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中村倫也&吉岡里帆&向井 理が舞台挨拶に登場! ゲキ×シネ『狐晴明九尾狩』いよいよ全国公開スタート

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ーー具体的にどんなところでそう感じましたか?

中村:「人も妖かしも共にいてこその都だ」みたいな台詞があるんですけど、そういうノリとか。節々に。あ、端々か。節々だと痛いですからね(笑)。

ーー新感線は5年ぶりのご出演ですが、やはり懐かしい場所ですか?

中村:新感線って、劇団員の方々が客演を迎え入れるのに本当に慣れている人たちなんです。稽古初日に「スタッフさんの名前がわからない人いたら、コソッと聞きに来てね」と粟根(まこと)さんが言ってくださったり。劇団員の中でも持ち回りみたいなものがなんとなく出来上がってきていて、全体を見る人と、裏で支える人と、とにかくふざける人と(笑)。頼もしい先輩たちです。場を与えられて「ふざけて」と言われたら誰よりも面白いし、なんですかねあれは。妙に安心感と信頼感があって、全力で甘えられる人たちって感じでしたね。

中村倫也


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ーー吉岡さんは新感線初参加となりました。

吉岡:私は全てが初めてだったんですけれども、劇団員のみなさまもすぐに仲間に入れてくださって、稽古も本当に楽しかったです。本番を迎えてからは新感線をずっと追いかけてこられたファンのみなさんの反応や温かさみたいなものを劇場で感じて、参加できて本当に光栄な仕事だったなと思いました。ただ、本当に節々がずっと痛かったです(笑)。それが心に残ってます(笑)。やはり新感線はすごくパワフルですね!

ーー狐の耳とモフモフの白い尻尾、そしてブーツ。そんな役の姿を彷彿とさせるような今日のお衣裳ですね。

吉岡:そうなんですよ。想像していた狐とちょっと違いました。尻尾と耳がめっちゃ大きいので観ていただきたいんですけど、その重さに殺陣の動きがついていかないときがあって。稽古のときは軽い発泡スチロールみたいな尻尾をつけてやっていたので、本番用のものをつけた瞬間に急に難易度が上がるという。励まされながら頑張っていました。

吉岡里帆


ーー衣裳といえば、向井 理さんが今回一番難易度の高い衣裳でしたね。

向井:とにかく重かったです。途中で変えてもらったんですけど、あまりにも重くて。ちょっと立っているだけで疲れてくるような重量。2幕の最後(の衣裳)が一番重いです。あれは変えてくれなかったんです(笑)。

ーーなかなか大変なことをされていた期間だったと思いますが、思い出はありますか?

向井:僕も新感線は2回目だったのですが、新感線の中でもはじめましての劇団員の方もいたのですごく楽しかったです。チームとして成熟しているんですよね。(高田)聖子さんも言ってましたけど、「私たちはスパイスだから。スパイスだけじゃなにもできないから」って(笑)。僕らのような客演をアレンジしてくれる存在だったので、本当に一生懸命やっているだけでその色に染まっていくような劇団だなと思います。

向井 理


ーー中村さんから見た吉岡さんについて教えてください。

中村:すごかったですよ。新感線の客演の女性キャラに求められる要素って、まあ大変なんですよ。コミカルも愛嬌もひたむきさもそうだし、それらをやるにはめちゃくちゃ体力を使う。芝居も、特に今回は殺陣の達人の(早乙女)友貴とコンビで立ち回りも多かったので、一緒にやるとなると物理的な体力も使うし。新感線は毎回、相当大変なことを客演の女優さんに求めているなあって。まあ、みんな知ってることなんですけど(笑)。(吉岡)里帆ちゃんはあまり人に弱いところを見せない人なので、「大丈夫です!」と言って大丈夫じゃない状態になっていくみたいな(笑)。でも、あんなに一生懸命やれる人がまず少ないだろうなあと思ったし、本当に立派な女優さんだなあって。

吉岡:ありがたきお言葉です。

中村:恥ずかしいな(笑)。でも、本当すごいなって思いましたよ。

ーー思い出に残っているシーンはありますか?

中村:やっぱりやることが多いので、ちょいちょい頭や体が追いついていかない状態の里帆ちゃんを、稽古中も本番中も何回か観ましたね(笑)。その抜け殻みたいな状態が、僕は見ていて楽しくて好きだったんですけど(笑)。

吉岡:燃え尽き過ぎて灰みたいになっている日が何日かあったんです。やることが本当に多いんですよ。いのうえさんって、人間離れしたことを人間ができると信じている演出というか(笑)。「できるよね!? 君たち役者なんだからできるよ!」みたいな感じなので、やるしかないっていう(笑)。

吉岡里帆


ーー続いては吉岡さんに、向井さんについて聞いてみたいと思います。

吉岡:向井さんとは映像の仕事でいくつかご一緒しているんですけど、舞台でしっかりお芝居というのは初めて。最初にお会いしたドラマでは向井さんが悪役で、私はいじめられるみたいな役だったんですけど、脚本のかずきさんが「そのドラマのインスピレーションもちょっと受けているんだよね〜」とおっしゃっていて。そういうご縁も汲み取ってくださっているんだというのも嬉しくて。何年ぶりかにお会いした向井さんは変わらないです。まず、等身がすごい! 毎回新鮮な気持ちで感動しますもん!

