昨年のぴあフィルムフェスティバルでは、500作品近い応募作品の中から、映画ファン賞とエンタテインメント賞をダブル受賞!大野キャンディス真奈監督初の長編映画作品『愛ちゃん物語♡』が7月29日(金)より渋谷シネクイントにてついに公開となります。聖子さん役の黒住尚生さんと大野監督に、今作の制作秘話をはじめ、公開に向けての熱い想いを聞かせていただきました。
【前編】
「愛ちゃん物語♡」はいつから取り組まれていますか?
大野: 描きたいテーマがあって、2018年の冬に企画をはじめて、2019年の夏に撮影したので、約3年半前です。2020年1年間を通して編集して、2021年に完成しました。
企画を脚本に起こす前から物語は固まっていましたか?あるいは書き起こしながら変わった部分がありましたか?
大野:あんまり変わっていないと思います。最初から頭の中にこの物語のイメージがありました。伝えたいことが頭の中に一番あったので、それにキャラクターが加わっていき・・・という感じです。書いていくうちに、セリフが喋り口調になっていくとか、登場人物たちの周りの人の関係とかは肉付けしていきましたが、主題と起承転結は最初に決めたものから変わっていないです。
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聖子さん役に、黒住さんをキャスティングするイメージは最初からですか?
大野:映画を作ろうと思っていた企画段階で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に行きました。自主映画ってどんなものなんだろう?と興味があり、映画祭に実際に行ってみたのですが、黒住さんが出演している作品があって、鑑賞したんです。めちゃめちゃ良くて、リアルで。この俳優さんいいな〜って思いまして。東京に帰ってから、脚本を書いている時、聖子さん役を誰にしようと考えている時に、黒住さんだ!と思いまして。自分が演出する映画はオーバリアクションな演技を入れるのですが、それって見ていてすごく冷める時があると思うんです。演技が上手くないとできない。ナチュラルな演技とオーバーリアクションな演技がどっちもあるから成立する、みたいな。だから、ナチュラルな演技が元々できていた黒住さんにお願いしたいと思いました。
聖子さんというキャラクターのイメージが元々あって、そこに黒住さんがフィットしそうだと思った、ということですね。
大野:そうですね。もともと知り合いが黒住さんと知り合いだったこともあり、その縁もあってお願いさせて頂いたという感じです。