男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:マッチはしたけれど、3日間も返信がない…。しかしそこから交際まで発展させた、男の成功テク
里帆と交際して約半年。正直に言うと、僕は焦っていた。
「里帆。今後のことなんだけど…」
「そうだよね、考えないとだよね。でも…」
今年で38歳になる僕は20代の時に一度結婚をしていて、離婚経験がある。
でも、そろそろもう一度身を固めたいし、何より子どもが欲しいなと思っていた。
里帆は今年で31歳。僕から交際を申し込んだ際に、交際するときの約束として提示してきたのが、「結婚を前提としたお付き合い」だった。
だから最初から、結婚を前提に交際をしてきた。
当然のことながら里帆は結婚がしたいはずだし、すぐにでも人生の駒を次へ進めるのかなと考えていた。
けれどもこの半年で考えが変わったのか…。将来の話をすると、里帆は急に苦い顔をするになった。
果たして、彼女が僕との結婚に二の足を踏んでいる理由はなんなのだろうか。
Q1:交際前に女が「結婚を前提に」と言った理由は?
里帆と出会ったのは、食事会の席だった。2対2の席で目の前に座った里帆に、僕はほぼ一目惚れだった。
1軒目から盛り上がっていた僕たちだけれど、2軒目へ移動する際に席が隣になり、そこでずいぶんと話し込んだ。
そして連絡先を交換し、別れた後に僕はすぐに里帆に連絡をした。
― 俊明:良ければ今度、2人で食事へ行きませんか?
するとすぐに返信が来て、僕たちはデートをすることになった。
そして初デートは、里帆が住んでいる恵比寿にある『蔭山樓 恵比寿店』を予約した。
「里帆ちゃん、家は恵比寿って言ってたよね?」
「そうです!だから今日、ここにしてくださったんですか?」
「そうそう。近いほうが来やすいかなと思って」
初デートは自分のテリトリー内の店にしたり呼びつけない。極力女性が住んでいたり、普段遊んでいるエリアを優先させる。
それは心がけている。
「俊明さんって、優しいですね。そういう気遣いができる男性って意外に少ないから、嬉しいな♡」
「そうなの?でも初デートから、男性の家の近くに呼びつけるとか嫌じゃない?」
「それがわかっていない男性もいるんですよ〜」
話すたびにクルクルと表情が変わり、とにかく里帆は可愛い。見ているだけでも飽きなかった。
1軒目を後にし、まだ飲めそうな里帆と2軒目へ行くことになった。移動する最中、渋谷橋を目指しながら僕は里帆に問いかける。
「里帆ちゃんって、今彼氏いないの?」
「そうなんです。俊明さんもフリーですよね?どれくらい彼女がいないんですか?」
「僕は半年くらいかな。里帆ちゃんは?」
「私も同じくらいです」
本当は、2軒目を終えてからでも良かったのかもしれない。もしくは二、三度デートを重ねてからのほうが良かった可能性もある。
でも僕は里帆が好きだし、相手からも好意を感じ取れた。だから僕は、正々堂々と里帆に告白をした。
「里帆ちゃん。僕と付き合ってほしい」
「え…!!??」
里帆が驚くのは無理もない。でも里帆はすぐに笑顔で、こう答えてくれた。
「私も俊明さんいいなと思っていたので…嬉しいです。でも交際するなら、一つだけ条件があります」
「条件?」
「はい。私も今年で31歳になるので、結婚を前提としたお付き合いをすること。俊明さんに結婚願望がないならば、申し訳ないですがお付き合いはできません」
僕はバツイチだし、そこまで結婚を焦ってはいなかった。でも里帆にそう言われて、僕は真剣に向き合う覚悟を決めた。
「もちろんだよ。ちゃんと結婚を前提としたお付き合いで、お願いします」
こうして、僕たちの交際が始まった。
Q2:女が結婚を渋り始めた理由は?
僕と里帆との交際は、順調そのものだったと思う。
年齢差は7歳あったけれど、大人な里帆は会話を合わせてくれていたし、何より一緒にいると楽しかった。
北海道へ一緒に旅行をしても、喧嘩もなかった。最初は中心部へ行きたがっていた里帆を説得し、僕たちは十勝へ行くことになった。
「あ〜やっぱり田舎って最高だわ」
「そう?」
「俺さ、将来早く引退して田舎に引っ越したいんだよね。埼玉の奥のほうって田んぼとか畑も多いし。そこで自給自足の田舎暮らししたくて」
「え〜。それ大変そうじゃない?」
「これだから都会っ子は…。里帆もきっと気にいるよ」
「私は東京が好きだから」
僕の地元は茨城だった。周りは田んぼも多く、のんびりとしている。だからいつか東京を離れたいと思っていたけれど、里帆は生粋の東京生まれ東京出身だった。
「里帆は将来、どこに住みたいの?」
「そりゃ港区か渋谷区、もしくは千代田区か世田谷区あたりだよ」
「そうなんだ。田舎最高だけどな」
そんな平和な会話しかしていなかった。
そして毎週末、里帆が僕の家に来て泊まる…というのがお決まりのデートプランになっていた。
「里帆、もうこっち引っ越してきたら?毎回家に帰るの面倒じゃない?」
「うーん。そうしたいけど、会社まで遠くなっちゃうからな。それにとし君のお部屋の掃除、毎日できないよ(笑)」
断じて僕は「家事をしてほしい」なんて、一言も言っていない。けれども里帆は、来るたびにいろいろと勝手に家のことをやってくれる。
「別にやらなくてもいいのに。里帆だって仕事があるんだし、大変でしょ」
掃除機をかけている里帆の背中にそう言うものの、里帆は首を横に振る。
「気になっちゃうんだよね」
「そうなんだ。でも里帆は、結婚後も仕事続けるでしょ?」
僕は一応外資系に勤めているので、年収2,000万以上はある。一般的な基準からすると、低くはないほうだと思う。
だから専業主婦になってもらっても構わないけれど、里帆は以前、「仕事は続けたい」と言っていた。
「うん。続けたいなと思ってるよ」
「そっか。まぁダブルインカムのほうがいいよね。それに女性も仕事を続けていたほうがいいと思うし…。自立って大事だからさ」
「そうだね。それに私は性格的に、専業主婦には向かないかな〜」
「里帆は働いているほうがずっと輝いてそうだよね」
将来の話をしたといえばそれくらいだった。
でも交際から半年。里帆はだんだん将来の話をすることを避けはじめた。
― まさか他に好きな男ができた?
そんな疑問さえ感じ始めている。
▶前回:マッチはしたけれど、返信が来ない…。しかしそこから交際にまで発展させた、男の成功テク
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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2022年7月30日