
代表作の一つである、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによる1970年作「真夏の夜の夢」では、ジェローム・ロビンスのバレエと北京サーカスの影響を受け、ステージには白の箱やワイヤーで作られた森、空中ブランコや竹馬を使用した。
1943年にロンドンの劇場において「フォースタス博士」で演出家デビューを果たしたブルックは、その後ロイヤル・オペラ・ハウスの演出家に就任、リヒャルト・トラウスの「サロメ」ではシュルレアリスムを代表するサルバドール・ダリによる舞台セットを使い、論争を呼んだ。
晩年まで制作活動を続けたブルックは、大英帝国勲章(CBE)、英コンパニオンズ・オブ・オーダー勲章、高松宮殿下記念世界文化賞を授与されている。