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盗塁王へ向けてばく進中!ロッテの韋駄天・高部瑛斗に3年目のブレイクをもたらした「変化」とは<SLUGGER>

THE DIGEST

盗塁王へ向けてばく進中!ロッテの韋駄天・高部瑛斗に3年目のブレイクをもたらした「変化」とは<SLUGGER>

「いい時はいい、悪い時は悪いで、波が出てきてしまっていると感じるので、何とか修正力を高めて、粘れるようなものを作れていけたらなと」

 現在の打撃の状態について淡々と語ってくれたのは、注目の若手外野手・髙部瑛斗だ。6月21日現在、72安打はリーグ2位、22盗塁は堂々トップ。プロ3年目にして見事なブレイクを果たした。

 一時期と比べて打率は少し下がっているものの、開幕から全試合出場を続けている点も立派だ。体力的にも厳しい夏場を迎えようとしているが、「疲れや動きづらさを感じたりもしますけど、それは身体の向き合い方の問題だと思うのでケアであったり、感覚のずれを理解していけたら十分戦えると思うので」と自信をのぞかせる。

 東海大甲府高から国士舘大へ進み、2019年のドラフト3位で入団。今年春のオープン戦では打率.393で首位打者に輝くと、荻野貴司や角中勝也らの出遅れもあって開幕スタメンを獲得した。「オープン戦で(今まで)やってきたことが結果として表れて、試合に出させてもらえるようになったので、自分でちゃんとつかみ取ったものだと思って、自信を持ってやろうとは思っていました」と当時を振り返る。 開幕後も安定して安打、盗塁を量産。5月27日に荻野貴司が登録されるまではリードオフマンを務め、その後も全試合出場を続けている。

 昨年までの自分とはどこが変わったのか聞いてみると、「オフシーズンにウエイト・トレーニングをして身体を変えたことがきっかけ」だったとのこと。「筋肉に刺激が入ったことによって動かせる場所が少しずつ増えてきて、感覚が上がってきたな」と感じたそうだ。

 また、高部は「去年までは考えがまとまってなかった」とも語った。「『周りの人がこうやっているから僕も』とか、自分に集中できなかった部分が少なからずあった」ことに気付き、「今年は自分のことに集中しよう」と考えを変えた。それが好成績につながったのだという。「周りの意見を取り入れないということではないけど、頭でっかちにならないように、今はこれ、今はこれってちゃんと絞ることが大事だと思います」。 どのコースのボールにも安定して数字を残す一方、いわゆる「悪球打ち」も多く、特に高めのボール球に強さを発揮している。
「意識はしてないですけど、去年までは高めは打ててなかったので、考え方や打ち方が良くなってきた証拠なんじゃないかなぁと思います。フォアボールも取りたいですけど、ギリギリの球をストライクと言われて三振したりも今までは結構あったので、それだったら振りにいって、アウトになった方がいい。フォアボールがあるから振らないのは僕の中では後手な感じがしたので」
 ここにも意識の変化があった。

 そして、何といっても光るのが盗塁だ。22盗塁は12球団最多。昨季はイースタン・リーグで盗塁王に輝いたとはいえ、一軍定着1年目としては目を見張る数字だ。

「ここまで数字を伸ばせているということは、とても自信にもつながります。いろんな映像を見て、走塁コーチの方々にも支えられて増えているものなので、これから増やすにはもっと勉強して、根拠を持ってプレーしていかなくてはと思っているので、そこは満足せず追及していきたいなと」とさらなる盗塁量産に意欲を燃やしている。

 振り返ってみると、プロ最初の2年間は一進一退の連続だった。
  1年目は有鈎骨骨折で出遅れながら、9月にファーム月間MVPを受賞し、10月にコロナ集団感染の特例代替選手として一軍初昇格。しかし、その時は初ヒットの1安打だけで降格となった。

 当時を振り返り、「一軍と二軍の違いっていうのはあまりわからなかったですけど、立ってる自分の感じが違うなぁと思ってました。考え方が二軍の時と同じ通りにいかなかったりとか、結果を求めすぎて身体が違う感じになってしまったりとか、そういうのは感じました」と語る。

 2年目も一軍と二軍を行ったり来たりの日々だった。足りなかったものは何だったと思うかと尋ねると「その時は全部足りてないと思ってました。『今の感じではまだかなぁ、無理かなぁ』、っていう気持ちはありました。これならいけるっていうものがなかなか出来なかったので、上がってもすぐ下がってっていうのを繰り返してしまっていました」と話す。
  それでも、少しずつ手応えも感じていた。「打席の内容であったり、アウトのなり方、球の見ている感覚の感じ方、守備で守っていたり、走塁の感じだったり、やっと落ち着いて整理できてきているなと感じていたので」。そこに、ウェイト・トレーニングの導入や思考の変化などが加わって、一気に飛躍につながったようだ。

 一軍は移動も多く、練習時間や気分転換の時間の確保など二軍の生活とは大きく変わってくるが、「だいぶ慣れてきました。意外と平気でした」とさらりと話してくれた。そして「漫画見るか、動画見るか。『BLUE GIANT』という漫画と『テレビ千鳥』が面白くてハマってます」と、24歳らしい素顔も明かしてくれた。
  今後の目標について「全試合に出場することと、そのためには必要な数字というのがあるので、それを求めて精一杯毎日やっていくこと」と力強く語る高部。レギュラー定着1年目でタイトル獲得なるか。まだまだ伸びしろを感じさせる韋駄天の成長をしっかりと目に焼き付けていきたい。

取材・文●村岡範子

【著者プロフィール】
むらおかのりこ。1983年生まれ。軟式野球チームの監督だった父の影響で小学2年からプロ野球ファンになる。大学上京後、チアリーダーとなり、Jリーグクラブの公式チアリーディングチームのメンバーを務める。2018年から二軍観戦にハマり、可能な限り球場へ足を運ぶ。19年にスポーツサイトでNPB担当ライターを経験し、現在はフリーで活動中。
 

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