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鬼束ちひろ「月光」歌詞の意味は?ミステリアスな世界観の名曲を探る

UtaTen

ドラマ「TRICK」主題歌としても人気の名曲


▲鬼束ちひろ – 『月光』【OfficialMusicVideo】

言わずと知れた鬼束ちひろの代表曲で、大人気ドラマ『TRICK』の主題歌としてファンを虜にしてきた2rdシングル『月光』。

ピアノの音色に乗せて歌われる歌詞は特徴的なフレーズが多く登場し、どこかミステリアスな雰囲気をまとっています。

実際にはどのような意味がある歌詞なのか詳しく考察してみましょう。



『月光』といえば「I am GOD’S CHILD (私は神の子供)」という崇高なフレーズが印象的ですよね。

主人公は自分が「この腐敗した世界に堕とされた」神の子供だと歌います。

これは実際に神の子供ということではなく、子供は神からの贈り物であり、生まれる前は神の元にいてそこから地上へやってきたという考えを示しているのでしょう。

しかし、そうして送り届けられた世界はひどく腐敗していて「How do I live on such a field?(こんな場所でどうやって生きろと言うの?)」と主人公は絶望します。

そして、こんな風に苦しい人生を送るために生まれてきたわけじゃないと嘆いています。

このサビは現代人が抱える生きづらさを巧みな表現で代弁してくれる歌詞です。



人生では、時に突風に晒されているかのような荒々しく息もつけないほどの出来事に巻き込まれることがあります。

「突風に埋もれる足取り」というフレーズは、その出来事が主人公に重くのしかかって絶望のどん底で身動きが取れないことを感じさせますね。

いっそ倒れ込んでしまえたら楽なのにと考えますが、主人公を縛りつける「鎖」は諦めることすら許してくれません。

この「鎖」が何を表すのかは不明ですが、誰もが少なからず世界の仕組みから生じるしがらみに縛られているのではないでしょうか。

逃げ出すこともできない状況に心を弱らせていきます。

貴方に存在理由を示してほしい





主人公は誰かに「心を開け渡したまま」だと明かしています。

続く部分に「貴方の感覚だけが散らばって」とあるため、その相手が「貴方」と呼ばれる人物であることが読み取れるでしょう。

開け渡すという言葉は正しくは「明け渡す」と書き、自身の所有物を他者に譲り管理を放棄することを意味します。

つまり、心を明け渡すとは、自分の心を丸ごと人に委ねてしまうということ。

主人公は「貴方」を余程信頼しているようなので、サビの歌詞からこれは神のことを指していると考察できます。

「貴方の感覚だけが散らばって」というフレーズからは、相手の存在自体はなく記憶だけが残っているような寂しい雰囲気が漂ってきます。

突風のように襲いかかる数々の出来事を経験し、信頼していた神から見捨てられたように感じたのかもしれません。

そのために、心が追いつかず整理がつかない状態であることが「私はまだ上手に片付けられずに」の言葉に示されているように感じます。



前半で語りかけている相手は「貴方」でしょう。

そして「「理由」をもっと喋り続けて 私が眠れるまで」と求めています。

裏を返せば、話してくれれば納得できて眠れるようになるということと考えられるので、この「理由」とは自分が生きる理由やこの世界に送り出された理由のことと解釈できそうです。

しかし、存在理由を示してほしいと願うのに、主人公の周囲は誰の声も聞こえない孤独な状態なのでしょう。

後半の部分を見ると、気持ちを落ち着かせるために精神安定剤や睡眠薬などを使ってみても、あまりにも状況が悪いせいで心が掻き乱され一向に効かないようです。

「一体何を信じれば?」の問いは、信じられるものがひとつもないという現実と信じられる存在がほしいという想いの両方を示しています。

タイトル「月光」が示す意味とは





2番のサビに出てくる「哀しい音」は哀しみが近づく足音のようなイメージかもしれません。

「背中に爪跡を付けて」という表現から、背後から忍び寄って主人公を傷つけている様子が想像できますね。

または、哀しみから自分を守ろうとして強く自身を抱き締めたために背中に傷がついたとも考えられるでしょう。

「I can’t hang out this world(この世界を掲げることなどできない)」のフレーズは、このつらい世界で生きることに喜びを感じられないという気持ちが込められていると思われます。

こんな思いでいる限り「どこにも居場所なんて無い」ことも分かっています。

それと同時に、居場所がないと感じているからこそ自分の存在を肯定したくて「I am GOD’S CHILD」と繰り返しているのではないでしょうか。



力なく体を委ねた「不愉快に冷たい壁」だけが、自分の弱さを見せられるもの。

願うのは見限られて死を待つことではなく、神の手でこの静かすぎる冷たい世界から救い出されることです。

よく時間が傷を癒やすと言いますが、ここでは反対に時間が経てば経つほど「痛みを加速させて行く」と歌われています。

確かに体の傷は時間が経てば治りますが、心の傷は痛みが麻痺することはあっても治ることは望めません。

いつまでもこのつらい世界で生きている限り、神から見放されていると感じて苦しみ続けることになるから、少しでも早く救い出してほしいと願っていることが伝わってきます。

ちなみに歌詞には月に繋がる描写はないのに、なぜ「月光」というタイトルなのでしょうか?

これは月が太陽の光によって輝くように、自分の存在は神がいてこそのものだということを示していると考察しました。

暗闇のような世界で明るく輝くために存在理由を知りたいと願う気持ちが表れた楽曲です。

鬼束ちひろの切ない世界観に引き込まれる


鬼束ちひろの『月光』は自分に自信のない気持ちを注ぎ出した作品です。

切なくも力強い音楽と圧倒的な歌唱力により、言葉選びの巧みな歌詞の美しさが胸に迫ります。

孤独や絶望感を抱える心をそっとほぐしてくれるような名曲をじっくり味わってくださいね。

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