「物事の本質を見極めたい」

気持ちのこもったピッチングを見せた北山
見事にリベンジを果たした。5月26日のヤクルト戦(神宮)。9対5と4点リードの10回裏、日本ハムのマウンドに上がったのは北山亘基だった。2戦連続でサヨナラ負けを食らっていた右腕。3連投となったが負の状況を振り払うかのように、打者6人に対して23球すべてストレートを投じた。逃げない姿勢を見せた背番号57。2安打を浴び1点を失ったが、チームに交流戦初勝利を呼び寄せた。
今季、京産大からドラフト8位で入団した北山。野球に限らず、トレーニングなどに関する知識が豊富でチームメートからは「教授」と呼ばれている。発する言葉の端々からも“こだわり派”であることが感じられるが、自身で研究するスタイルは昔からだという。
「もともとの性格なんでしょうが、小さいころから物事の本質を見極めたいというか、そういう気持ちはありました。表面的な部分だけを見ないような考えがあったんです。例えば、野球に関しても『その日が良かったからOK』じゃなくて、『なんで良かったか?』と考えてみたり。何事にも原因があって、結果があるものですから。それをしっかりと把握しないと気持ちが悪いんです」
「準備」「整える」ことも大切にし、ルーティンにもこだわっている。
「一番大切にしているのは『心の軸』と『体の軸』を常に整えること。マウンドでは体の軸が真っすぐでないと投げられません。メンタルがブレブレでもいい投球はできません。結局、体を動かすのは心ですし、心がなかったら体もうまく扱えません。2つのバランスをとることです」
今回の経験で新たな境地にも達しただろう。北山の今後のピッチングが楽しみだ。
写真=BBM