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訴えると言ったら返り討ちに。世界8つの驚くべき事例

カラパイア


 訴訟社会であるアメリカでは、日本の常識では考えられないような巨額の賠償金を被害者が手にすることもある。だが、いつもそう上手くいくとは限らない。

 あまりにも権利意識が肥大化してしまうと、相手を訴えたことがかえって逆効果となる場合もあるし、企業イメージを損ねてしまうこともある。

 ここでは、驚きの顛末となった世界各国の8つの事例を見ていこう。

10. ジョージ・ルーカスの弁護士が雑誌社を訴え

 インターネット全盛の今、あらゆる著作権侵害を許すまじと世界中の弁護士が奮闘しているが、少し様子が違った。

 ネットがない状況では、スター・ウォーズのパロディ作品を作って発表するのにも大変が手間がかかるのだ。だが1980年代、アメリカの風刺雑誌「MAD」はそれをやっていた。

 『The Empire Strikes Back(帝国の逆襲)』のパロディ版『The Empire Strikes Out』を堂々と掲載していたのだ。

 これを知ったジョージ・ルーカスの弁護士は、直ちに掲載をやめ、すでに出版された分は回収するよう停止命令書を送った。

 ここで注意して欲しいのは、ジョージ・ルーカス本人ではなく、あくまでも顧問弁護士が個人的判断で行ったという点だ。

 今ほどでないにせよ、当時とてこのような通知はかなり恐ろしい代物だったはずだ。だが、MADの編集者は失笑した。

 弁護士が停止命令書を送る前、なんとルーカス本人がパロディを気に入り、これを賞賛する手紙を編集部に送っていたからだ。

 原画の一部が欲しいとリクエストすらしていたという。MAD側はルーカスの手紙のコピー付きで反論を行った。その後、弁護士から音沙汰はなかったという。

9. ディズニーが託児所を相手に提訴

 現在スター・ウォーズの権利はディズニーが所有しているが、そのディズニーがフロリダの託児所を提訴したことがある。

 1989年、ディズニーは壁に同社のキャラクターが堂々と描かれているとして、託児所3施設を提訴した。

 子供とて対価を支払うことなしにディズニーの著作物を楽しんではいけないという、同社のスタンスは明白だった。

 だが、建前としては、壁のイラストによってディズニーが託児所のスポンサーであると誤解を招かないようにするためというのが同社の主張だ。

 結局、託児所は訴訟を避けるため壁の絵を消さざるをえなかった。

photo by Pixabay

 だが、これがライバル社にとってのチャンスとなった。

 ディズニーのキャラの代わりに、ウッドペッカーやフリントストーンといったユニバーサルのキャラや、トムとジェリーなどハンナ・バーベラのキャラが描かれることになったからだ。

7. マイクロソフト社がマイク・ロウ君を訴えると主張

 マイクロソフト社に訴えられそうになったのは、カナダ在住のマイク・ロウ君(当時17歳)だ。

 トラブルに巻き込まれた原因は、「MikeRoweSoft.com(マイクロウソフト.com)」というサイトを登録していたことだ。

 悪意はなく、ウケ狙いのちょっとした冗談のようなものだった。だがマイクロソフトはちっともウケず、2004年にドメインを10ドルで譲らねば訴えると主張した。マイクロソフトほどの世界的大企業が、たった1000円程度の取引を持ちかけたのだ。

 ロウ君は、グラフィック・デザインのビジネスを起業しており、自身のサイト制作に長時間費やしたのだから1万ドル(約100万~110万円)で手を打とうと返答。

 これに対し、マイクロソフト側は25ページに及ぶ書簡を送りつけ、ドメインの不法占拠罪などをチラつかせた。

 この騒動はマスコミにも取り上げられ、マイクロソフトは完全にピエロになった。

 同社は、ロウ君が報酬目当てに事態の引き伸ばしを図っていると非難したが、結局「深刻に受け止めすぎた」と発言を撤回。

 最終的にロウ君はドメインを手放すことを承諾した。その引き換えに手に入れたのは10ドルでも1万ドルでもないゲーム機の「Xbox」だ。

photo by Pixabay

5. 音楽の著作権管理団体がガールスカウトを訴えると主張

 ガールスカウトに入ったアウトドア好きの女の子は、ハイキングやらキャンプやらで忙しい。そんな活動のお供といえば何だろう? おやつにテントに、もちろんキャンプソングだ。が、そのせいで危うく訴訟に巻き込まれるそうになった子たちもいた。

 1990年代、アメリカの音楽著作権管理団体ASCAPは、キャンプソングにいちゃもんをつけた。同団体は、楽曲を公共の場で演奏するライセンスを与えることで、歌手や音楽家の権利を守る”非営利団体”だ。すなわち、ラジオ局が曲を流せば、その作曲者の懐にお金が入るよう確保することが仕事だ。

