“自分らしく輝く”。すごく素敵なことだけど、実は結構難しいと感じることもあります。自分が一番いきいきとしながら、輝けることを見つけるためにはどうすればいいのでしょうか? そんな疑問に今回答えてくれたのが、パラアスリートの谷真海さん。20歳のときに義足になったことが、自分と向き合い、チャレンジを続けるきっかけとなりました。現在は、パラアスリートとしてのみならず、NHKのスポーツ情報番組「サンデースポーツ」のメンバーとしてアスリートに取材するなど幅広く活躍しています。そんな谷さんに自分らしく輝くための秘訣をインタビュー!
常識を打ち破る強い気持ちを。チャレンジすることで個性は磨かれる

ーー谷さんはNHKのスポーツ情報番組「サンデースポーツ」に出演中で、「たに色まみ色」というコーナーで、アスリートの方々に取材されています。個性が光るアスリートの方たちに共通するものはありますか?
谷真海さん(以下、谷):パラアスリートに関しては、我が道を行くタイプの人が多いと思いますね。今はパラリンピックを取り巻く環境もよくなってきていますが、昔から競技をやっている人は、本当に手探り状態の中でチャレンジをしてきています。私自身もそうですけど、失敗を恐れずに、思い切って世界に飛び出していく、誰かがやっていたからという理由ではなくて、自分がこうしたいという気持ちを行動に移していく。そういう強さがあるのかなと思いますね。
ーーなるほど。アスリートのあり方も以前より多様化してきましたよね。
谷:そうですね。今は全ての人にとって人生の選択は多様になってきていますが、これまでアスリートはこうあるべきみたいな風潮があって、その幅が狭かった。でもこれからはそうではなくて、自分の心の声を聞いて行動に移していく、やりたいからやるということを多くの人が大事にしてほしいと思います。
人生が180度変わった20歳の出来事。谷さんの殻を破る原動力となったものとは

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ーー谷さんが”自分らしさ”を意識するようになったきっかけは何ですか?
谷:”自分らしさ”ということについて考えたタイミングは、20歳のときに病気で足を切断し、義足になったときですね。目標を持って一生懸命になるということや、常に心から笑顔で笑っている自分とか、そういったものを一旦、全部失ってしまったと感じたときに、”自分らしさ”とはなんだろうとすごく考えたんです。そして考え抜いた結果、せっかく命が救われたのだから、もう一度前向きに楽しく生きていきたいと思いました。私の場合は競技を始めたことで、自分の殻を破れたと思います。もう一度自分らしさを取り戻せた、という経験になりましたね。
ーー谷さんにとってパラリンピックはどのようなものでしたか?
谷:パラリンピックの存在はすごく大きかったです。世界中から集まるパラリンピアンたちにいい意味で圧倒されて、自分自身も全てを運命として受け入れて、今あるものを輝かせていこうという生き方に変わったのが大きいですね。そこから挑戦し続けて20年が経って、人生の半分になった。それが自分の生き方になった。その中でスポーツが欠かせなかったということです。この先もどういう形になるか分からないですが、スポーツそのものは続けていきたいし、スポーツの力を信じていきたいですね。
多様な生き方を認め合う時代へ。3万いいねがついたTwitterの投稿
https://twitter.com/mami_sato/status/1432301750392737796東京パラリンピック開催中の2021年8月30日、谷さんの公式Twitterで大きな反響を呼んだ投稿。「オリンピックに出場した海外選手が同じような構図の写真を撮っているのを見て、私も撮影したいと思い、選手村を出る直前にトライアスロンのメンバーみんなで撮影しました」
ーー東京パラリンピック開催中にツイッターへ投稿したこちらの写真。パラトライアスロンの日本代表選手が写った1枚ですが、すごく大きな反響がありましたよね。どのような想いを込めて投稿したのですか?