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独特の構造を持つダイヤモンドが5万年前に飛来した隕石から発見される

カラパイア


image credit:James St. John/Wikimedia Commons/CC BY 2.0

 今から130年ほど前、米アリゾナ州のディアブロ渓谷で、5万年前に地球に落下した隕石が発見された。この隕石はただ古いだけではない。その内部に奇妙な微細構造が隠されていたのだ。

 その構造は「グラファイト」と「ダイヤモンド」が連結したユニークなもので、一般的なダイヤとは大きく異なるという。

 これを発見した国際研究グループによれば、高速充電や新しい特性を備えた電子機器などへの応用が期待できるそうだ。

六角形の結晶構造を持つ独特なダイヤモンド

 ダイヤモンドが発見されたのは「キャニオン・ディアブロ隕石」だ。

 1891年に米アリゾナ州で発見されたもので、5万年前に地球に落下して直径60キロもあるバリンジャー・クレーターを残した隕石の欠片だと考えられている。

photo by iStock

 ダイヤといっても普通のものとはかなり違う。私たちが知っている一般的なダイヤは、炭素原子が立方体に並んだもので、地表から150キロ下の、1000度を超える高温の地底で形成される。

 それに対して、キャニオン・ディアブロ隕石内部のダイヤは、六角形の結晶構造をもつ炭素の同素体で、結晶学者キャスリーン・ロンズデールにちなみ「ロンズデーライト」と呼ばれるものだ。六方晶ダイヤともいい、超高圧・高温下でしか形成されない。

 火薬と圧縮空気を使い、グラファイト円盤を時速2万4100キロで壁に衝突させ、人工的にロンズデーライトを作り出すこともできる。だが、それ以外では、地球に激突した隕石の中だけしか形成されない。

キャニオン・ディアブロ隕石 photo by iStock

隕石のダイヤにはグラフェンが結合していた

 今回、隕石のダイヤからは、もう1つ興味深いものが発見されている。通常の六角形構造ではなく、「グラフェン」という炭素系物質がダイヤモンドに結合していたのだ。

 「ダイヤファイト」と呼ばれるその物質は、隕石の内部で層状パターンを形成しているが、層と層の間は完全に並んでいない。これを「積層欠陥」という。

 隕石のダイヤにダイヤファイトが形成されていたということは、他の炭素質材料でも同じものが形成されるということだ。研究グループによると、それはすぐにでも資源として利用できる可能性もあるという。

photo by Pixabay

さまざまな電子機器へ応用可能

 グラフェンは、炭素原子が原子1個分の厚みで六角形に並んだシート状物質だ。羽毛のように軽く、ダイヤモンドのように軽い。

 透明で、電気・熱ともに高い伝導性を誇り、厚さは人間の髪の毛の100万分の1。こうした優れた特性から、より標的を絞った医薬品、小さく高速充電が可能な電子機器、より速くより曲げやすい技術など、いくつもの応用が期待されている。

 今回、隕石の中で確認されたグラフェンの成長は、その形成メカニズムや人工的に形成する方法などについて教えてくれる。

 ダイヤファイト構造が生まれる圧力と温度について理解を深める手がかりにもなるとのこと。

 研究グループの1人、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの化学者クリストフ・ザルツマン氏は、「この構造の層を制御下で成長させることで、超硬質かつ延性があり、導体から絶縁体まで調整可能な電子特性素材を設計することも可能」と、プレスリリースで語った。

 この研究は、『PNAS』(2022年6月14日付)に掲載された。

References:Asteroid impacts create diamond materials with exceptionally complex structures / written by hiroching / edited by / parumo

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