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知念vs沖縄カトリック

高校野球ドットコム

知念が苦しみながらも久々の勝利

<第104回全国高校野球選手権沖縄大会:知念7-4沖縄カトリック>◇23日◇1回戦◇コザしんきんスタジアム

 昨年秋は日本ウェルネス沖縄に0-10、今年の春も宮古に1-11と、ともにコールド負けを喫していた知念。その泥沼から抜け出すためにも、最後の夏の初戦にかける意気込みは、大声で仲間を励ますナイン一人一人から十分感じられた。その思いが強過ぎて大振りしてしまう場面も多々あったものの、勝ったことが何よりの良薬であった。

前半で4-0と流れをつかんだ知念

 初回無得点ながら得点圏に走者を進めていた知念は2回裏、下位打線の活躍で先制する。直前の2回表、沖縄カトリック4番・楊明勲(ヤン・ミンシュン)が放つ強烈な当たりを、ダイビングキャッチして一塁送球アウトにした知念の長田 証遊撃手。自らの攻守で意気高揚する男が、しぶとく三遊間を破るチーム初ヒットで出塁する。犠打で進めると7番・渡嘉敷 洸弥が内野安打で続く。ここで8番・下地 航平が右翼線を襲う2点適時二塁打。一塁から一気に本塁を陥れた積極的な走塁も見事だった。

 知念は3回裏にも、2死二塁から6番・仲宗根 光汰が左翼線を襲う適時二塁打で1点。さらに続く渡嘉敷 洸弥が右翼への三塁打で早くも4-0とした。投げては先発の仲宗根 光汰が5回をノーヒットピッチング。しかし、5回表に自ら与えた死球に味方の悪送球と自らのフィルダースチョイスで1点を献上してしまっていた。このまま知念ペースでいくかと思いきや、流れは一気に沖縄カトリックへと傾いていく。

 6回表、1死から2番・豊川 優弥が右前安打で出塁。2死となったがそれならばと盗塁を決めて得点圏へ進める。4番・楊明勲も左前へ安打を放ち一、三塁として、5番・三浦 拓翔が三塁手の頭を僅かに越えるラッキーな適時打で沖縄カトリックが1点を返した。さらに6番・新垣 元輝も右前へ運び三浦が生還。僅か1点差へと詰め寄った。

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 知念は7回から背番号11の喜友名 将慶が登板。1本のヒットを許したが無失点に抑えた。8回には背番号10の新垣 壱成をマウンドへと送るが、前打席で適時打を放っている新垣 元輝が打席へ向かう。途中なにかしらアクシデントがあり、新垣 元輝が一旦ベンチへ下がる。熱中症対策もあり、審判団は守りについていた知念野手陣もベンチへ下がるよう指示。2分が経っただろうか。新垣 元輝の治療が終わり打席へと向かうと、知念野手陣も慌ただしくグラウンドへ向かうことに。この嫌な間が、知念の不運へ繋がる。新垣 元輝の打球は、センターの頭上を襲う大きな三塁打で遂に同点に追い付いた。流れは完全に沖縄カトリックだったが、満身創痍だった新垣 元輝は三塁へ滑り込むや否や身体が悲鳴を上げドクターストップ。5回から2番手でマウンドへ上り、クロスステップから130キロ近い速球を投げる江田 和隠がそのまま投げていれば面白い展開だったが、江田の女房役である新垣 元輝がリタイヤした以上、初回のように楊をマウンドへ送り江田をショートへ、豊川 優弥を再びキャッチャーへと戻さねばならない状況となった沖縄カトリックの粘りもここまでだった。

 8回裏、1度は攻略した相手投手を前にリラックスして打席に入る知念ナイン。9番・栄野川 晴斗がバントヒットで出塁すると2番・糸数 理成が相手を突き放す適時三塁打。たまらず遊撃手の江田 和隠をマウンドへと向かわせた沖縄カトリックベンチだったが、慌てた場面で投球練習を開始した江田はすぐ足が攣ってしまう。ルール上1人には投げないといけないが投げられないため、申告敬遠をしてのち一塁手の安村 遥真をマウンドへ。ここで4番・大城 盛磨がスクイズを成功させて三走が生還。マウンド慣れしていない安村が一塁へ転送する間に、二塁走者が一気に本塁を陥れる見事なツーランスクイズ。「もちろん練習はやっていました。本番では突っ込むかどうかは全て選手に任せてある。それができたのも嬉しい」と試合後の照屋監督。この回3点を奪った知念が勝利を収めた。

 敗れた沖縄カトリックだが、攻守において全力疾走が目に焼き付いた。マウンドへ向かう際も、捕手は全力で駆けつけ、全力でホームへ戻る。チームで徹底されていたのだろうが、暑い夏でやり切るのは大変。それを承知でやり切ったからこそ、終盤に追い付く流れを持ってこられたのだろう。見ていて実に清々しく、高校野球のお手本のようなチームであった。

(文=當山 雅通)

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