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清宮幸太郎は「手首を返さずに」本塁打を打てた? また、さらなる成長へ必要なことは?/元巨人・岡崎郁に聞く

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役時代、勝負強いバッティングで球場を沸かせた、元巨人の岡崎郁氏だ。

Q.清宮幸太郎選手(日本ハム)の本塁打に「手首を返さずに打てている」とコメントした解説者がいましたが、これはどういうことですか。また、清宮選手がさらに成長するためには何が必要になってきますか。(千葉県・匿名希望・30代)



7月5日時点ですでに自己最多の8本塁打を放っている清宮

A.手首を返さずに引っ張ることは不可能です。極端な表現になってしまったのだと思います

 清宮選手が打った本塁打の内容が分からないので、ここではライト方向に引っ張った本塁打として話を進めます。実際にバットを振ってみるとよく分かりますが、最終的には手首を返してスイングをしないと打球を引っ張ることはできません。また、手首を返さずに打球を引っ張ることができたとしても、その打ち方では強い打球は絶対に飛びません。逆に手首が返ってしまえば、バットの角度からして反対方向(左打者であればレフト方向)に打つこと、流し打ちはできません。

 ですので、引っ張った本塁打という前提のもと解釈するならば、本当は「これまで清宮選手は手首を返すタイミングが早く、打球を引っ掛けてしまうことが多かったのですが、本塁打を放った打席では良いタイミングで手首を返すことができましたね」というコメントを解説者は言いたかったのではないでしょうか。それを極端に「手首を返さずに打てた」という表現になってしまった。ニュアンスが少し違った、言葉が足りなかったかなと思います。これだと映像を見ていたファンや、野球少年たちに間違って捉えられてしまう可能性がありますね。

 手首を返す動作は「こねる」という表現で、良くない打ち方として耳にする人もいるかと思いますが、バットのヘッドを走らすためには必要なことです。手首を返さずに打とうとするとスイングが途中で終わってしまいますから。ホームランをイメージして素振りをしてみてください。体の構造上、手首を返さないとフォロースルーまでいきませんよね。ボールがバットに当たるインパクトの瞬間まで、我慢して手首を返さずにスイングをすることができるようになったというのが正しい表現かなと思います。

 清宮選手が今後さらに成長するために必要なことですが、それは試合に出場し続けることではないでしょうか。とにかく一軍の試合で経験値をどんどん増やしていくしかないと思います。良かったときは起用されて、悪かったときは起用しない。これを繰り返していれば、いつまで経っても一皮むけることができません。言葉は悪いですが、清宮選手の打席を捨てる覚悟で新庄(剛志)監督が1年間使い続けることができるかどうかだと思います。

 ただ、こうは言っていますが、僕は日本ハムの人間ではありませんので、本当の清宮選手のことを知りません。打率や本塁打といった数字だけでは、彼の人間性や野球に対する姿勢をすべて理解することは不可能です。だから何とも言えないのが正直なところですが、もしチームの中で清宮選手をずっと見ている人たちが、簡単に言えば新庄監督が「こいつはモノになる」と思ったら使うべきだし、そう思わなかったら使わないべき。簡単な話だと思います。

●岡崎郁(おかざき・かおる)
1961年6月7日生まれ。大分県出身。右投左打。大分商高から80年ドラフト3位で巨人に入団し内野手としてプレー。96年限りで引退。現役生活16年の通算成績は1156試合出場、打率.260、63本塁打、384打点、23盗塁

『週刊ベースボール』2022年7月4日号(6月22日発売)より

写真=BBM

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