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亡くなったイスラエルの兵士から精子を回収する予備法案が可決

カラパイア


 徴兵制のイスラエルではある習慣が流行している。亡くなった男性兵士の家族が、その精子を回収しているのだ。いつか父親の遺児を授かるためだ。

 ブルームバーグによると、すでに数十人がの子供が、この精子を使用した体外受精で生まれたという。それどころか数百人の女性が代理母としてだけでなく、実際に育児をする母親役まで志願しているとのことだ。

 こうした状況を受けて、イスラエル議会は3月に予備的な関連法案を可決し、兵士の精子の扱いに関する法制度を整える為に動き始めている。

兵士の遺族に対する国の役目

 法案を起草したズヴィ・ハウザー議員は、次のように語っている。
やがて社会全体に広まるかもしれない。だがまずは軍隊からだ。18~21歳の国民に兵役義務を課しているのだからね。つまり、政府はこう言っているのだ。

『諸君らは法の定めのもと、国に奉仕せねばならない。だが何かあれば、国が面倒を見よう。万が一死んだ場合は、諸君らの両親や子供は国が面倒を見よう』

我が国には亡くなった兵士の妻や両親に、子供を授ける科学技術もある
 なお可決された予備的法案は、亡くなった男性兵士から精子を回収するには、生前の同意を必要としている。

 徴兵された男性は、万が一死亡した場合に精子をどうするかを、あらかじめ自分で決めることができる。

photo by iStock

亡くなった兵士の両親も孫を授かる権利を求めている

 国によっては、死んだ兵士から精子を抽出し、体外受精で子供を作るという行為が違法とされることもある。

 アメリカの場合、州によって異なるが、ほとんどの場合は未亡人のための制度で、亡くなった男性の両親は対象外だ。

 一方、イスラエルは、戦死者の親が孫を授かる権利を求めており、それが物議を醸している。

 医師法や生物倫理に詳しいイスラエル、オノ・アカデミック・カレッジのギル・シーガル氏は、こう語る。
孤児院ではなく、存命中の親のもとに生まれることが、子供にとって最大の利益だ。

子供を失った親には同情するが、子供の出生をめぐる話は、祖母と祖父と子ではなく、母と父と子から始めねばならない。

亡くなった男性から精子を回収する人は、悲劇によって失われたものを取り返そうとしている。それは記念碑を建てるようなものだ


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一番考慮すべきは子供の幸せ

 だが、こうした行為によって一番影響を受けるのは、亡くなった男性でも、その妻でも両親でも、代理母でもない。生まれてくる子供自身だ。

 戦死した兵士のすでに生まれている子供には公的な経済支援があるが、これから生まれてくる子供はこの限りでない。

 ハウザー議員は、「既存の給付金は、亡くなった父親の所得を補償するためのもの」と説明する。

「兵士が子供を残して死んだ場合、国は遺児に『父親を奪ったのは我々だ、その補償はする』と告げるが、まだ生まれていない子供は別の話だ」

References:Israel Extracting Sperm From Dead Soldiers and Using It to Create Children / written by hiroching / edited by / parumo

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