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【コラム】自分で考える、自分で決める、自分で作る 弁当作りに詰まったSTEAM教育

OVO

 

 弁当作りを通じて子どもたちを育てる取り組み「子どもが作る弁当の日」にかかわる大人たちが、自炊や子育てを取り巻く状況を見つめる連載コラム。食育の効果について研究する東京農業大学の上岡美保(かみおか・みほ)教授が、STEAM教育の視点から「子どもが作る弁当の日」を考察した——。

課題解決力を養うSTEAM教育と弁当作り

 今わが国では、子どもたちの教育として、STEAM教育の強化が求められています。
 STEAM教育とは、「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」 「芸術・教養(Art)」「数学(Mathematics )」の頭文字。 「A」は芸術のみならず、文化、生活、経済、法律、政治、倫理などを含めた広い意味で捉えられています。こうしたさまざまな学習を通して、課題解決力を養うことも期待されています。

 でも、STEAMは何も特別な教育ではありません。初歩の学びは、実はお弁当作りの中にもあるのです。

「お弁当に何を入れようか?」

 子どもが自分でお弁当を作ろうとするとき、まず考えるのは、お弁当の中身。

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 単に入れたい料理を考えるだけでなく、完成のイメージをビジュアル的に考えたり、栄養バランスを考えたり。栄養学的視点や芸術的視点から脳が駆り立てられます。
 さらに、いつどのように食べるのかとお弁当を食べるシーンや仲間を想像して、心はドキドキやワクワクが感じられることでしょう。

 メニューが決まれば、
 「どんな食材や調味料を使えばいい? 家にあるものとないものは? 作り方は? 分量は?」
 それを知るためには、お母さんなどの家族に尋ねたり、自分で本やインターネットで調べたりという作業をしなければなりません。
 これらを実現するためには、コミュニケーション力や物事を調べる探究力などを駆使して、その課題に挑む必要があります。子どもは大いに脳を働かせて、考え、悩み、模索することでしょう。

「野菜や果物、肉や魚はどこに売っているのだろう?」

 次に必要なことは、食材調達とそのためのお店選びです。つまり、自分の住んでいる街や地域の探索です。

 普段何気なく家族の買い物に付き合ってはいるかもしれませんが、いざ自分が責任を持って買い物をするとなると、どこにどんな店があるか、自宅から近いところはどこかなど、地理学的な視点でも考えなければなりません。

 近くに商店街があって、八百屋や肉屋、魚屋などの専門店があるかもしれません。専門店とスーパーマーケットでは何が違うのでしょうか。あるいは地域によっては、商店街がシャッター街になってしまっているかもしれません。どうして店がなくなってしまったのかなど、流通の構造や地域の課題に触れることもあるでしょう。

 また、当然ですが、買い物はいくらでもお金を使っていいわけではありません。お弁当の材料を購入するのに、家族から必要なだけお金をもらって買いに行く。つまり、予算内でものの値段を見ながら、必要なものをうまく購入しないといけません。欲しいものを全て買うことはできないのです。これは経済学の視点です。

「材料をどうやって選ぶ?」

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