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パンダは600万年前から「第6の指」を持っていて、竹を食べていたことが判明

カラパイア


 ジャイアントパンダはもともとは肉食だったが、過去のどこかの時点でその食生活を変え、竹や笹だけを食べる独自のライフスタイルを選択した。

 このほど中国雲南省で発見されたパンダの祖先の化石から、どうやら彼らは少なくとも600万年前には竹を食べていたらしいことが明らかとなった。

 700万~600万年前の化石には、竹をうまくつかむために欠かせない「第6の指」と言われている”親指”がすでに存在していたのだ。

 中新世のパンダの親指は、現在のパンダよりも長く発達していたという。この研究は『Scientific Reports』(2022年6月30日付)に掲載された。

竹を食べるためのパンダの第6の指は600万年前からあった

 パンダには親指がある。ただし本物の親指ではない。手首の骨(種子骨)が発達したもので、正確には指ではない。だから「第6の指」と呼ばれる。

 このこと自体は100年以上前から知られていたが、それが発達した時期については定かではなかった。

 しかし、このほど雲南省昭通市の水塘壩で発見されたパンダの化石から、少なくとも600万年前には親指を持ち、竹を食べていたらしいことが明らかになった。

 パンダの祖先「アイルラルクトス」の化石には、パンダが竹を食べるときに使う親指がすでに存在していたのだ。

ンダの祖先アイルラルクトスのイメージ。現生のパンダのようにタケをつかめる(右)一方、歩くときは種子骨が現生パンダよりやや突き出ていたかもしれない(左)/Credit: Mauricio Anton

 これはパンダの祖先も竹を食べていたことを示す最古の証拠で、パンダ独特の手の構造が進化した理由を解き明かすヒントにもなっている。

 米自然史博物館、脊椎動物古生物学部門のシャオミン・ワン博士は「竹藪の奥にいたジャイアントパンダは、肉やベリーのような雑食を捨て、栄養には乏しいが、亜熱帯の森林には豊富にある竹を黙々と食むことを選んだ」と話す。

 博士によると、そのために一番重要だったのが、竹の幹をしっかり掴んで、一口サイズに砕くことができる親指の発達だったろうという。

白い部分が第6の指である親指。物をつかむことも(上)、歩くこともできる(下)/Credit: Natural History Museum of L.A. County

なぜ現世のパンダの第6の指は長く発達しなかったのか?

 今回の発見は、「なぜ第6の指である親指は未発達なのか?」という長年の謎を解く手がかりになる。

 直感的には、現生のパンダの親指は、パンダの祖先よりも発達しているはずだが、今回発見されたアイルラルクトスの親指は、現代のパンダよりも真っ直ぐ長かったのだ。

 それに対して現生のパンダのものは、短くて鉤状だ。一体なぜパンダの第6の指は、祖先より長く発達しなかったのだろうか?

photo by iStock

 その理由は、パンダの親指は2つの機能を担ってきたからであるようだ。

 ワン博士は、「パンダの第6の指は、歩くことも食べることも、どちらも出来ねばならなかった」「2つの機能は、親指の大きさを制限する」と説明する。

 ワン博士らは、現代のパンダの短い親指は、竹をうまく扱うと同時に歩きにも対応するための、進化の妥協であると考えている。

 現生パンダは、竹をつかめるだけでなく、とんでもない体重を支えて歩くこともできる。短い鉤状の親指が、指としても、手首の種子骨としても機能するためだ。
500~600万年という時間は、パンダが長い親指を発達させるには十分な時間だ。

だが体重を支えて移動するという必要性から生じた進化圧が、親指が邪魔になる程大きくなることを防ぎ、短く丈夫なままにとどめた
 と、アリゾナ州立大学の研究グループのデニス・スー氏は話す。

photo by Pixabay

 肉食から竹食専門に進化したパンダは、ライフスタイルの変化に対応するためにいくつもの困難を克服する必要があった。

 ワン博士は、「挟めるように動かせる親指は、それを克服する発達の中でも特に驚くべきものかもしれない」と語っている。

References:Pandas gave bamboo the thumbs up at least six million years ago / written by hiroching / edited by / parumo

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