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80年代パンクスの怒りが爆発!「反逆のパンク・ロック」が日本初ロードショー

キネマ旬報WEB

ドロップアウトした若者たちの非情な青春を描き、1983年シカゴ国際映画祭で最優秀長編デビュー作賞に輝いたパンク・ムービーの重要作「反逆のパンク・ロック」が、制作から39年を経て、デジタル・ニューマスターにより日本で初めてロードショー公開される(8月26日より新宿シネマカリテほかで全国順次公開)。

 

 

家族とうまくいかず、世の中のすべてが無意味に思えて家を出た“街の孤児”たちは、自らをT.R.(The Rejected=拒否された脱落者)と称し、夜ごとに仲間を求めて集い、パンク・ロックに酔いしれる。そうした中で彼らを嫌悪し、街からの排除を求める住民たちとの対立は激化。追い詰められながらアイデンティティを模索するT.R.たちは、やり場のない怒りをついに爆発させる──。

パンク・ドキュメンタリー映画「ザ・デクライン」(81)やヒット作「ウェインズ・ワールド」(92)のペネロープ・スフィーリス監督が、B級映画の帝王ロジャー・コーマンのもとで撮り上げた長編劇映画デビュー作「反逆のパンク・ロック」。赤字を出さないことを信条とするコーマンに、「10分に一度はセックスか暴力のシーンを入れろ」と指示されたスフィーリス監督は、骨格が破綻しない程度に要望に応えて映画を完成させた。

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また、俳優ではなく本物のパンクスを多数起用したことで知られる本作だが、無名キャストに反対するコーマンに監督は「あなたの大ヒット作『ワイルド・エンジェル』(66)も本物のヘルズ・エンジェルスを出演させて成功した」と反論し、納得させた。主演女優のジェニファー・クレイは、パブリック・イメージ・リミテッドのライヴに並んでいるところを監督に見出されて出演。他の出演作はなく、消息も不明だ。現レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーはLAのパンク・ロックバンドであるFEARのリー・ヴィングの家にたむろしていたところを監督に発見され、本作で映画デビュー、〈Mike B. the Flea〉の名でクレジットされている。フリーは「『反逆のパンク・ロック』は世界的にパンク映画のバイブルとなっている」と語る。

T.S.O.L.、ヴァンダルズ、DIといったUSハードコアの猛者たちのライヴが劇中に盛り込まれ、当時のシーンの危険な空気に触れられるのも貴重。日本では劇場未公開、DVD発売やテレビ放送のみで終わっていたが、「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション®2022」での特別上映に続き、いよいよ劇場公開される。

 

             

 

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