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韓国語を楽しく学ぶ本。ソウル在住40年の日本人ジャーナリストが教える。

BOOKウォッチ

韓国語楽習法(KADOKAWA)<amazonで購入>

 K-POPや韓流ドラマの人気が高まり、日本でも韓国語を学ぶ人が増えている。本書『韓国語楽習法』(角川新書)は、1970年代に韓国に渡り、長くソウル特派員を務めてきたベテラン記者が、韓国語習得の極意を披露した本だ。日韓の文化の違いにも触れ、読み物としても秀逸である。


 著者の黒田勝弘さんは1941年大阪市生まれ。産経新聞ソウル駐在客員論説委員、神田外語大学客員教授。京都大学経済学部卒業後、共同通信社に入社。韓国・延世大学への留学などを経て、共同通信ソウル支局長に。89~2011年、産経新聞ソウル支局長兼論説委員。2005年には菊池寛賞および日本記者クラブ賞を受賞。著書に『韓国 反日感情の正体』(角川新書)、『隣国への足跡 ソウル在住35年 日本人記者が追った日韓歴史事件簿』(KADOKAWA)など多数。韓国を最も良く知る日本人ジャーナリストの1人である。

 黒田さんは韓国語の入門書として、『ハングルはむずかしくない』(文藝春秋)と『ハングルはおもしろい』(ともに文藝春秋。書名のルは正しくは小書き)を1980年代に書いている。いずれも「時の要請」があったからだという。

第1次韓国ブームはソウル・オリンピックがきっかけ

 それは1988年のソウル・オリンピックと韓国の経済発展に伴い、「暗い軍事独裁の国」というイメージが一変し、第1次韓国ブームが起きたからだ。

 現在は何度目かの韓国ブームだという。つい最近、ネットニュースで日本の女子高生の間で、「オッパ」とか「チンチャ」という韓国語が流行しているという記事を見た。韓流ドラマではおなじみの言葉だ。「オッパ」は妹からみた兄の呼称だが、女性が男性の「恋人」を呼ぶ際にも使われる。「チンチャ」は「ほんと?」という意味だが、会話の接ぎ穂としてひんぱんに出てくる。

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 本書の冒頭、「韓国語が国際語になった」という見出しで、英国の『オックスフォード英語辞典(OED)』に韓国語が新たに26個も収録され、韓国で話題になったことを紹介している。

 そのうち前述の「オッパ」のほか「ヌナ」(弟から見た姉の呼称)と「オンニ」(妹の姉に対する呼称)という家族の呼称が3つも入っていることに注目している。オッパもそうだが、ヌナもオンニも家族以外でもよく使われることは、韓流ドラマを見ている人なら知っているだろう。これらの呼称が家族もののドラマにひんぱんに出てくるので、外国人にとって印象的な言葉になったのだろう、と推察している。

 黒田さんは、お店や各種窓口など接客場面で相手の女性に対しては、年齢に関係なく「オンニ」と呼びかけることにしているそうだ。これまでは若ければ「アガシ(お嬢様)」で、中年以上なら「アジュマ(おばさん)」と呼んでいたが、近年どちらも差別的なニュアンスが感じられるようになり、使われなくなったという。

ハングルはローマ字と似た仕組み

 こうした実用的な話題が豊富なため、どこを読んでも楽しめる。語学習得法としては、「ハングルはローマ字と似た仕組みだからすぐ読める(基本母音は10個で子音が14個の計24文字)」「日本語と語順が同じというありがたさ」「漢字由来の単語が多いので、漢字を知る日本人には大変有利」「英語よりもずっと学びやすい」など、日本人にとってのハードルの低さを強調しているので、「それなら学んでみよう」と思う人も多いだろう。よく使われる単語、言い回しも多数収めているので、初心者の役に立つだろう。

 今年度のNHKラジオの「まいにちハングル講座」は、K-POPアーティストをめざす日本人の亜美という18歳の女性が、ソウルでアカデミー(スクール)に通いながらレッスンに励んでいるという設定だ。

 何年かこの講座にチャレンジし、すぐに挫折していた評者だが、今年はとりあえず2か月続いているので、これもK-POP効果だろうか。

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