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新型コロナの影響をもろに受けた山口俊。十分に力を発揮できないままに帰国/日本人メジャーの軌跡

週刊ベースボールONLINE

山口俊は2019年にセ・リーグの最多勝と最多奪三振。そのオフ、巨人の選手としては初めてポスティングシステムでメジャーに移った。移籍先はカナダのトロントを本拠地とするブルージェイズ。2年総額635万ドルで契約し「チームに貢献したい。ローテーションの座を勝ち取りたい」と抱負を口にしていた。意気込みは十分だったが、スプリングトレーニングでは4試合(うち先発2試合)に登板して0勝1敗、防御率9.00。新型コロナウイルスの感染拡大のためMLBは中断となり、メジャーに適応する時間が足りなかった。

開幕が7月末に



ブルージェイズ時代の山口

 いつ始まるのか不透明な時間を過ごし、サマーキャンプとしてチームの活動が再開されたのは7月7日。先発ローテーション入りはならず、リリーフとして同月24日の開幕を迎えた。メジャー・デビューは3試合目、26日のレイズ戦だった。5対4とリードした延長10回裏に八番手として登板。この年からタイブレークが導入され、メジャー初登板でいきなり無死二塁からの登板。ホセ・マルティネスに四球を与え、ケビン・キーアマイアーに右翼線二塁打を許し、逆転サヨナラ負けを喫した。

 2試合目は29日のナショナルズ戦。0対0の9回に登場して2安打、2四球で4点を失い、2試合連続で敗戦投手になった。7月は2試合で0勝2敗、防御率36.00。しかし徐々に修正し8月は6試合で1勝0敗、防御率1.54と見違えるような数字を収めた。与四球が7月の1回で3個から11回2/3で5個と激減した。このまま首脳陣にアピールしたいところだったが、9月15日のヤンキース戦で7失点、25日と27日のオリオールズ戦で4失点、3失点と炎上し1勝2敗、防御率11.70。与四球は13回で9個だった。最終的に2020年は17試合で2勝4敗0セーブ、防御率8.06。プレーオフではロースターに入れなかった。

 雪辱を期して2年目に臨んだが、2月のキャンプイン直前に戦力外。FAとなり、ジャイアンツに入団した。スプリングトレーニングでは救援のみで4試合に登板し6回投げて1失点と安定感を示した。だがメジャー入りできず、3Aで開幕を迎えた。そのまま昇格することなく6月には退団を決意。巨人に復帰した。

「たら、れば」の話になるが、もし新型コロナ禍がなくブルージェイズで腰を据えることができたら、メジャーに適応できたのかもしれない。20年のブルージェイズは、アメリカとカナダの国境をまたいで公式戦を開催することができず、カナダでは1試合も行えなかった。つまり、山口は地元トロントのファンの目の前でプレーすることができなかったのだ。寂しいことだった。

『週刊ベースボール』2022年6月20日号(6月8日発売)より

文=樋口浩一 写真=Getty Images

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