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【NBAドラフト候補】ロケッツからの3位指名が有力視。デューク大出身のイタリア系エース、パオロ・バンケロとは<DUNKSHOOT>

THE DIGEST

【NBAドラフト候補】ロケッツからの3位指名が有力視。デューク大出身のイタリア系エース、パオロ・バンケロとは<DUNKSHOOT>

 今年のNBAドラフトは、現地時間6月23日にブルックリンのバークレイズ・センターで開催される。

 各メディアの予想で上位指名候補に挙げられているのは、オーバーン大のジャバリ・スミス、ゴンザガ大のチェット・ホルムグレン、そしてデューク大のパオロ・バンケロ。いずれも大学のフレッシュマン(1年生)たちだ。

 3位指名が予想されているバンケロは、アメリカのシアトル生まれだが、父親がイタリア系で、同国の代表入りを選択した。よって、もし彼がトップ指名を受けた場合は、2006年のアンドレア・バルニャーニに次ぐイタリアからの1位指名誕生と話題になっている。

 母はWNBAでプレーした元プロ選手。父はアメリカンフットボールの選手と、パオロはスポーツ一家の出身だ。父方のいとこ、クリス・バンケロもフィリピンのスター選手で、その甘いルックスから雑誌の表紙を飾るなど同国で人気のアスリートである。

 パオロ自身は身長208cm、体重113kgと立派な体格を誇るパワーフォワードで、当たり負けしないコンタクトプレーや、知的なパスワークを高く評価されている。様々なスキルの面において、すでにかなり高いレベルまで備わっている、という印象の選手だ。
  幼い頃から、両親がバスケットボールとアメフト以外にも色々なスポーツに取り組む機会を与えていたことも、彼を万能アスリートに育てた要因だろう。本人の記憶では初めてバスケットボールをプレーしたのは4、5歳だったというが、地元でコーチをしていた母親の影響で、日常にバスケットボールがあったと、以前インタビューで語っている。

 その母親は、息子が5歳くらいになった頃から「スピードがあって頭のキレがあり、勝利に対して挑む意志がある」と、アスリートとしての素質を見出したと述懐している。

 中学時代に1年で10cmも身長が伸びたというバンケロは、地元では圧倒的なエースプレーヤーになっていたが、高校に進学した後、壁にぶち当たった。インテリジェンスやリーダーシップといったプレー以外のメンタル的要素も求められるハイスクールのレベルに移行する際には、多くの選手が戸惑いを覚えると言われている。彼もその例に漏れず、「本当にきつかった。少しも気が抜けるタイミングがなくていつも全開でなくてはならなかった」と、初めて味わった苦境を振り返っている。
  そんな時、アスリートだった父は自身の経験から、「より高いところに視点や目標を定めて、しっかりそこにフォーカスすること」とアドバイス。その言葉を胸に邁進したバンケロは、3年生の頃には1試合平均22点、11リバウンド、4アシストを叩き出すチームの柱となっていた。

 厳しいレギュラー争いを勝ち抜いた過程で彼が身につけたのは、自身のプレーの質を上げることだけでなく、周りも一緒に高めていくリーダーシップだったという。

「以前の僕は、自分のプレーで手本になればいいという感じだった。でも、より成長していくにつれて、どんどん声を出して仲間を引っ張るリーダーになることができた」とバンケロは語る。ちなみに高校では、学業の成績もなかなか優秀だったそうだ。

 2021-22シーズンに所属したデューク大では、 1年生にして平均17.2点、7.8リバウンド、3.2アシストの活躍で、NCAAトーナメントでは7年ぶりのファイナル4進出に貢献。セミファイナルで宿敵ノースカロライナ大に敗れたが、この試合でも20得点、10リバウンドとチームハイの働きで、同校からただ1人、ファイナル4のオールトーナメントチームに選出されている。
  その自信を携えて今年のドラフトにアーリーエントリー。「自分は今年のドラフトのベストプレーヤーだということを、シーズンを通して証明してきたという自負がある」と口にする19歳は、先日、3位指名権をもつヒューストン・ロケッツのワークアウトに参加した。

「ものすごく感触が良かった。若いチームで、スペースを使ってスピーディーにプレーする。チームも僕がすぐにフィットすると感じてくれていたようだ」と、地元テキサスのメディアに好感触を語った。

 ロケッツには、昨ドラフト2位指名のジェイレン・グリーンを筆頭に、アルペレン・シェングン(16位/オクラホマシティ・サンダーからトレード)、ウスマン・ガルーバ(23位)、ジョシュ・クリストファー(24位)と、昨年のドラフト1巡目で指名された若手が4人もいる。同世代の若手が多い環境は、彼にとって個性を発揮しやすいはずだ。
  また、コンビプレーが求められるバックコート陣、グリーンとケビン・ポーターJr.については、「2人ともものすごく高いスキルと才能を持った選手。それに2人のことは以前から知っている」と、その印象を語っている。

「ケビンは同じ街(シアトル)出身だし、ジェイレンとは高校時代の知り合いなんだ。一緒にトレーニングキャンプに参加したりしていたからね。だから楽しくなりそうだ。2人とも私欲がなくて、勝利への意志がある」

 そう期待をふくらませている様子からは、すでにロケッツの一員になることが決定したかのような意気込みがうかがえる。はたして日本時間の明日、彼の名前が3番目に呼ばれることになるだろうか。
  ちなみにバンケロは、2020年の11月に行なわれたユーロバスケットの予選に、イタリア代表候補として選出されていた。

 ここでの代表デビューはお預けとなったが、9月1日からイタリア、ドイツ、ジョージア、チェコで共同開催される本大会では、同国代表として第一歩を踏み出す可能性もある。NBAデビュー前のタイミングでコンディション調整など微妙な面はあるが、出場が叶えば、NBAプレーヤーも多数参戦する国際トーナメントで多くの学びを得ることだろう。

 近年、いろいろな競技において複数の民族の血が入った選手は、様々な身体的・マインド的な特徴を合わせ持つことを武器に、飛躍する例が多く見られる。母方からアメリカ&アフリカ、父方からイタリア系の血を引くハイブリッド、パオロ・バンケロも、NBAだけでなく国際舞台でも存在感を放つプレーヤーとなりそうだ。

文●小川由紀子

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