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世界の福本豊 プロ野球“足攻爆談!”「根尾は『自分は下手くそ』に立ち返れ」

アサ芸Biz

 中日の根尾が外野から投手に登録が変更された。立浪監督の真意がどこにあるのかわからない。野手としては見切りをつけて、投手として育てていくつもりなのか。それとも野手との二刀流の道を本格的に歩ませるのか。一番よくないのは、中途半端に両方させて金の卵をつぶしてしまうこと。今まで投手から野手に転向して成功した選手は多いが、その逆はほとんどいない。

 登録変更の2日前、6月19日の巨人戦では、リリーフで登板して岡本を三振に打ち取った。ストレートのMAXは自己最速151キロを計測。大きな可能性を示したのは確か。今年のキャンプまで野手の練習しかしてなかったのに、ストライクが入るだけでもすごいこと。ただ、プロで投手として飯を食っていくには、投げるだけではダメ。いくら大阪桐蔭では遊撃と投手を兼任していたとはいえ、クイックや牽制、まだまだ勉強していかなアカンことはあるはず。

 そう考えたら、2軍でイチから投手として育てていくのが普通だが、1軍で敗戦処理的に経験を積ませるのかな。2018年のドラフト1位で中日、日本ハム、巨人、ヤクルトと4球団の1位指名を受けた選手で、素材のよさは間違いないところ。中日としてもしっかり育てる義務があるんやけどな。

 僕も根尾のことをじっくり見てきたわけでないけど、打撃に関しては方向性に悩んでいた気がする。体のサイズのわりにバットを振り回しすぎの印象があった。甲子園でホームランを打てる打者として注目されていたから、プロでも中長距離打者を目指していたのかもしれん。でも変化球の切れやストレートの速さは全く違う世界。まずボールにバットが当たらんことにはどうしようもない。1、2番タイプのコツコツ当てる打撃を目指したほうがよかったと思う。

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 これは根尾に限らず、エリート育ちの選手がプロで初めて挫折を味わって、立ち直れずに終わることがある。根尾は小学校時代からずっと周りから「すごい」と評価されていたはず。球が速くて、遠くに飛ばせて足も速い。テングにはならなくても、自信満々でプロに入ってきたと思う。コーチから「ここを直したほうがいい」とアドバイスされても、素直に耳を傾けられなかった可能性がある。僕の場合は自分で下手くそと思っていたから、西本監督やコーチから教わったことを素直に受け入れられた。疑いもせず同じ練習をやり続けたおかげで、あそこまで成長することができたと思っている。

 根尾も一度、自分のことを「下手くそ」と思って、出直してほしい。まだ22歳やし、大学に進んでいたら4年生。たとえ今回の投手挑戦が失敗しても、再び野手でやり直すだけの時間はある。投手は走ってなんぼで、練習も地味やから、そのうち打ちたくなるんと違うかな。やっぱり野球の練習で一番面白いのは打撃練習。毎日、試合に出るのはやはり楽しい。

 個人的には根尾のあの肩は外野手として魅力を感じる。阪神時代に野村監督が新庄を二刀流に挑戦させたし、イチローもオールスターで登板したこともあった。強肩外野手はマウンドからもすごい球を放る。でも、投手出身の者に言わせると、野手の投げる球と投手の球は違うらしい。根尾がほんまもんの投手になれるか、注目やな。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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