
■手ぶらでアクティビティを体感!
アウトドアでのアクティビティとしてすっかり定着したキャンプに比べると、比較的最近その名前を聞くようになった「グランピング」。グランピングがどういったものなのか、まだ定義までは理解していない人も多いはず。
「グランピングも大きく区別するとキャンプのカテゴリーに入りますが、キャンプは衣食住を自分で準備するのが原則。その中で、着る物以外は全て用意されている施設、あるいはその施設を利用する行為をグランピングと呼びます」(日本グランピング協会)
いつごろから世に知られるようになったのだろう。
「確認できる中では、2005年頃にはイギリスのウェブサイト上で『グランピング』という言葉が使用されています。また『グランピング』というアクティビティがはっきり定義づけされる以前から、カナダやアフリカには富裕層向けのアウトドア施設が存在していました」(日本グランピング協会)
キャンプではテントや寝袋、ライト、食事のための道具や食材など、用意するべきものが多数ある。キャンプグッズを集めることも醍醐味だが、初心者からすると何からはじめればよいか分からず戸惑ってしまうこともあるだろう。
「グランピングはテントの設営や食事の準備に煩わされることはありません。日常の快適さを犠牲にすることなく、ゆったりとした時間を過ごすことができるよう工夫されています。これがグランピングが『良い所取りの自然体験』といわれるゆえんですね」(日本グランピング協会)
山や森の中で行うキャンプとなると、天候の変化に遭遇することもある。その点、ホテルやロッジ並みの施設や寝床が確保されているグランピングなら心配無用というわけだ。
■急増する「模倣グランピング施設」
食事や入浴の心配事が解消されるグランピングは、一見何の欠点もないように思える。しかしブームの弊害として、そういった便利な部分だけをなぞった施設も増えているという。
「グランピングブームが起こったことによって、明確なコンセプトを設けないまま、外観だけを真似た『模倣グランピング施設』も乱立しています。それらは流行っているから、儲かるからという理由で作られた施設がほとんどです。これからグランピングを体験されようとお考えの方は、グランピングが注目されている理由を正しく理解し、しっかりとした理念を持った施設を選ぶ必要があります」(日本グランピング協会)
グランピングの目的とはあくまで「自然を感じつつ、安全にキャンプを楽しむ」というもの。豪華な外観や至れり尽くせりのサービスだけに釣られ、本質を見失わないように注意したい。
●専門家プロフィール:一般社団法人日本グランピング協会
アウトドアレジャーマーケットのニーズの調査研究と共に、国内外の関係団体との連絡提携を進め、グランピング施設に関する情報の収集及び分析を行う。グランピング場の整備・運営及び従事者の養成をとおし、日本のグランピングの健全な発達に貢献する。
画像提供:ピクスタ
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)