中村:何かやってるの? 力持ちに顔をギューってされるとか。

向井:だって子どもの頃からだから……。

中村:子どもの頃からこの等身!?

向井:そうじゃないけど。自分は変わってないから、全然何とも思ったことない。

中村:『キャプテン翼』の世界だよ、等身のバランス。

向井 理


吉岡:向井さんが役のお衣裳を着られると、本当に美しくて。白と銀が合わさったお着物がもう映える映える。神々しいというか、悪役だけれど美しくて憎めない。着物を着たお二人が戦っているシーンを見て、素晴らしいなって。舞台でしか感じられない凄みみたいなものもたくさん感じられました。向井さんって今回強烈な役なんですけど、めっちゃリラックスがすごいですよね。

中村:今日もサンダルですし。バケーションですからねこの格好。

吉岡:そう、存在がチルなんです。

向井:褒めてるのかなそれは(笑)。

吉岡:褒めてます! 朝も劇場で殺陣の練習とかするんですけど、向井さんだけ森みたいなものを纏って入ってこられるんです。

向井:アイスコーヒーとヨガマットを持って行ったやつね。

吉岡:私は目をキッとさせて血走らせて「やんなきゃ!」と思っていたので、その存在にすごく救われるというか、ありがたいマイナスイオンをいただいていました。

(左から)吉岡里帆、中村倫也、向井 理


ーー賀茂利風とタオフーリンの関係について触れるシーンがありますが、そこは楽しまれていましたか?

向井:僕の役はそんなに笑いを取るタイプではなかったので、唯一そこを面白がってもらっていたところがあって。友貴と僕の二人のスナックのシーンなんですけど、まあちょっとふざけてますね(笑)。結局、大阪公演の最後の方は尺が倍くらいになっていて。誰もウケないのに伸ばすんですよ。友貴がすごく困ってて(笑)。奥さんにも「あなた大丈夫? 全然笑ってないけど大丈夫?」って言われてるくらい(笑)。今回はまだマシなバージョンを観てもらえるかと。

中村:ゲキ×シネで観てもらうのは前半の東京公演の映像。新感線って公演期間が長くなればなる程、いのうえさん自身が飽きて別のネタを仕込んで、それによって全然ウケないという状況が起きやすいんです(笑)。

吉岡:聖子さんと楽屋が一緒だったんですけど、楽屋のモニターに本番の映像が流れているんです。聖子さんが友貴くんのどんどん増えるネタを観ながら「ほんまにかわいそうやわ」って(笑)。 

中村:「誰も笑っていないことが面白い」みたいなゾーンを持っている、ちょっと変わった劇団だから。

向井:河野(まさと)さんとか、笑いが起きるとやらないからね。

中村:そうそう。1回やって笑いが起こったことはもうやらない。ちょっとおかしな人たちなんですよ(笑)。

ーーそれでは向井さんに、中村さんがどうだったかお聞きしたいと思います。

向井:新感線というひとつのジャンルがあるくらいはっきり色付けされている劇団ですし、そこで頭でやるというのはプレッシャーももちろんあったと思います。けど、それよりも感慨深いものがあるんじゃないかな。肩肘張ってというよりは、とにかく楽しんでやる姿勢の方が僕は見ていて感じました。入ってくる客演の人たちからしてもすごくやりやすかったんじゃないかなあ。

(左から)吉岡里帆、中村倫也、向井 理


ーー安倍晴明と賀茂利風は特別な関係でしたけれど、これまでにお二人の共演は?

中村:僕が18か19の頃で、あのときは向井 理という名前が出る前だったね。

向井:映画で一緒でした。お互い坊主の特攻兵の役で。

ーーお互いの印象は変わりました?

向井:いやあ、変わらないですね。

中村:(笑)。僕も変わらないな。

向井:そのとき多分、彼が現場で最年少だったんですよ。だからみんなに甘えてきたり、逆にこっちからいじったり。それはあまり変わっていないし、そのときからやっぱり生意気でした(笑)。

