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A24初シリーズ作品は古くて新しいハイテンションホラー 『X エックス』レビュー【茶一郎】

映画スクエア

 最後に『X エックス』の監督もご紹介しましょう。監督はタイ・ウェスト。もうホラーファンには知られた名前ですね。ゼロ年代、2000年代のアメリカ・インディペンデント映画のムーブメント「マンブルコア」から派生したマンブルコアのホラー版、マンブルゴアの騎手として有名ですね。人によってはやはりマンブルゴアから、今やゴジラ映画に大出世したアダム・ウィンガード監督の盟友として、傑作『サプライズ』に出演している俳優として監督タイ・ウェストを見た事がある方もいらっしゃると思います。

 お恥ずかしい話、タイ・ウェスト監督作、全作品観られていないんですが、特に『インキーパーズ』は素晴らしい幽霊ホテルモノでした。マンブルコアの文脈からジョー・スワンバーグが出演した『サクラメント 死の楽園』というカルト教団を舞台にしたフェイク・ドキュメンタリー。これも良作。ホラー映画ではないですが、とんでもない嫌な映像を堪能できる作品でした。監督作、基本的に、一つの建物とか、一つの共同コミュニティとか、本作では一つの農場とか、限定した空間で起こる怪奇残酷事件、そういったものをスマートに見せるのが上手い監督かなとも思います。特に本作の前に撮った、ホラー映画ではないですが『バレー・オブ・バイオレンス』という西部劇。これが僕大好きで、何とこれ『夕陽のガンマン』、ドル箱三部作、セルジオ・レオーネ西部劇にド直球のオマージュを捧げた残酷西部劇です。

 過去の偉大な作品への愛、オマージュで古くて新しい映画を作るという意味で、西部劇『バレー・オブ・バイオレンス』から本作、ホラーの『X エックス』と、流れが繋がっている印象もあります。『バレー・オブ・バイオレンス』から本作までドラマの監督はやっていましたが、映画監督は6年ぶりということで、ここから、『X エックス』からシリーズが始まりますので、ぜひ再度ご注目頂きたいホラー作家、タイ・ウェスト監督でございました。

さいごに

 70年代テキサス。『悪魔のいけにえ』のあのザラつき、野蛮なフィルムを追体験できるようなオールドニュー、ニューオールドなホラー映画であり。「老い」についての老化ホラーでもある。はたまた「映画作り」の楽しさ、その魅力も刻まれた「映画についての映画」でもあり。タイ・ウェスト6年ぶりの新作にしてA24初シリーズ1作目という事で、色々な意味で必見の新作ホラーだと思っています。お見逃しなきよう。ぜひこの作品ではなく、他の公開のホラー作品と合わせてホラーの夏お楽しみ下さい。

【作品情報】
X エックス
2022年7月8日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022 Over The Hill Pictures LLC All Rights Reserved.

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茶一郎
最新映画を中心に映画の感想・解説動画をYouTubeに投稿している映画レビュアー

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