春田が、尊敬する上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と、同僚にして同居人の牧凌太(林遣都)から愛を告白されたことで騒動が巻き起こる本作。田中はダンディで愛らしい黒澤と、真面目でドSな牧という異なるタイプの男性2人から好意を寄せられる“はるたん”を好演。悩みながらも性別の枠を超えて真の愛をつかみ取っていく姿に日本中がほっこりさせられた。

■「あなたの番です」で愛する人のために奔走するお茶目な年下夫を熱演

そして「おっさんずラブ」と同じく、2019年に社会現象を巻き起こしたのが、日本テレビ系ドラマのノンストップ・ミステリー「あなたの番です」。田中は、15歳年上の妻にベタ惚れのお茶目な年下夫、手塚翔太を愛嬌たっぷりに演じている。新婚夫婦の翔太と菜奈(原田知世)は、マンション「キウンクエ蔵前」に引っ越して早々、菜奈が参加した住民会で突如始まった“交換殺人ゲーム”に巻き込まれてしまう。彼は愛する菜奈のため真犯人探しに乗りだす翔太を熱演。シーズン2「あなたの番です -反撃編-」では劇中歌「会いたいよ」を翔太として歌唱するなど、せつなくも力強い歌声も披露している。

■信念を貫く頼れる姿にキュンキュンした「図書館戦争」

一方、男気という点では「図書館戦争」シリーズで演じた小牧幹久役も印象深かった。有川浩の人気小説を原作とする本作では、国家によってメディア統制法が施行された世界を舞台に、強引な検閲を進める“良化隊”と本を読む自由を守る“図書隊”の命を懸けた戦いが描かれる。図書隊の先鋭特殊部隊“ライブラリータスクフォース”の一員である小牧を体現した田中は、班長の堂上(岡田准一)の相棒として大人の余裕を感じさせる頼れる男を演じている。さらに映画版第2作の公開に合わせて放送された「図書館戦争 ブック・オブ・メモリーズ」では、良化隊に逮捕され、不当な暴力を受けるも屈しない小牧をタフに演じる一方、激しい戦いのなかにも、聴覚障害を持つ女子高生の中澤毬江(土屋太鳳)を大切に想う男心が、「尊いものを見せてくれる!」とキュンキュンさせ、世の女性たちを癒した。

■人間味あふれるキャラクターが魅力的な『総理の夫』と『そして、バトンは渡された』

また、田中の出演作には“家族の在り方”をテーマに掲げる作品も多いが、それは彼が人間味あふれるキャラクターの造形に長けているからだろう。原田マハ原作の『総理の夫』(21)では、女性総理の夫になる鳥類学者の相馬日和に扮し、突然自由気ままな生活を制限されて困惑する姿をユーモラスに表現しつつも、愛する女性の夢を心から応援する誠実さをにじませた。そして本屋大賞を受賞した瀬尾まいこのベストセラー小説を映画化した『そして、バトンは渡された』(21)では、血のつながらない娘の成長を見守る森宮さんをハートウォーミングに表現。優子(永野芽郁)にどれだけ邪険にされても愛情を注ぎ続ける養父役を揺るぎなく演じきり、作品がテーマとする“愛のバトンリレー”に厚みを持たせる重要な役割を担った。

■田中圭の真骨頂!?『ハウ』で演じた平凡なキャラクターでこそ光輝く“癒し力”

このように卓越した演技力で幅広い役柄を演じてきた田中だが、その癒し力が存分に発揮されているのが『ハウ』だ。彼が演じる市役所職員の赤西民夫は物語が始まって早々に婚約者から別れを切り出されてしまう冴えない男だが、どこにでもいる平凡なキャラクターだからこそ、心情を丁寧に描きだす彼の深みのある演技が際立つ。悲しい過去がある保護犬のハウを丸ごと愛情で包み込む本作の民夫役は、彼の真骨頂ともいうべきキャラクターなのだ。

本作は、お互いをかけがいのない存在とする青年と保護犬の姿を活写したバディムービーとしても絶品だ。民夫はハウの真っすぐな愛情に癒され、彼のモノクロだった世界はカラフルに彩られるが、両者の強い結びつきを田中は満面の笑顔によって体現。ハウが民夫の心の支えになっていることを表情や体にまとう雰囲気に至るまで体全体で完璧に表現している。

そんな田中の渾身の演技を全身で受け止めた俳優犬のベックもすばらしい。名作『南極物語』(83)や『クイール』(03)など名だたる動物映画でドッグトレーナーを務めた宮忠臣から本格指導を受けたベックは、本作で田中のみならず監督も唸らせる演技を披露。そのベックの“癒しの存在感”と田中の圧倒的な“癒しの演技”が合わさり、相乗効果を生んだのは間違いない。

撮影にあたり、自身もまた大の犬好きだという田中はやんちゃ盛りだったベックに根気よく優しい声をかけ続け、芝居を超えた関係性を築いたという。ハウはひょんなことから民夫と遠く離れ、798kmもの距離を「会いたい」という一心でひた走ることになるのだが、劇中に挿入されるハウのモチベーションとなる“民夫との幸せなひととき”に圧倒的なリアリティを感じるのは、田中とベックが演技を超えて結んだ信頼関係がスクリーンから伝わってくるからだろう。その美しくも優しいキラメキを、俳優、田中圭の“癒しオーラ”と共に劇場で堪能してほしい。

文/足立美由紀

※記事初出時、ドラマ「おっさんずラブ」の放送年表記を2016年としておりましたが、誤りであったことから、当該部分を修正させていただきました。訂正してお詫びいたします。
 
   

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