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アルコール依存症になった夫…妻がとった「意外な行動」とは?

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、中村俊郎・眞知子・潤氏の書籍『なかむら夕陽日報【文庫改訂版】』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

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夫も病気に

二男に続いて一年後に、夫も精神を患っていきました。ずっと口にしなかったアルコールを地区の役を引き受けて飲んでから、私の知らないところで短時間でハマっていました。気がついたときはもう引き返せませんでした。

この病気の怖さを少しは知っていた私は、何とかせねばと、一人専門医を訪ねたり電話相談をしたり……そんな時、三〇年近く毎年訪ねてくれる夫の教え子たちが訪問してくれました。そら豆が実る五月です。二男が収穫したそら豆で、デザートを作ってみんなをもてなしてくれました。みんなは「美味しい。美味しい」と言ってくれました。

 

そのことが、私の悩みをオープンにすることにつながりました。夫が、喜んで食べてくれる教え子たちに「茹でそら豆で一杯飲むとたまらん」と話し出したからです。第三者を交えた場で、現状を伝えることができました。二男のおかげでした。

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教え子の一人が、長男も呼んで学習会を開いてくれました。驚くほど量を減らせることができたときは、やっと食い止められた、もう大丈夫と思ってしまいました。でもそんなに甘くはありませんでした。半年も経たないうちに自分で買って飲み始めていました。前の量(一日の最大限)に戻るのはアッという間で、常時飲むようになっていきました。

この頃には私を「自分のしたいことを阻む敵」と見ていますから夫婦間の会話は成り立たず、それでも言っては争いになり、次第に私は黙って逃げる方法をとりました。幸い夫は二男に優しくて、二男も優しくて、私の代わりにお父さんの長い話を聞いてくれました。私は嫌なものから逃げていたのに、今度も病気の二男に助けてもらいました。父親と山仕事にも出かけてくれました。

 

二男は父を信頼し大切に思っています。私も大切に(今は大喧嘩するから違うかも?)思ってくれましたから、混乱させてはいけないと思いました。だから父母のいさかいは見せまい、言うまいと心し、夫の飲酒に派生する私の悩みに蓋をしました。別に住む長男に対しても、生の声を届けたら傷つけると思いました。

依存症という病気なのだからと知りつつも、私から湧き立ってしまう嘆きや悲しみや怒りなどの感情をごまかすために、あるいはとらわれてしまった感情から這い出るために、図書館の空気と本はなくてはならないもので、日報を書くという作業も拠り所の一つになってくれました。二男は、そんな私を畑へ連れ出して元気づけてくれたり、一人で作業を進めてくれたりしました。

なかむら夕陽日報 13・10・31(木)

“休む勇気 もたない元気”

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