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SNSの男と会いに東京へ向かおうとするが…「足が震える」

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、檀田加理氏の小説『Wish You Were Here』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

【前回の記事を読む】「私は本当に実現可能な方を選ばないといけないのだろうか?」

Wish You Were Here

はす向かいの男の話題は、宿泊する部屋のアップグレードをいかに安く頼むかということに移っている。

そういえば以前、泊まった旅館のスタッフに冗談で部屋の文句を言ったら、平謝りで部屋をアップグレードしてくれた、と男が武勇伝を話していた。あれも奥さんとだったのか。

男が携帯電話を耳に当てながら、女の方に歩いてきた。そして、女の隣の席に座り、耳と肩に携帯電話を挟んで、女のデスクからボールペンとメモ用紙を探り出した。相変わらず電話の相手には相槌を打ちながら、女にメモを差し出した。

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男は急に高い声で笑いながら、「いい遊びだよ」と言った。女はぎょっとして男の顔を見た。

ああ、電話の方か。

差し出されたメモには「今日OK?」と書いてあった。男は笑って咳き込みながら言った。

「ほんと都合よかったよ、こっちは安上がりで助かったけど」。

女はもう一度男の顔を見た。男は「XXホテル」と書き足した。男は、

「そんなに何度も行けるかよ」

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