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レンジャーズ1年目から16勝とエース級の働きを見せたダルビッシュ有/日本人メジャーの軌跡

週刊ベースボールONLINE

今週からは現役メジャー・リーガーのハイライトとなったシーズンを紹介する。今回は2012年、現パドレスのダルビッシュ有のレンジャーズ1年目。日本ハムでの7年間で通算93勝38敗、防御率1.99という圧倒的な成績を収めた。最優秀防御率2度、最多奪三振3度。日本のプロ野球を代表する剛腕が25歳でアメリカに舞台を移した。当時のポスティングシステムは最高額を提示した球団が独占交渉権を得るもの。レンジャーズの落札額は約5170万ドル。松坂大輔の約5111万ドルを上回った。そして6年総額5600万ドル+出来高400万ドルの契約を結んだ。

デビュー戦は「アンバランスな状態」



レンジャーズ時代のダルビッシュ

 レンジャーズは2010、11年と2年連続でワールド・シリーズ進出も、世界一には届かず。球団初のワールド・シリーズ制覇を目指すための戦力としてダルビッシュを獲得したのだった。デビュー戦は4月9日、地元のテキサス州アーリントンでのマリナーズ戦だった。開幕4試合目。マリナーズにはイチローと川崎宗則がおり、日本のファンにはたまらないものとなった。

 ダルビッシュは1回に大きく荒れた。先頭打者に四球を与えたのをきっかけとして五番のカイル・シーガ―に中前2点適時打、七番のミゲル・オリボに右前適時打、八番の川崎に押し出しの四球で4点を失った。

 2回にも1点を許し、6回二死から四球とイチローの中前打で一、二塁となったところで降板した。ダルビッシュは試合後「すごく落ち着いていて、周りは見えていた。だが体が勝負にいきたくて、アンバランスな状態だった」と振り返ったものだ。

 結局5回2/3、8安打、5失点、5奪三振、5四死球。イチローに3安打、川崎には1安打、1打点と屈した。それだけに、マウンドを降りるとき地元ファンからの歓声に応えることなくダッグアウトへ引き揚げた。「こんな投球であれだけ称えてくれて、逆に申し訳ない」という気持ちだった。打線の援護で勝利投手になったが、個人的には次回以降は雪辱の気持ちで臨むのだった。

 その気持ちどおりに、2試合目からは好投。4月は5試合で無傷の4勝、防御率2.18でア・リーグの最優秀新人に選ばれた。それからも安定した投球を続けてオールスターに選出され、レギュラーシーズンを16勝9敗、防御率3.90、ア・リーグ5位の221奪三振をマークした。プレーオフでは一発勝負のワイルドカード・ゲームの先発に起用された。6回2/3を3失点(2自責点)で敗戦投手になり、レンジャーズの3年連続ワールド・シリーズ進出の夢は潰えた。しかしダルビッシュはチームのエースと認められた。新人王はエンゼルスのマイク・トラウトが満票で受賞し、ダルビッシュは投票で3位だった。  

『週刊ベースボール』2022年6月27日号(6月15日発売)より

文=樋口浩一 写真=Getty Images

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