中村:当時、おさむっち(向井)の家にみんなで遊びに行って。生田の。

向井:引っ越したからいいけどさ、何で言うの(笑)。

中村:あの向井 理が、生田のロフト付き6畳みたいなところでみんなでゲームやって。

向井:学生時代から住んでいたので。大学が生田だったからそのまま住んでいました。

(左から)中村倫也、向井 理


ーーこれからゲキ×シネをご覧になる方に、見どころとともにご挨拶をお願いします。

向井:安倍晴明は知名度もあるキャラクターですけども、「こういう人生だったのかもしれないな」と思いながら観てもらえれば、より深くハマると思います。僕が演じた役は最初から不穏な感じで始まって、僕の中では段々変化していく流れが一番気を使ったところ。声色だったりテンポだったりを稽古場で調整して本番を迎えました。舞台で観るよりも細かいところがわかると思うので、声や表情の細かい微妙なところをご覧になっていただけると「あ、こういう意味があったのか」と改めて感じてもらえると思います。映像ならではの楽しみ方ができる作品になっていると思いますので、最後まで楽しんでください。

吉岡:やはり安倍晴明と賀茂利風の深い絆、見どころはそこに限ります。「尊い」という言葉がありますけれど、二人の絆を最後に感じたときに、ここは使い所だなと思いました。タオフーリンという役から見て「すごいなあ、尊いなあ」と思ったので、そこをじんわりと感じていただきたいなと思います。私が出ているシーンに関しては、笑いの間をめちゃめちゃ頑張って稽古しているので、ほんのちょっとでも笑っていただけたらとっても幸せです(笑)。今日はありがとうございました!

中村:ゲキ×シネって「演劇」と「シネマ」をあわせた造語になっていると思うんですけど、映画館で演劇を観るということに特化して作ったものなので、舞台を観られなかった人もこのゲキ×シネを観れば、同じ様に、もしかしたらより細かいところまで楽しめると思います。観て損はない作品になっているかなと思いますので、楽しんでいただきたいです。見どころは一生懸命頑張る狐さんと、「私も魂吸い取られたい!」という人が続出するであろうおさむっち。多分、女子は「ねえ、私もひどいこと言われたい! あのセクシーボイスでなぶって!」って。

向井:それもういいよ。

中村:もういいか(笑)。あと何といってもニーニー(竜星 涼)の肩の筋肉も見どころだと思います。歌うニーニーが見れますから。歌うニーニー、踊るニーニー、叫ぶニーニー。最後は何のニーニー?

吉岡:笑うニーニー。

中村:(笑)。はい、どうでもいい話は終わります!(笑)楽しんでください!

衛星中継用のカメラに向かって手を振る3人


舞台挨拶終了後、いよいよゲキ×シネ『狐晴明九尾狩』が上映された。新感線節が炸裂する、あっという間の159分(別途幕間休憩あり)だった。

巨大スクリーンに映し出されるダイナミックな映像はもちろん、活き活きとした役者陣の台詞・ドラマチックな劇中音楽・殺陣のシーンを代表する独特な効果音が直接脳内に響き渡り、一気に新感線の世界へと没入していく。

物語の舞台は平安時代の中頃の宮廷。まず目を引くのは、細部までこだわりを感じるきらびやかな宮廷の人々の衣裳だ。豪華絢爛な着物の柄や装飾品を自身の目でじっくりと観察できるのは、ゲキ×シネならではの楽しみ。華やかな世界とは対照的な、個性とクセが強烈な妖かしたちの扮装姿も実に興味深い。

役者陣の繊細な芝居にも注目だ。中村倫也演じる安倍晴明の鋭い眼光やさり気ない視線から感じ取れるものは多い。また、時と共に変化していく賀茂利風役の向井 理の表情や声色、雰囲気の違いも注意深く味わってほしい。一度舞台を観るだけではなかなか気付けないような繊細な芝居を堪能できるのも、ゲキ×シネの醍醐味のひとつだろう。

新感線といえば、殺陣は外せない。メインキャスト陣がそれぞれ奮闘するアクションシーンは見応えたっぷりだ。1幕では戦闘シーンが少ない安倍晴明だが、2幕では鮮やかな剣捌きで魅せてくれる。日本一とも称される早乙女友貴の殺陣は流石の一言。彼の人間業とは思えないキレのある戦闘シーンは、瞬きする余裕も与えてくれない。殺陣指導・アクション監督も務める川原正嗣の鮮やかな殺陣も健在だ。

いのうえ歌舞伎ならではの重厚さもありつつ、笑いあり涙あり、ミュージカルシーンありの極上のエンターテインメント。これぞ“フルスペック”新感線と呼ぶにふさわしい作品に仕上がっていた。

エンドロール後はカーテンコールの映像もあるので、どうか最後まで席を立たずに見届けてほしい。そして最後には、映画館といえども客席から大きな拍手がスクリーンに向かって送られていた。この瞬間もまた、ゲキ×シネならではの体験である。

本作は、全国の映画館で2022年6月24日(金)から3週間限定で公開される(一部の映画館では上演期間が異なる)。劇場で舞台を観た方も、劇場へ足を運ぶことができなかった方も、ゲキ×シネならではの新感覚エンターテインメントを体感できるまたとない機会を、どうぞお見逃しなく。

(左から)吉岡里帆、中村倫也、向井 理


取材・文・写真=松村 蘭(らんねえ)

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