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鉄器時代の謎めいたカエルの集団墓地が発見される

カラパイア


 イギリス、ケンブリッジ近くの鉄器時代(紀元前400年から紀元43年)の住宅遺構から、膨大な数のカエルの骨が見つかり、考古学者たちが首をひねっている。

 なぜ、8000体以上ものカエルの骨が一ヶ所から出てきたのか?先史時代のミステリーだ。

 現場はバー・ヒルという村で、鉄器時代の円形住居遺構のすぐ隣の長さ14メートルの1本の溝から、大量のカエルの骨が出てきた。

 ケンブリッジとハンティンドン間を走る国道A14号線の改修計画の一環として、ロンドン考古学博物館(Mola)が発掘調査を行ったところ、この驚くべき発見があった。

なぜ大量のカエルの骨が一か所に?

 大昔の遺跡から、カエルの骨が見つかることは珍しいことではないが、これほどまでに大量の骨の発見に、考古学者たちは当惑を隠せない。

 Mola(ロンドン考古学博物館)の動物考古学者ヴィッキー・イーウェンズ博士は言う。
ロンドンのさまざまな遺跡でも作業をしてきましたが、これほど大量のカエルの骨が出てきた例はありません。

しかも、たったひとつの溝の中からこんなにたくさんの骨が出てくるのは、ほかに類をみないことです


バー・ヒルで見つかったカエルの骨を分析する、動物考古学者のヴィッキー・イーウェンズ氏 / image credit:cMola / AndyChopping

 これらのカエルは、全国の庭の池などでごく普通に見られるヨーロッパアカガエルとヨーロッパヒキガエルだという。
アカガエルの仲間と思われる種も含まれていて、これらは通常、考古学的に発見されるようなものではないため、非常に興味深いことです。

私の研究では、サクソン時代の2ヶ所の遺跡で、それぞれ一匹づつの骨が見つかっています。

これらは、イーストアングリアでしか見つかっていないカエルで、生息地減少のためか、1990年代に絶滅しましたが、最近になって再導入されたものです(イーウェンズ氏)


photo by Pixabay

儀式用か?食用か?餌が豊富にあったからか?様々な可能性

 大量のカエルの骨は先史時代のものなので、その死の説明をつけるのは難しい。

 とはいえ、エジプト、メソポタミア、ギリシャ、ローマなど古代文明では、カエルは豊穣のシンボルとして見られていたため、さまざまな関連性が指摘されている。

 当時の集落の住民が、これらのカエルを食べていたとは考えにくい。イギリスの石器時代では、カエルを食べていた証拠はあるが、今回見つかった骨には切ったり、焼いたりした痕跡はみられない。

 だが、丸ごと茹でて食べていたのだとしたら、そうした痕跡は残らず、食用だった可能性は捨てきれない。

 この遺跡近くから、炭化した穀物の痕跡が見つかっているため、カエルが食べるとされる甲虫やアブラムシなどの害虫を呼び寄せてしまう穀物を、加工していた可能性も考えられる。

 そのため、食べ物が期待できるこの場所にたくさんのカエルが引き寄せられたのではないかという。

 その他の可能性としては、先史時代のカエルの受難というものがある。

 カエルは春になると、繁殖するための水場を探して大移動することが知られている。そうしたたくさんのカエルが溝に落ちて出られなくなり、そのまま死んだのではないかというのだ。

 あるいは、冬の寒さが原因という説もある。冬眠するカエルは泥の中に隠れることがあるが、極端な寒さでそのまま死んでしまったのではないかというもの。

 または、1980年代のイギリスで、ラナウィルスによってかなりの数のカエルが死滅したように、なんらかの病気で大量死したのではないかという説もある。

 溝自体の深さがどれくらいなのかは明らかになっていないが、発掘チームが表土を下層へと1メートルほど掘り進んで到達してみると、ここからは鉄器時代の陶器の破片など少量の生活廃棄物しか見つからなかったという。

カエルの集団墓地が発見されたバー・ヒルの発掘現場の上空写真 / image credit: cMola/HeadlandInfrastructure

 2016年から2018年にかけて、234ヘクタールにおよぶエリアでの40回ほどの発掘調査で、人工物や人骨など大量の発見物があった。

 その中からも、両生類の骨は見つかっている。発掘調査自体はもう完了しているが、現在も分析は進められている。

 イーウェンズ氏は、この2年間、家畜の牛など動物の骨を研究してきた。すべての研究がまとまれば、数千年前の人々の生活に新たな光を当て、大量のカエルの死の理由を解明することができるかもしれない。

References:Mass frog burial baffles experts at iron age site near Cambridge | Archaeology | The Guardian / written by konohazuku / edited by / parumo

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