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フレデリックがその技巧と音楽愛でキャリア最大のアリーナを躍らせた夜

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フレデリック 撮影=森好弘


FREDERHYTHM ARENA 2022 〜ミュージックジャンキー〜  2022.6.29  代々木第一体育館

  「『FREDERHYTHM ARENA』始めます」

三原健司(Vo/Gt)によるアナウンスとともにステージに出てきた健司、三原康司(Ba/Vo)、赤頭隆児(Gt)、高橋武(Dr)の4人がSEとして流れていた「名悪役」のインスト・バージョンに自分達の音を重ねるように、その「名悪役」を演奏しはじめると、眩いライトがステージを照らし出す中、4人の演奏はあっという間に白熱していった。そしてたたみかけるように「TOMOSHI BEAT」のファンキーなリフを繋げていったのだが、その直前に健司が観客に投げかけた「熱い夜にしようぜ! 全員でいこう」という力強い言葉からして、自身最大キャパのアリーナ公演に挑んだこの日のフレデリックは、これまでとはかなり違っていたのである。

撮影=森好弘


思えば、コロナ禍になってからの約2年半。フレデリックはコロナ禍によって奪われたライブに代わるさまざまな可能性を追求しながら、意欲的に楽曲制作にも取り組み、新曲のリリースを続けてきた。その集大成とも成果とも言えるのが、彼らが3月にリリースした3rdフルアルバム『フレデリズム3』であることは、ファンならご存じのとおり。その『フレデリズム3』の全14曲を軸にアンコールを含め全18曲を演奏した2時間超えの熱演がこの日、観客の脳裏に焼きつけたのは、多くのバンドが足踏みを余儀なくされたこの2年半の間にフレデリックが成し遂げた破格の成長に加え、音楽に身も心も捧げることが難しいこの時代に、音楽に取り組む4人の熱情だった。

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撮影=森好弘


「俺達は『フレデリズム3』という俺達の人生の中で一番輝いているCDを作ったと信じています。そして、それを超えるためにはライブが必要です。ライブで音源を超えていって、最高のフレデリックを届けたい」

この日、健司がそんなふうに言葉にしたライブに対する思いは、とことん磨きを掛けた演奏と、それぞれに趣向を凝らした4部構成とも言えるセットリストが具現化していたと思うのだが、健司が言う「音源を超える」ことが演奏だけとか、演出だけとか、どちらかだけに偏らないところがフレデリックならではなのだろう。


前述した「名悪役」「TOMOSHI BEAT」から、さらにアップテンポの「蜃気楼」「VISION」と繋げ、熱度満点の演奏で観客の心臓を打ち抜きながら、ステージからアリーナに伸びた花道に駆け出していった健司が観客の気持ちをがっちり掴んだ序盤の展開がアピールしたのは、コロナ禍においても錆びつくどころか、逆に研ぎ澄ませていった4人の演奏だった。『フレデリズム3』を作るにあたっては、ライブの音に近づけるというテーマがあったという。その成果はそれぞれに以前にも増して骨太になった音色からはっきりと感じられた。この日、演奏しながら、高橋を中心に幾度となく向き合い、呼吸を合わせ、気持ちを重ねる4人の姿が印象的だった。

撮影=森好弘


「『フレデリズム3』という自分たちのらしさや、フレデリックはこういうふうに音楽をやっていくということを提示したアルバムを出して、しっかりと自分達らしい音源を届けたタイミングで、ライブどこでやろうか、と考えたとき、ライブハウスじゃなかった。野外でもなかった。やっぱり屋内。しかも、めちゃくちゃでかいアリーナだと思った」

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