
口腔底がんのため53歳の若さで亡くなったイノマーの遺志を受け継ぐ一夜限りのロックフェスティバル『イノマーロックフェスティバル』が、7月16日(土)に有明・東京ガーデンシアターで開催された。性春パンクバンド、オナニーマシーンのリーダーだったイノマー。イノマーと親交の深かったアーティストたちによって展開された熱いステージの中から、本記事ではトップバッターとなった銀杏BOYZのライブレポートをお送りする。
フェスのトップバッターとなった銀杏BOYZ。青いフードをかぶってアコギを抱えた峯田和伸にスポットライトが当たり「イノマーさん、最後まで見ててね」の声から1曲目『光』が始まる。前半をアコギのみで歌い上げ、後半は怒涛のバンドサウンドにシフト。まだ1曲目にもかかわらず、峯田はステージをのた打ちまわり、まるでクライマックスのように長く分厚いアウトロで締めくくった。
これぞロックといったハウリングノイズを響かせながらの『若者たち』、峯田がタンバリンを叩きながら歌った『アーメン・ザーメン・メリーチェイン』ではイノマーと、ここに集まったイノマーを愛する観客へメッセージを投げかけるかのように歌い上げる。
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「イノマーさん、そっちでも音楽って聴けるのかなぁ」峯田はそう語りかけつつ、イノマーの過去の日記を見せてもらったエピソードを披露。「イノマーさん、どこで見てるかわかんねーけど、今日はあんたのことを好きで好きでたまんない人たちが集まって、みんなあんたのことを思ってるっていうすごい日だよ」と今は亡きイノマーへ思いを告げた。
『ぽあだむ』では、歌詞の一部を「イノマーみたいに『POP』になれんだ」と変えつつ『BABY BABY』へ。アコギを抱えた峯田が両手でVサインをすると、会場も一斉にVサインで応えた。
「俺もいつかそっち行くから、どうか見守ってくれよ」と空を見上げつつ、イノマーへメッセージを投げかける峯田。曲はキラーチューン『SKOOL KILL』へ。峯田は手に持ったマイクを自身の額にガンガンとぶつけ、ステージを転げ回りながらシャウト。最後は会場へ向けてしっかりとピースサインを送り、ステージを後にした。
(取材・テキスト:バッキー大坂)