男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「最初は素っ気なかった女が男に惚れた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:マッチはしたけれど、返信が来ない…。しかしそこから交際にまで発展させた、男の成功テク
最初に智弘をマッチングアプリで見たとき、「爽やかで素敵な人だな」という印象だった。
でもまさか付き合うことになるなんて、思ってもいなかった。
「智弘くん…。今って彼女いないんだよね?だったら私と付き合ってほしいな。結婚を前提として」
「え…!!」
デートの帰り道に思わず告白したことに、自分自身が一番驚いている。
夏の目黒川沿いは湿気でもわっとしていて、夜なのにまだまだ暑い。
「ダメかな?」
「まさか!むしろ、こちらこそよろしくお願いしますだよ!」
やっぱり素敵な人だなと思い、私はぎゅっと彼の手を握った。でもどうして私が、こんな気持ちになったのか?
それには、彼のある言動が関係していた。
A1:ただ忙しくて、アプリを開く時間がなかった。
智弘との出会いは、マッチングアプリだった。
半年以上彼氏がいなくて、食事会へ行っても誰にもピンとこない。
― 今年で32歳なのに…。大丈夫なのかな…。
本気で焦り始めたタイミングで、女友達に彼氏ができた。しかもその出会いがアプリだと知り、私も慌てて使い始めてみたのがキッカケだった。
そして実際に使用してみると、食事会でも出会えないような、ハイスペックなイケメンがゴロゴロといる。
― 世の中に、こんな素敵な独身男性たちってこんなにいたの?…というか、こういう人たちはどこに隠れているわけ?
そんな疑問を抱いて使い始めたマッチングアプリ。するとすぐに何人かの男性から“いいね”が来た。
どの人も素敵だったけれど、中でも一番爽やかで、顔もタイプだった智弘に”いいね”を返してみた。
けれどもここから仕事や会食で一気に忙しくなり、アプリを開く時間がほぼなかった。
きちんとアプリを確認することができたのは、1週間が経った頃だった。
「今週は本当に疲れたな…」
仕事に忙殺されていると、他のことは一切手につかなくなる。家事はもちろんのこと、仕事で逐一メールなどの対応に追われていると、プライベートではLINEの返信さえ億劫になってしまうタイプだった。
だからマッチングアプリも、開く余裕がなかった。
しかし1週間ぶりにアプリを開くと、相当な数のメッセージや“いいね”が溜まっていた。
「え、こんなに来るの?」
そのことに驚きつつも、私は先週マッチングした智弘のメッセージを探して開封する。
― Tomo:マッチングありがとうございます!智弘といいます。僕も最近ゴルフにハマってます。もしよければ、宜しくお願い致します。
「なんて丁寧な人なんだろう…」
シンプルなメッセージだけれども、話しやすいようにちゃんと共通の話題も振ってくれていて、彼のスマートさを垣間見る。
きっと素敵な人なんだろうと思い、私は返信を打った。
― 杏奈:返信が遅くなってしまい、ごめんなさい!忙しくてアプリを開けていなくて…本当にすみません。いいね、ありがとうございました。
けれどもこの日のうちに智弘からの返信は来なかった。
そしてまた仕事などでアプリを開けておらず、3日後にアプリを開いたとき。再び彼からのメッセージが入っていた。
― Tomo:むしろお忙しい中、お返事ありがとうございます!お写真が素敵だったので、思わずいいねを押してました。
返信が遅かったのにもかかわらず、怒りの一言もない。むしろ気遣いさえある智弘。
アプリは実際にまだ会ったことのない人たち同士の、スマホ上でのやり取りになる。だから伝わらないことも多いのかもしれないけれど、文面のテンションなどからして、彼が優しい人であることは伝わってきた。
けれども、ここからが問題だった。
A2:人柄の良さが滲み出ていたから。
そもそも、私は普段からLINEの返信が遅い。友人たちから怒られることもしばしばあった。
でもそんな私にも、智弘はとても優しかった。
― Tomo:杏奈さんは、ゴルフどれくらいの頻度で行かれるんですか?
(4日後)
― 杏奈:1ヶ月に1度行ければいいほうです。特に最近は暑いので全然行ってなくて…。智弘さんは、どれくらいで回られるんですか?
― Tomo:僕も1ヶ月に1回くらいです!本当はもっと行きたいのですが、実際はなかなか…。2枚目の写真は、どちらですか?美味しそうですね。
(3日後)
― 杏奈:これは札幌へ旅行した際に食べた、地元のお鮨屋さんの写真です!
― Tomo:北海道いいですね!何を食べても美味しいですよね。
返信が遅いことに対して何も言わず、いつどんな時も優しい返事をしてくれる。
「この人、きっとすごくいい人なんだろうな」
そう思い、私は自分から会う提案をしてみた。もうやり取りはしているし、彼の人柄は分かっていたから。
― 杏奈:返信が遅くて本当にすみません。細かい連絡が苦手で…。もし良ければ、一度お会いしませんか?
こうして、私たちは実際に会うことになった。会うまでに時間はかかったかもしれない。
でも根気強くやり取りを続けてくれたお陰で、私たちは会えることになったんだと思う。
そしてデート当日。待ち合わせ場所のカフェへやってきた智弘を一目見て、私は確信した。
写真より、実物のほうがカッコイイ。身長も想像以上に高くて肩幅もしっかりしている。
「私、こうやってアプリでマッチした人と会うの初めてなんです」
「僕もです!」
メッセージでやり取りしている通りの、誠実そうな人柄。ちょっと恥ずかしそうに笑う感じも可愛かった。
「写真と違ったりしませんか?大丈夫でした?」
「もちろんですよ。写真も可愛いなと思ったんですが、実物はもっと綺麗です」
「なんか照れますね」
「そうですね」
初めて会ったけれど、一緒にいると居心地が良い。智弘の優しさにすっぽりと包まれているような、不思議な時間が流れていく。
この日は軽くお茶をしただけで終わったけれど、私は“この人だ”と確信した。
アプリでは情報量が少ない。けれどもプロフィールとやり取りの段階で、色々と見えてくるものがある。
例えばプロフィール上で自分の話を超長文で書いている人は面倒だし、お金や肩書を自慢している人は、女性を若さや外見などでかなり振り落としている。
一方で智弘のように、自分を押し付けず、ずっと敬語で紳士的で優しい人は、実際に会っても素敵な人が多いと思う。
― この人と付き合えたら、幸せだな。
そう自然に思えた自分がいた。
▶【Q】はこちら:マッチはしたけれど、返信が来ない…。しかしそこから交際にまで発展させた、男の成功テク
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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2022年7月24日