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アメリカがUSドルを「金と交換しません」と言い出した結果

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、緋鹿萊斗氏の書籍『社会人による社会人のための資本主義とは』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】貨幣はどうして生まれたの?資本主義社会の現代を紐解くための基礎知識!

紙幣の誕生

身の回りのちょっとしたモノを手に入れるためであれば、硬貨を持ち歩くことで事足ります。しかし、ある程度大きなモノや沢山の小さなモノを手に入れようとするには、大量の硬貨を持っていかなくてはいけないので大変です。そのため、硬貨との交換を保証する証書が硬貨の代わりに使われるようになりました。

今手持ちがないから、後で銀貨一〇〇〇枚払うよ、ちゃんと書面にするよ、と。現代と違い、このような取引は歩いて数分という場所で行っていたのではなく、行くまでに数日や数週間、数ヵ月かかる場所だったかもしれませんので、口約束ではなく書面にしました。

この借用書を渡された人も硬貨の持ち合わせがなくなり、この借用書を硬貨の代わりに使いました。今手持ちがないから、代わりにこれで支払わせてくれ。このあいだ来ていたあいつ、分かる? そうそうあいつ。ちゃんと返してもらえるから。心配なら俺が保証するよ、という具合です。現代でいえば手形ですね。

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で、この借金した人が閃きました。この借用書を家に持ってくればちゃんと支払うよ、だからこの借用書で買い物させて、と相手に持ち掛けるようになったのです。金持ちで、きちんと支払ってくれるという信用がなせるワザです。この金持ちにお金を借りる人もいたでしょう。金持ちは硬貨の代わりに借用書を渡し、さらなる流通の一助になったことと思われます。

こうして生まれたのが紙幣です。近代の西欧で過渡期には、銀行(金貸し)ごとにこのような紙幣が発行されました。紙幣はただの紙ですので、紙幣そのものの価値は非常に小さなものです。が、硬貨と交換してくれる保証があれば、硬貨の代わりに紙幣を使うことの方が便利です。

一方で、紙幣を発行する機関は流通している紙幣の分の硬貨をある程度は保有していないと信用されませんし、そもそも、交換に応じてくれるという信用がないといけません。

紙幣が流通する黎明期(れいめいき)には硬貨(や金属)に交換してくれる保証が絶対的に必要なので、個人が紙幣を発行することは難しく、信用を得やすい政府が使い始めました。実際、世界初の紙幣は中国の宋の時代に発行されましたが、政権が信用を保つことができずに廃れてしまいました。次のモンゴル帝国が成立してから安定的に流通するようになったようです。

紙幣がある程度まで行き渡るとみんながその価値を共通認識として持つので、たとえ硬貨(や金属)に交換されなくなっても、紙幣が単独でその額面に書かれている数字の価値を持つようになります。これが現代の紙幣です。

一〇〇〇円と書かれた紙幣の素材や加工技術、芸術的観点での価値などは、ほとんど誰も気にしていません。なのに、日本国内では額面どおりの価値として流通しています。なぜなら、みんながその価値観を共有しているからです。

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