 1995年、同団体は全米キャンプ協会に対して、キャンプで演奏される音楽は公の場での演奏に当たるとして、使用料を請求すると通知した。

 これにはキャンプファイアの歌も対象とされているらしかった。キャンプ協会は会員に対し、250ドルを支払わねば罰金を課せられる恐れがあると連絡。件のガールスカウトもその会員だった。

 この事実はあっという間に世間に知れ渡り、ASCAPに罵詈雑言の嵐が投げかけられた。すぐさま同団体はガールスカウトを脅したことはないと言い訳をしたが、半分は本当で半分は嘘だ。結局、ASCAPは譲歩し、キャンプソングはタダで歌えることになった。

photo by iStock

4. 音楽フェスが批評家を訴えると主張

 2017年に開催された「ファイア・フェスティバル」は、詐欺的なマーケティングが行われたことで知られる音楽フェスだ。

 参加者はリゾート島での豪華ホテルとグルメを期待して高額なチケットを購入(最高額はなんと2750万円)。

 だが実際に待っていたのは被災者支援用テントと不味いご飯。肝心の音楽フェスすら開催されることなく、水も電気もない島に取り残される羽目となった。

 あまりの杜撰さに主催者のビリー・マクファーランドは訴えられ、6年の懲役と2600万ドル(約28億円)の賠償を命じられた。

 だが訴訟が行われていた当時、マクファーランドと共同主催者でラッパーのジャ・ルールは、批評家がSNSで不安を煽りフェスを台無しにしたとして、彼らに訴訟をちらつかせていたのだ。

 マクファーランドが懲役刑を食らったことからも、逆ギレは上手くいかなかったことが分かるだろう。

3. ハロッズ百貨店が海外のレストランを訴えると主張

 ニュージーランドにオトロハンガという町があるが、ほとんどの人は知らないだろう。だが、イリギスの老舗高級百貨店ハロッズに所属する弁護士にとっては有名な町だ。彼らは1986年にこの町を訴えたことで、苦い思いをする羽目になった。

 人口3000人程度の田舎であるオトロハンガには、かつてヘンリー・ハロッド氏が経営するハロッズ・レストランというお店があった。

 もちろん店名は自分の名前からとったものだ。そこに世界的に有名なハロッズがケチをつけた。田舎町で慎ましく商売をするレストランに対して、店名を変えなければ訴えると主張したのだ。

 田舎とはいえ、住人は気骨ある人々だった。彼らは唯々諾々と従うことを拒否し、なんと町の名前をハロッズビルに改名。さらに町内にあるほとんどのお店までハロッズに変えて抵抗した。

 その結果、全世界のマスコミから注目が集まり、ハロッズは訴えを取り下げた。

photo by Pixabay

2. FOXニュースがザ・シンプソンズを訴えると主張

 『ザ・シンプソンズ』は、1989年から30年以上続く長寿アニメシリーズだ。放送開始以来、ずっとFOXテレビで放送されてきたが、原案のマット・グレイニングによれば2003年に訴えられそうになったことがあるという。

  あるエピソードで冗談のニューステロップを入れたことが原因らしいのだが、それによって被害を受けたと言い出したのが同じグループ傘下のFOXニュースだ。

 ニューステロップは、例えば「民主党はガンを引き起こす?」(FOXは民主党に批判的なことで有名)といった、煽り系のものがある。

 これでFOXニュースの権利がどう侵害されたのかはっきりしないが、グレイニングによれば、ことはザ・シンプソンズに有利に進んだ。

 FOXニュースがFOXエンターテイメントを訴るとは、つまりトップ(ルパート・マードック)が自腹を切って自分を訴えるということだ。もちろんそんな馬鹿げた選択はされなかった。

photo by Pixabay

1. 家を荒らした子供の両親が被害者を「訴えるぞ」と主張

 誰にでも訴える権利はある。だが、他人にも守られるべき権利があることをわきまえなければおかしなことになる。

 2013年のレイバー・デー(米国の祝日。9月の第1月曜)、NFL選手のブライアン・ホロウェイが所有していた別荘に300人もの少年少女たちが侵入しパーティを開催。2万ドル相当(約200万円)の被害を与えた。

 彼らはSNSでも浮かれていたようで、ご丁寧に不法侵入パーティの様子を写した写真をSNSに投稿したりもしていた。

 ホロウェイはこうした写真をもとに、加害者を特定し警察に通報。また自身のサイトに写真を公開して、さらなる情報提供を求めた。

 ところがこれに逆ギレした親たちがいた。加害者の親の一部が、子供の写真を公開したことでホロウェイを訴えると脅迫したのだ。

 その写真は、子供たちが自分の犯した犯罪を全世界に公開したものなのだから、親たちのやり場のない怒りもわからないでもない。

 結局、パーティ参加者の何人かは実際に起訴されたが、ホロウェイが親から訴えられたという情報はない。

References:10 High Profile Yet Ridiculous Lawsuit Threats – Toptenz.net / written by hiroching / edited by / parumo

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