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【RIP】世界初のサイボーグにチャレンジしたロボット博士が死去

カラパイア


 体を動かす全身の筋肉が衰えてしまう難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、世界初のサイボーグ人間となり病に抗おうとした英国の科学者、ピーター・スコット=モーガン博士が、逝去したそうだ。享年64歳だった。

 スコット=モーガン博士は、科学者としての探究心と勇気を失うことなくサイボーグ化手術を行い、それに成功したことは、以前カラパイアでもお伝えした。

 ”ピーター2.0″として生まれ変わった彼は、自分そっくりの3DCGアバターで感情表現し、合成音声で会話を交わすしていた。体や内臓の機能も機械に置き換えられた。

世界初のサイボーグ博士、64歳で逝去

 そんなスコット=モーガン博士の訃報は、6月15日家族によってTwitterで発表された。
反骨心あふれるピーターの素晴らしい支援者の皆様へ、悲しいお知らせです。ピーターが家族や親しい人たちに囲まれながら安らかに息を引き取りました。

彼は自分を支えてくれた皆様と、人々の障害を見る目を変えるという己のビジョンを、心から誇りに思っていました

サイボーグとなり病に抗おうとしたロボット工学博士

 スコット=モーガン博士は5年前の2017年(当時59歳)、かのホーキング博士をも苦しめた運動ニューロン疾患、難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」にかかり、余命2年と宣告された。

 しかしロボット工学博士である彼は、希望を捨てることなく、最新の技術なら乗り越えることができると信じ、自らをサイボーグ化する決断をする。

 「自分の肉体に閉じ込められてしまう現実を変えたかったのです」と博士は語っている。

 「ALSだけでなく、事故や病気や生まれつきの障害、老化や認知症もそうです。究極的には、誰もがそういう不自由さから解放されるべきです」

 博士はそのために自分が実験台になることにした。「幸運にも私はその第1号となりました。”ネオ・ヒューマン”として、未来に飛躍する最初の実験です」

The Tragic Death Of The World’s First Human Cyborg

 博士の命をかけた挑戦は、日本でもドキュメンタリー番組になっている。上記のスコット=モーガン博士の言葉は、NHKで放送された『ピーター2.0 サイボーグとして生きる』で語られたものだ。

 この番組では、難病に負けることなく、全身をサイボーグ化して生きようとするスコット=モーガン博士の旅を追っている。

 博士は体の機能を機械に置き換えるために何度も手術を受けている。栄養を胃に流す装置や排泄物を出すための装置を取り付け、食道と気管を切り離し、肺に空気を送る装置もつないだ。こうした装置は車椅子ロボットに搭載され、彼の体と一体化された。

 また、顔の筋肉が衰えてしまったために、本人そっくりに作られた3DCGアバターを開発。アイトラッキング技術でコンピューターを操作すれば、AIがアバターの表情を交えつつ、本人さながらに話をしてくれる。

AIと機械に融合したピーター2.0

 スコット=モーガン博士は、AIと機械に融合されて生まれ変わった自身のことをピーター2.0と呼んでいた。彼の究極の目標は、人間であることの意味に革命を起こすことだった。
今、人類は進化できずにいます。一方、AIとロボットは加速度的に進化している。私は、人類が進化の波に乗り遅れてほしくないのです

私たちは、老いや障害によって力を失う恐怖から逃れられる時代の夜明けにいます。貧しい地域でもAIとともに生きるようになる。中には私のようにAIと融合し、人類の定義を広げる人もいるでしょう

そして人間とAIが融合する”ネオ・ヒューマン”は、理想の自分を実現するのです。これは遠い未来ではなく、たった数十年後の話なのです
 生物としてのスコット=モーガン博士は死んだが、AIとしての彼はこれからも生き続けることだろう。

References:Dr Peter Scott-Morgan, the ‘world’s first cyborg’, dies aged 64 / ‘World’s first human cyborg’ Dr. Peter Scott-Morgan dead / written by hiroching / edited by / parumo

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