
■プラムの種類や目利き方法
国内で栽培されているプラムの品種は、なんと20種を超えるという。
「シーズンの最初に出てくるのは『大石早生(おおいしわせ)』や『ソルダム』。大石早生は日本で最も多く栽培されている品種で、ほどよい酸味が特徴です。ソルダムは青く固い時期に出荷されることが多く、赤くやわらかくなってから食べるのがおすすめです」(やのさん)
やのさんのお気に入りは、濃厚な甘さの「貴陽(きよう)」だそう。
「『貴陽』は200g前後と大きく果汁が多いのが特徴です。はじめて食べたときは感動もののおいしさでした。300gを超えるものもあり、2012年に世界一大きいプラムとしてギネス認定されています」(やのさん)
300gというと、平均的な桃より大きい。
「150g前後でやはり大玉の『太陽』は、糖度が高く酸味が少ないです。完熟すると紫がかった紅色になります。古くからある緑色の品種『ケルシー』は、完熟すると黄緑色になり酸味が少ないのが特徴です。今は生産量が減り、幻の高級品となっているようです」(やのさん)
プラムにもいろいろな種類があることがわかった。しかし、どのように入手するのがよいだろう。
「旬の時期になると、スーパーや百貨店の果物売り場にプラムコーナーが設置され、多種を見かけるようになりました。近年、貴陽や太陽などは贈答品としても人気がありますね。主な産地である山形県、和歌山県、長野県、青森県から、ネットで手軽にお取り寄せもできますよ」(やのさん)
プラムを目利きする方法はあるだろうか。
「表面に白い粉が残っている状態(ブルーム)だと、鮮度がよいです。果皮が紅色に染まり、張りがあるものを選びましょう。貴陽や太陽などの品種は、熟度が上がると同心円状に細い線、輪紋が入りますが、それは病気ではなく食べ頃の証拠です」(やのさん)
プラムは追熟するので、すぐに食べない場合は少し青いものを選び、赤く熟して甘くなるのを待つのがよいようだ。
■おすすめのアレンジレシピ
プラムの風味や彩りを楽しめるアレンジレシピを2種教えてもらった。
「食べ応えのある『スモモとベビーリーフと枝豆のサラダ(2人分)』です。材料は、プラム1個(約200g、小さい場合は2~3個)、ベビーリーフ40g(レタスでも可)、ホワイトマッシュルーム2個、茹でた枝豆10粒程度、ハーブ塩小さじ1/4(バジルやオレガノ、ガーリックパウダーなどが入っているもの)、マリネ液(バルサミコ酢、ハチミツ、オリーブ油各大さじ1)です」(やのさん)
作り方は、いたってシンプルだ。
「ベビーリーフは洗って水気を切り、マッシュルームは薄切りにし、ハーブ塩を振って軽く混ぜておきましょう。プラムは洗って半分に切れ目を入れ、両手で持ってずらすように動かし、種を取って皮付きのまま16等分(小さなプラムは8等分でOK)にします。すべての材料をボウルに入れ、マリネ液を加えて混ぜ合わせれば完成です」(やのさん)

酸味が苦手な場合は、皮をむいて使うとよいそうだ。
次は、見た目の涼やかなジュレだ。
「プラム3個(小さい場合は5個程度)、A(白ワイン200ml、水200ml、グラニュー糖大さじ2、粉寒天2g)のみで作る『プラムの寒天ジュレ』です。プラムを洗って半分に切れ目を入れ、両手で持ってずらすように動かし、種を取って皮付きのまま8等分にします。そして鍋に入れ、Aを加えて混ぜます。中火で加熱し、沸騰したら火を少し弱め、5分程煮ると皮がむけるので菜箸などで除きます。蓋つきの容器に入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れます。一晩冷やすと、冷んやりとろけるジュレの出来上がりです」(やのさん)

いずれのレシピも簡単ながら華やかで、食卓がパッと明るくなりそうな一品だ。やのさんのおしゃれな盛り付け方も参考にしつつ、旬のプラムのアレンジも楽しんでみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール:やの くにこ(FoodDesignアトリエやの)
FoodDesignアトリエやの主宰。農学博士・野菜料理家・フードトレンドクリエーター・野菜ソムリエ上級プロ。「食で地域活性化」、「食べて農家応援」を目指し、野菜や果物、真鯛の商品開発、簡単レシピを、新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、WEB、SNS「くにこキッチン」などで発信。地域活性化伝道師。6次産業化プランナー。
画像提供:ピクスタ
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)